物価高に為替や金利の変動、さらには暗号資産の信用問題など、今、お金を取り巻く環境は激しく揺れています。こんな時代に、どんな知識を身につければいいのか不安になる人も多いのではないでしょうか? バージョンアップさせなければならない知識はありつつも、でも押さえるべきは基本。お金のトレーニングスタジオ「ABCash」を主宰する児玉隆弘さん『未来のお金の稼ぎ方』より今身につけておきたいスキルをお伝えいたします。
まずは新しいテクノロジーのユーザーになってみる
テクノロジーの発展するところに上りのエスカレーターあり。とはいえ、「ITやテクノロジーとは全く関係のない部署にいる」「ITはなんとなく苦手」という人も多いと思います。そうした人に特におすすめしたいのがテクノロジーとリンクさせるスキルです。
このスキルはまず、一度でいいので、そのテクノロジーのユーザーになってみるというものです。メタバースに入ってみる。ニュースで話題となったフィンテックがあったら、とりあえず取り入れてみる。スマート家電を買ってみる……。なんでもよいのです。なんだ、そんなことなら簡単、と思われるかもしれませんが、実際は意外とハードです。
年齢が上がるにつれて新しいものを取り入れるのが億おつ劫くうになってきます。「うーん、面倒だからまた今度でいいや」と思ってしまうようになるのです。それでも強制的にユーザーになってみることで、どういうものか体感として分かるはずです。そして、ぜひチェックしてほしいのが、DNAを刺激されるかどうか。ユーザビリティが高いかどうかです。この2つを自分なりにスコア化してみるのもいいと思います。
私たちは消費者であり、供給者であり、投資家でもあります。消費者として、DNAを心地よく刺激され、ユーザビリティも高いと思えるものは、今度は投資家目線でより深くチェックしてみる。開発した企業のことも調べ、応援に値すると思えたなら、投資を検討してみてもいいでしょう。
さらにもうワンステップ。今度はテクノロジーを提供する側の目線に立ってみます。供給者の視点です。たとえば、レジ横のキャッシュレス決済の機器。このキャッシュレス決済の機器はお店にとってどんなメリットがあるのか。この機器を設置するときは、お店の人とどんなコミュニケーションをとればいいのか。そうした視点を持って見ると、テクノロジーがどうやって世の中に浸透していっているのかが見えてきます。競合他社に負けないための改善アイディアを考えてみるのも面白いでしょう。
使ってみて、脳内で自分なりにそのサービスなりアプリなりを次の次元にアップデートしてみる。世の中に広く受け入れられると思ったら、キャリアにも活かせます。そうした価値を作り出せそうな会社に転職してもいいし、自分で起業してもいいのです。もちろん、投資家として応援するのもありです。
テクノロジーはユーザーに使われることで、どんどん発達していきます。ユーザーとして参加することでデータが集まり、いい方向に進化する。それが未来の自分たちの暮らしを明るくすることにもつながります。テクノロジーとリンクさせるスキルは、めぐりめぐって自分を守るお金のスキルになるのです。
未来のお金の稼ぎ方
金融リテラシーを身につけ、加速する未来に備える。