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転倒予防の名医が教える 長生き足体操

2022.10.24 公開 ポスト

あなたは片足で名前が書けますか? 「足文字体操」で座ったまま筋力アップ!武藤芳照(整形外科医、医学博士)

最近、転びやすくなった、つまずきやすくなった……。歳や疲労、不注意のせいだと、甘く見てはいませんか? 転倒事故で亡くなる人は、なんと交通事故のおよそ4倍。骨折などのケガはもちろん、急性硬膜下血腫、脳挫傷といった、死や寝たきりにつながる恐ろしい事態を引き起こすこともあるのです。

転倒予防の第一人者、武藤芳照先生の『転倒予防の名医が教える 長生き足体操』は、そんな転倒を防ぐための知識とトレーニングを教えてくれる一冊。自分の身を守るために、若いうちに覚えておきたいことが満載の本書から、一部をご紹介します。

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老化は下半身からやってくる

家の中で、初心者からできる転倒予防体操を紹介します。所要時間は約3分。初級編は、座ったままできる筋力アップ体操です。とくに腹筋から下半身の筋力を刺激します

体操で筋肉に負荷を与えると、骨も強くなる上に、腰痛や膝痛の予防にもなります。仕事や家事の合間に、細切れに行っても効果があります。

(1) 「ザ・足文字」

椅子に深く腰掛け、背もたれに背中をぴったりつけます。手で椅子をしっかり握るか、あるいは、手は膝の上に乗せてもよいです。片脚を太ももから膝までまっすぐに上げて伸ばし、足首は直角にし、その状態で空中に文字を書きます。このとき、上げないほうの脚は、床にしっかりつけておいてください。

右脚の足先で、自分の名前をひらがなや漢字で書いてみましょう。次に左脚で、パートナーや友人の名前などを書きます。好きな芸能人や歌手の名前でもいいでしょう。一人の名前を書くだけで、かなり太ももが疲れますので、左右ともに一人ずつで十分です。

テレビを見ながら手軽に行えて、太もも前(大腿四頭筋)の筋力がアップします。腰をそりすぎると腰痛を起こしますので、姿勢を保つことが重要です。

2人以上で一緒に行う場合は、誰の名を書いたのか、クイズにして当てっこをしても楽しいでしょう。

(2) 「ザ・もも上げ」

これはほとんど名前通り、座りながら、ももを上げる体操です。

姿勢は「ザ・足文字」と同じく、椅子に深く腰掛け、背もたれに背中をぴったりつけ、手で椅子をしっかり握ります

まず、右の膝を軽く曲げ、お尻が浮かない程度に持ち上げ、3秒キープします。持ち上げる高さは10~20センチを目安にしてください。あまり高く上げる必要はありません。上げない左足は、床にしっかりつけましょう。

次は左膝を曲げて上げます。左右を交互に上げて、1日2~3分やってみてください。太ももの前の筋肉の筋力がアップし、歩行時にしっかり脚全体が上がるようになります。

運動は楽しくやるのが何よりです。大事なのは運動を続けること。人のからだが変わるには、2~3年かかるといわれています。音楽を聴きながら、あるいはテレビの歌番組で歌手の歌に合わせて行進のように行うと、より楽しくできると思います。

私は運動には「4・3の法則」を唱えています。1週間のうち3日はサボってよし。4日は運動しましょうという提案です。

毎日必ず何分・何時間運動する、と決めて実行するのは大変すばらしいことですが、人間のからだには波や揺らぎがあります。疲れた日はしっかり休むことによって、調子を取り戻すことができるのです。

「ザ・足文字」も「ザ・もも上げ」も、最初はきつく感じるかもしれません。ですが、ゆっくり少しずつ続けると、確実に筋力がアップしていることを実感できるはずです。

関連書籍

武藤芳照『転倒予防の名医が教える 長生き足体操』

「最近転びやすくなった」は寝たきりへの危険信号!? 病院や高齢者施設でも実践!死ぬまで歩ける足腰を座ったままの運動でつくる。

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転倒予防の名医が教える 長生き足体操

最近、転びやすくなった、つまずきやすくなった……というあなた。「年のせいだからしかたない」と、甘く見てはいませんか? 転倒事故で亡くなる人は、なんと交通事故のおよそ4倍。骨折などのケガはもちろん、急性硬膜下血腫、脳挫傷といった、死や寝たきりにつながる恐ろしい事態を引き起こすこともあるのです。

転倒予防の第一人者、武藤芳照先生の『転倒予防の名医が教える 長生き足体操』は、そんな転倒を防ぐための知識とトレーニングを教えてくれる一冊。自分の身を守るために、若いうちに覚えておきたいことが満載の本書から、一部をご紹介します。

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武藤芳照 整形外科医、医学博士

日本転倒予防学会初代理事長、東京健康リハビリテーション(総合研究所代表理事・所長)、東京大学名誉教授。1950年生まれ。名古屋大学医学部卒業後、東京厚生年金病院整形外科医長、東京大学教育学部長、同大学副学長などを歴任。ロサンゼルス、ソウル、バルセロナの各五輪で水泳日本代表チームドクターを経験し、国際水泳連盟医事委員なども務めた。地方自治体や各種企業・団体での講演多数。

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