方眼メモを使う、ペンの色は基本2色、メモは3列で書く……。40代半ばから、たった1年で「記憶力日本チャンピオン」になった池田義博さん。著書『記憶力日本一を5度獲った私の奇跡のメモ術』は、「メモをとっても忘れてしまう」「仕事の効率が上がらない」「集中力がない」「いいアイデアが浮かばない」といった悩みに応える、独自のメモ&ノート術がつまった一冊です。そんな本書から、効果てきめんのノウハウをいくつかご紹介しましょう。
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メンタルの状態に影響されやすい「ワーキングメモリ」
ここ一番という大事な場面では誰しも不安なものです。
不安がふくらむとそれに伴って緊張も高まってきます。
本番で高いレベルのパフォーマンスを発揮するためには多少の緊張は必要ですが、いきすぎると「過緊張」という状態になり、脳が非常事態と判断し、的確な指令を身体に出せなくなってしまいます。
過緊張では本来の力は発揮できません。
そうならないためにも本番直前の不安や心配はなるべく抑えたいものです。
そこでここでは本番直前に不安や心配事を解消する方法を紹介します。
まずはなぜこんな状態になるのか少しだけ分析してみることにします。
これには前にも出てきた脳の機能のひとつ「ワーキングメモリ」と呼ばれる機能が関係しています。
脳の「メモ帳」のような機能を持ち、暗算するときなどに途中の計算結果を少しの間だけ覚えておくような場合にワーキングメモリが使われます。
要するに脳のバッファーのようなもので容量は少ないのですが、この余裕があるおかげで脳は様々な選択肢から解決策を選ぶことができるのです。
とても便利な能力なのですが、ひとつ弱点があり、それはメンタルの状態に非常に影響されやすいという性質なのです。
緊張や不安が生まれると、優先的にその脳のメモ帳に不安や心配事が書き込まれていってしまいます。
そして容量が少ないのですぐにそのメモ帳はいっぱいになってしまうのです。
そうなるともう他のことを考える余裕がなくなってきてしまい、これがいわゆる頭が真っ白な状態というわけです。
書くことで冷静さを取り戻せる
そうなることを防ぐために、ここでも字を書くことが有効な対策があるのです。
シカゴ大学の心理学者シアン・バイロックが行った実験によると本番前のプレッシャーを解消するための有効な手段が「紙に不安要素を全て書き出す」ことなのです。
とにかくほんの些細なことでも不安要素があればすべて書き出します。
「本番でど忘れしたらどうしよう」から「緊張で話せなくなったらどうしよう」「時間切れになったらどうしよう」など、冷静なときであれば考えすぎとも思えるようなレベルの不安や心配事をずらずらと紙に書きつづっていくのです。
別に他人に見せるものではないので、こんなことまで、などと考えずにどんどん書き出します。
この方法が有効な理由は、不安のボリュームを目で確認できるところにあります。
ワーキングメモリを脳のメモ帳と言っていますが実際のメモ帳のように書いてある内容が目に見えるわけではありません。
そのため不安要素が膨大な数、存在しているような錯覚を起こしてしまうのです。
そこで頭のなかにある不安要素を実際に紙に書き出してみると、数えられる程度のものだということがわかります。
つまり自分が抱えている不安の全体像を目で見て確認できることで、負のスパイラルを断ち切ることができるのです。
記憶力日本一を5度獲った私の奇跡のメモ術
方眼メモを使う、ペンの色は基本2色、メモは3列で書く……。40代半ばから、たった1年で「記憶力日本チャンピオン」になった池田義博さん。著書『記憶力日本一を5度獲った私の奇跡のメモ術』は、「メモをとっても忘れてしまう」「仕事の効率が上がらない」「集中力がない」「いいアイデアが浮かばない」といった悩みに応える、独自のメモ&ノート術がつまった一冊です。そんな本書から、効果てきめんのノウハウをいくつかご紹介しましょう。