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転倒予防の名医が教える 長生き足体操

2022.10.21 公開 ポスト

転倒事故を防ぐために、バスや電車では「進行方向を向いて」立ちなさい武藤芳照(整形外科医、医学博士)

最近、転びやすくなった、つまずきやすくなった……。歳や疲労、不注意のせいだと、甘く見てはいませんか? 転倒事故で亡くなる人は、なんと交通事故のおよそ4倍。骨折などのケガはもちろん、急性硬膜下血腫、脳挫傷といった、死や寝たきりにつながる恐ろしい事態を引き起こすこともあるのです。

転倒予防の第一人者、武藤芳照先生の『転倒予防の名医が教える 長生き足体操』は、そんな転倒を防ぐための知識とトレーニングを教えてくれる一冊。自分の身を守るために、若いうちに覚えておきたいことが満載の本書から、一部をご紹介します。

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「ザ・ぺったんこ」で揺れても安心

バスや電車で立つときは、つり革や手すりを持った上で、「進行方向を向いて」立ってください。

進行方向に対して横向きに立つ人が多いですが、この姿勢は、とっさの一歩が出にくいのです。

股関節の横の筋肉は普段あまり使わないために、たとえば急ブレーキなどがかかったときに、対処するための一歩が出ずに転倒し、大腿骨などの骨折につながることがあります。対して、前後の一歩は、横の一歩よりは出やすい。

電車やバスの中の立ち姿勢を、私たちは「ザ・ぺったんこ」と呼んでいます

まず、進行方向を向いて、つり革や手すりにつかまります。やや重心を低くし、前傾気味の姿勢が基本です。

からだが前に傾くほうが、急な揺れや停車などに、対応しやすいからです。必要に応じて、足の指に力を入れてください。

股関節・膝関節・足関節のまわりの力はゆるめて、揺れに柔軟に対応できるようにしておきます

「ザ・ぺったんこ」の姿勢を取ることは、バランス訓練になりますが、席が空いているときはムリせず座りましょう。元気で余裕がある方だけ、たまには立って、この運動を取り入れてみてください。

荷物は左右バランスよく持つ

ウォーキングや散歩をするときを除けば、私たちは荷物を持って歩くことがほとんどです。その際に、一番大事なポイントはバランス

普段、みなさんがよく使われているリュックと肩掛けバッグを例に、上手な歩き方を紹介します。

(1) リュックを背負うとき

荷物の重心がなるべく腰の位置に来るように紐で調整しましょう。重心が上にあるとバランスを崩しやすく危険です。また、重すぎるリュックだと後ろへの転倒リスクが高まります。

リュックと中身の大きさについても注意が必要。大きなリュックに対して、中身が小さいと、歩行の度に中の物が動いて、不安定になります。大きさも重さもムリのない適切なものを選びましょう。

(2) 肩掛けバッグを持つとき

2つ以上の荷物を持つときは、重さを分散させて両手で持つようにしましょう。片方の手を空けていた方が安全だと考える人もいるかもしれませんが、いざとなったら迷わず荷物を放してしまえばいいのです。

2つでも3つ以上でも、荷物を持っているときは、なるべく重さが両側で均等になるように調整してください。肩掛けバッグと手提げ袋を持っているときも、重さを左右でそろえることが大切です。安定感が増して転びにくくなります。

また、荷物を前で持ってしまうと足下が見えなくなってしまいます。なるべくからだの横側で持つようにしましょう

関連書籍

武藤芳照『転倒予防の名医が教える 長生き足体操』

「最近転びやすくなった」は寝たきりへの危険信号!? 病院や高齢者施設でも実践!死ぬまで歩ける足腰を座ったままの運動でつくる。

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転倒予防の名医が教える 長生き足体操

最近、転びやすくなった、つまずきやすくなった……というあなた。「年のせいだからしかたない」と、甘く見てはいませんか? 転倒事故で亡くなる人は、なんと交通事故のおよそ4倍。骨折などのケガはもちろん、急性硬膜下血腫、脳挫傷といった、死や寝たきりにつながる恐ろしい事態を引き起こすこともあるのです。

転倒予防の第一人者、武藤芳照先生の『転倒予防の名医が教える 長生き足体操』は、そんな転倒を防ぐための知識とトレーニングを教えてくれる一冊。自分の身を守るために、若いうちに覚えておきたいことが満載の本書から、一部をご紹介します。

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武藤芳照 整形外科医、医学博士

日本転倒予防学会初代理事長、東京健康リハビリテーション(総合研究所代表理事・所長)、東京大学名誉教授。1950年生まれ。名古屋大学医学部卒業後、東京厚生年金病院整形外科医長、東京大学教育学部長、同大学副学長などを歴任。ロサンゼルス、ソウル、バルセロナの各五輪で水泳日本代表チームドクターを経験し、国際水泳連盟医事委員なども務めた。地方自治体や各種企業・団体での講演多数。

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