強運に見える「経営のカリスマ」にはしかるべき理由があった!「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」等の企業ポリシーでも知られる日本電算会長/創業者・永守重信氏の、仕事でもプライベートでも運気を呼び込む最強の習慣が1冊に。新刊『運をつかむ』から試し読みをお届けします。
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とある有名な会社の社長は採用試験のとき、運がいい人を採用するという話を聞いたことがある。面接のときに「あなたは自分で運がいいと思いますか?」と聞くのだそうだ。きっと運気のよい人がたくさん集まれば、会社の運気もよくなるという理屈なのだろう。
私は採用試験の面接で、この人は運がよさそうかどうかなどということにはとりたてて関心を向けない。それよりは、会社に入ってから真面目に努力できそうかどうかを大事な判断基準にしている。
以前、面接を受けに来た人の履歴書を見て、思わず「へぇ~」と驚いたことがある。それまでに5つの会社を経ているが、どの会社ももれなく倒産していたからだ。1、2社つぶれたというならまだしも、5社すべてはかなり稀だろう。これを「運が悪い」と言わずして何と表現できようか。
人事部長は、「この人を採ったら、うちもつぶれるんじゃないですか? やめときましょう」と言ったが、私は「いや、うちは一人のよくない運気なんかに負ける会社ではない」と採用を決めた。それだけの苦労や挫折をしてきたからこそ、その経験をうちで活かそうとするのではないか。そんな思いもあった。
結局、その人はその後転職もせず、定年までしっかり勤め上げてくれた。会社が強い運気に乗っていれば、一人の悪い運気に影響を受けることはないのだ。むしろ、その人の悪い運気の流れを変えてしまったりもする。
前にも触れたが、私の母親は小さい頃からよく私の手相を見ては、「お前の手相は珍しい。きっと強運の人生だよ」といつも言ってくれた。「ますかけ」といって、豊臣秀吉や徳川家康と同じ手相らしい。
母のその言葉は私に強く刷り込まれ、俺は運が強いんだ、がんばれば必ず夢を実現させることができる、と信じ込んだ。思い込みといえば思い込みだが、自分を信じて疑わない。これもまた、運気を呼び寄せる上で大事なことである。
運をつかむ
人生は「運」が7割。運気は「努力」で呼び込める!仕事でもプライベートでも運気を落とさない生き方を徹底する、経営のカリスマ・永守重信の習慣。