方眼メモを使う、ペンの色は基本2色、メモは3列で書く……。40代半ばから、たった1年で「記憶力日本チャンピオン」になった池田義博さん。著書『記憶力日本一を5度獲った私の奇跡のメモ術』は、「メモをとっても忘れてしまう」「仕事の効率が上がらない」「集中力がない」「いいアイデアが浮かばない」といった悩みに応える、独自のメモ&ノート術がつまった一冊です。そんな本書から、効果てきめんのノウハウをいくつかご紹介しましょう。
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いいアイデアが浮かぶ「トップ3」
皆さんはどんな状況でいい考えが浮かぶことが多いですか?
人によっては床について眠りに入るまでの間、もしくは朝目覚めたときなど、または通勤通学の電車のなかなど、様々だろうと思います。
私個人は長年の経験から、いいアイデアが浮かぶ状況を自分なりに把握していて、トップ3ともいえる決まったシチュエーションがあります。
ひらめく頻度から順番をつけると、第3位が車の運転中です。
これには条件がついていて走り慣れた道のときに限定されます。新しい道や高速道路を走っているときにはひらめきません。
第2位はジョギング中です。
これも決まったコースがあり、そこをしばらく走っているうちに突然ひらめくことがあります。
そしてダントツの第1位が入浴時です。
しかも浴槽につかっているときではなく体を洗っているときと必ず状況は決まっています。
自分なりに分析すると共通しているのは、体は動いているけれども、その動きは無意識でもできるものだということです。
意識する必要がないのでその行動に対して脳のリソースをくわれずに済みます。
体が動いているということが思考の分散を防ぎ脳にアイデアが生まれやすい土壌が出来上がるのだと思います。
お風呂でメモをとりたいときは……
ではアイデアは、どんなシステムで生まれるのでしょうか。
いい考えというのはアイデアのもとになる素材が全くゼロの状態では生まれるものではありません。
頭のなかにすでに入っている、一見関連性がないと思われるような情報どうしが、あるとき何か偶然の触媒によって化学反応を起こし突然生み出されるのだと考えます。
その工程は脳が自動的に行ってくれています。
そうしてある日、私のトップ3のような脳にストレスのない状況で有機的に情報が結びつき突然ひらめくというわけです。
このようなシステムは温められたたまごからヒナがかえる状況に似ていることから、心理学的には「孵化効果」と呼ばれています。
しかしひとつ問題なのはそれがいつひらめくのかは誰も予想できないということです。そのため記録する用意がないときに、ひらめいたとしたらその大事なアイデアを取り逃がしてしまう恐れだってあります。
だから私はメモを常に持ち歩くようにしています。
ところが私のトップ3は車の運転中、ジョギング中、入浴している最中です。最初の2つではメモを手書きするわけにはいきません。
そこで車を運転するときと、ジョギングのときにはボイスレコーダーを携帯するようにしているのです。
ではお風呂のときはというといろいろ試して行き着いたのが、「はじめに」でも紹介した防水仕様のメモ帳です。
風呂場には、圧縮空気でインクを加圧してぬれた紙にでも書くことができるボールペンを常備しています。
そこまでして書くメモですが、そのメモの内容によって常に100%の成果を上げるわけではありません。
価値を生み出さないことの方が多いかもしれません。しかしそのメモがただの石ころなのかダイヤの原石の価値を持つのかはその時点ではわからないため、思いついたものはとりあえずメモしておくことにしています。
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