私たちはとうとうレッドカードを切られてしまった。
「今年は昨年よりも稚魚(シラスウナギ)の漁獲量が増え、スーパーなどでのウナギの店頭価格がいくらか下がりそうだ」と報道された直後の6月12日、世界の科学者で組織する国際自然保護連合(IUCN)はニホンウナギをパンダやトキと同じ「近い将来、野生での絶滅の危険性が高い絶滅危惧種」に指定した。
この決定が持つ意味は重い。今後数年以内に、早ければ再来年の2016年にはニホンウナギの国際取引が規制されるだろう。絶滅危惧種に指定された動植物は高い確率で、絶滅の恐れがある野生生物の国際取引を禁じるワシントン条約の規制対象リストに加えられるからだ。次回のワシントン条約締約国会議(条約を批准した国が集まる会議)は2016年に南アフリカで開かれる。そこでニホンウナギの国際取引への規制が議題に上るのは間違いない。
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