スキルを磨くより相手の「欲求」を知れば単価は上げられる今井孝（経営コンサルタント）

「好きなことだけして稼ぐ人になろう」。そんなことができるのは、特別な才能がある人だけでしょ？　と思ったあなた、違うんです。お金に関する正しい知識さえあれば、私たちは自由に働きながら稼ぐことができます。

これまで3万人以上の起業を成功させてきたカリスマ講師、今井孝さんの『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方』には、そのノウハウがたっぷり。オリエンタルラジオ・中田敦彦さんも「学校では教えてくれない『お金の基本知識』が学べる一冊！」とオススメする本書から、一部を抜粋します。

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相手の欲求を知ることに意識を向ける

「人は感情を満たしたいからお金を出す」という前提を理解した上で、次の質問です。

あなたの商品やサービスにお金を払う人は、どんな感情を満たしたいのでしょうか？

実は、これが分かれば人はゼロからお金を生み出すことができるようになります。

逆に言えば、お金を生み出せない原因は、相手がどんな感情を満たしたいのかを知らないからです。ただ、それだけのことです。

ですので、「商品に価値がない」のではありません。

「相手の欲求を知らない」だけ、なのです。

もしあなたが誰かに道を尋ねられたらどうしますか？　知っていれば教えてあげるでしょうし、知らなくても助けてあげようとするのではないでしょうか。また、誰かが持ち物を落としたら拾ってあげて、「落としましたよ」と声をかけるでしょう。その時に「自分に自信がない」とは感じないと思います。

このように、相手の欲求が分かれば安心して貢献できるものなのです。

この原理原則が分かれば簡単です。

自分のスキルを磨くよりも、相手の欲求を知ることに意識を向けて行けばいいのですから。

相手の欲求を理解するだけで、本当に自然とお金を生み出すことができるようになります。

例えば、ITサポートのUさんも、最初はお金を受け取れませんでした。たった5千円でも、「そんなにいただけません」と拒絶していました。

しかし、今では30万円という金額で仕事を請け負っています。

ものすごい変化ですよね？

Uさんがどうして単価を上げられたかというと、たくさんの人と接するうちに、ITの苦手な人の感じている「大変さ」を理解したからです。

目の前でパソコンに向かってあたふたしている人を見て、「本当にこんなにITが苦手な人がいるのか」「これは助けてあげないと」と実感したのだそうです。

そして、自分のスキルでこの人たちの抱えているITに関するストレスや、やりたいことが進まないフラストレーションを取り除いてあげられると気づいたのです。

そして、UさんのITのスキルは何も変わらないまま、単価だけ上げることができたのです。

このように、相手の欲求や感情を知れば知るほど、自分の存在価値に気づくことができますし、自信を持って単価を上げられるようになります。

TOEIC800点台でも英語コーチとして大成功できた理由

相手の欲求が分かればスキルや知識を磨く必要がない、とお伝えしていますが、信じられないという方もいるでしょう。

そういう方のために事例を1つご紹介します。

英語コーチのNさんの例です。先述の通り彼のTOEICの点数は800点台です。もし英語コーチの価値がTOEICの点数で決まるのであれば、Nさんは選ばれないでしょう。

しかし、Nさんを選ぶ人もいます。

100万円のコースを選ぶ人さえいます。

なぜ、Nさんが選ばれるかというと、英語の勉強のモチベーションを保たせるのがうまいからだそうです。サボれない環境を作り、上達を感じさせ、やさしい指導なので、やる気を保ったまま学べます。

正確に言うとNさんは英語を教えていません。学習方法やお薦めのテキストなどは教えるのですが、勉強はクライアント自身でやってもらいます。これなら、Nさん自身が英語そのものを指導する必要はありません。

ですので、「自分で勉強したいけど、なかなかモチベーションが続かない」という人には、Nさんの英語コーチングがぴったりなのです。

このように、スキルが高くなくても、経験が浅くても、知識が少なくても、選んでくれる人がいます。誰もがすごい人に仕事をお願いしたいと思っているわけではないのです。

価値があるかどうかはお客様によって変わりますし、その価値基準はお客様によってさまざまです。価値はテストの点数でも、経験年数でも、資格の数でも決まらないのです。