方眼メモを使う、ペンの色は基本2色、メモは3列で書く……。40代半ばから、たった1年で「記憶力日本チャンピオン」になった池田義博さん。著書『記憶力日本一を5度獲った私の奇跡のメモ術』は、「メモをとっても忘れてしまう」「仕事の効率が上がらない」「集中力がない」「いいアイデアが浮かばない」といった悩みに応える、独自のメモ&ノート術がつまった一冊です。そんな本書から、効果てきめんのノウハウをいくつかご紹介しましょう。
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大切なのはメモの内容だけではない
メモやノートをとったら安心してそのままにしていませんか?
メモ帳やノートに書いてしまえば、もうその情報が頭のなかにインプットされたと勘違いしがちです。
それではメモの価値を充分に活かすことはできません。メモを価値のあるものにするためにはなるべく早く見直すことが重要です。
なぜならメモは時間が経てば経つほど鮮度が落ちていってしまうからです。
メモをとる状況とは往々にして時間が限られているため、端的にポイントのみを書くことがほとんどです。
本来は、そのときの臨場感やインスピレーション、浮かんだイメージなどが同時に存在するのですが、それらを同時にすべて表現するのはほぼ不可能なので必要最低限の情報のみを文字で記入することになります。
しかし実はこういった付随した要素がメモにとってはとても大切なのです。
メモをとっているときの雰囲気や感情が思い出せると、そのときに連想したアイデアや考え、疑問点などが芋づる式に思い出せるからです。
そうなるとそのメモからさらに思考を発展させることができます。このように次につながる情報となるのが価値のあるメモということです。
時間をあけずにメモが新鮮なうちに見直すと記憶もまだフレッシュな状態なので、付随する情報も思い出しやすいのです。
ところが時間をあけてしまうと目に見えないこれらの情報は時間とともに急激に記憶から消えて行くことになります。
あとからそのメモの文字を読んでも、これがなぜ重要なのか、とか、ひどいときには何のことを書いているかさえ思い出せないことがあります。
それではメモをとる意味がありません。
ならばどのぐらいのタイミングでメモを見直せばよいのでしょうか。
遅くとも次の日には見直そう
そのヒントを教えてくれる、ある記憶の実験があります。
エビングハウスという心理学者が行った実験によると、人の記憶は100%覚えた時点から20分後に約42%、1時間後では約56%、そして1日経つと約74%もの記憶を忘却してしまうということです。
ただしこのデータは全く意味をなさないアルファベット3文字の文字列の記憶をもとにしているので、文字情報として意味のあるメモではもう少し忘却が緩やかかもしれませんが、傾向としては参考になるはずです。
ここからわかるのは、記憶というのはかなり初期の段階で急激に低下していくということです。
そこでメモは遅くとも次の日には見直すようにするべきです。
一度見直しておくと復習の効果が得られます。
復習すると、初めて覚えたときに比べて急激な記憶の低下を防ぐことができます。つまりそこからは記憶の低下が緩やかになるので、さらに記憶の鮮度の保持期間を延ばせるのです。
私はうっかり見直すことを忘れるのを防止するためにスマートフォンを利用しています。
今ではカレンダーやタスク管理のアプリのほとんどにはリマインダーの機能がついています。これらのアプリを見直す時間になったらアラームで知らせるように設定しています。
そしてほぼ寝る前の時間を見直しに充てるようにしています。
しかしそこまでしてもうっかり見直す機会を逃してしまったとします。
そうなったときのために頭に入れておいて欲しいことがあります。
それは記憶には最終的な消費期限があるということです。
その期間はおよそ1ヶ月です。
1ヶ月の間、覚えた情報に対して、全く意識せずに放っておくと思い出そうとしてもほとんど思い出せない状態になってしまうので注意が必要です。
消したくない重要な記憶は1ヶ月のうちに復習するようにしてください。
記憶力日本一を5度獲った私の奇跡のメモ術
方眼メモを使う、ペンの色は基本2色、メモは3列で書く……。40代半ばから、たった1年で「記憶力日本チャンピオン」になった池田義博さん。著書『記憶力日本一を5度獲った私の奇跡のメモ術』は、「メモをとっても忘れてしまう」「仕事の効率が上がらない」「集中力がない」「いいアイデアが浮かばない」といった悩みに応える、独自のメモ&ノート術がつまった一冊です。そんな本書から、効果てきめんのノウハウをいくつかご紹介しましょう。