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生きる哲学としてのセックス

2023.03.14 公開 ポスト

伝説のAV監督(84)が教えるオーガズムの3条件は「会話」「目合」「明け渡し」 代々木忠

セックスレス化が進んでいるといわれる日本人カップル。性の悩みはなかなか人に相談できないものですが、そんなときあなたを助けてくれる一冊があります。半世紀以上、5000人の女性と向き合ってきた「AV界の生ける伝説」、代々木忠監督の『生きる哲学としてのセックス』です。真のオーガズムとは何か、精力増強には何がキクのか……。性に悩むすべての男女へ捧ぐ本書、その中身をこっそりご紹介します。

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物理的な刺激では心は満たされない

いいセックスをするには、相手の目を見て言葉を交わすことが欠かせない。

お互いに見つめ合えば、感情が動く。セックスは性器のつながりだけでなく、社会的なプライドを捨て、自分を相手に明け渡し、愛おしいと感じながら相手の歓喜の目に出会うとき、さらに深い快感が津波となって押し寄せる。これが「目合(見つめ合い)でイク」、すなわちオーガズムである。

(写真:iStock.com/nd3000)

オーガズムに達すると、相手と身も心も溶け合うような感覚を体験する。体ばかりでなく心と心の境目もなくなり、一体感に包まれる。

これに対し、クリトリスでイクのは物理的な刺激による快感である。「イク」のひとつには違いないが、それだけでは心と心がつながらず、心が満たされる感覚を得るのは難しい。

本当のオーガズムを経験するには、性器への刺激だけではなく、「会話」「目合」「明け渡し」が必要なのである。

 

(編集部注:不倫相手とはイクことができたが、本当は夫と「イク」を経験したい主婦のケースで)

この女性の場合も、不倫の彼とのセックスでオーガズムを体験できれば、心と心がつながり合い、相手との一体感を実感できるはずだ。

そうすれば、相手の気持ちを自分の気持ちのように感じられるようになる。自分の視点だけでなく、彼の視点やご主人の視点から物事を見ることも可能になる。周囲を見渡す鳥瞰的な視座が生まれ、周囲が幸せになれば自分も幸せになれるということに気づくようにもなるだろう。

僕が彼女に不倫相手との「目合」をすすめたのは、過去の事例からもオーガズムを体験することで彼女自身の意識レベルが上がり、それによってご主人との関係もきっと変わると直感したからだった。

 

でも、相手の目をただ見つめるというのは、口で言う以上に難しい。「見つめよう」と意識すると、「見つめなければ」という思考が働き、純粋に見つめられなくなってしまう

では、どうすれば思考を介入させないで、純粋に相手の目を見てセックスできるのか。

そのためには、目を見ながら「恥ずかしい言葉」を思い切り口にしてみるといい。先ほど紹介した女性との会話に戻ってみよう。

「淫乱の窓」を開けなさい

女性「どうすれば、中でイクことができるのでしょう? 目を見つめても、心がなかなか盛り上がっていかないような気がしてしまって……」

代々木「よけいなことを考えずに、相手の目を見て、恥ずかしいことを言ってみるんです。たとえば相手の目を見て、『私のオマンコ、見て。濡れてるとこ、さわって、舐めて』って。

 言葉に出さなくてもいいから、言うことをイメージしてみてごらん。そうすると何か感じてくるんじゃないかな。それが言えれば、あなたもきっと変われると思う。

 実際に撮影の現場でも、これが言えるとイケなかった子がイケるようになります。逆に言えない子はイケない。男優がどれだけ手を尽くそうと、感情の窓が閉じている状態なのだから絶対にイケない。愛撫やテクニックも大事だけれど、それだけではどうにもならないんですよ」

オーガズムは体験であって、言葉で得られる知識ではない。一通り説明したあと、本気で感情を込めてイメージしてみるよう促した。彼女は素直に受け入れ、目を閉じた。そして数十秒後、彼女は上気した顔で僕を見た。その目は明らかに欲情している

(写真:iStock.com/radio82)

代々木「イメージしてみてどう?」

女性「……なんか、少しムズムズするっていうか、濡れてきちゃったかも。……私、勘違いしてたかもしれません。言ってみたい。大きな声で叫んでみたいです」

代々木「セックスって、自分がどれだけ淫乱になれるかなんです。道徳も社会性も全部脱ぎ捨てて、ものすごく下品になる。下品なフリをするんじゃなくて、心からいやらしくなるの。そうやって淫乱の窓を開ければ、必ず光が射し込んできます

女性「はい、やってみます。でも、ちょっと楽しみ。自分がそんなことを言ったら、どうなっちゃうのか……私、夫だけでなく、自分ともきちんと向き合ってこなかったんですね、きっと」

代々木「あなたもダンナさんも、たぶんそういうふうに教育されてきたんだと思う。あなたに限らず、人間誰しも両親や社会に気に入られるよう、本当の自分を抑えているからね。みんな、本当の気持ちをはぐらかして、自分でない自分をどんどん作っていってしまう。

 セックスで淫乱になるっていうのは、本当の自分を取り戻す、自分がもう一度生まれ変わるチャンスなんです。

 オーガズムっていうのは、言い換えるなら、ふたたび自分を生むこと。現場でオーガズムを体験した女性たちと接してきて、本当にそう思います。だから今はまだ無理でも、あなたが彼とオーガズムを体験すれば、きっとあなたが変わって、ご主人も変わっていくと思いますよ」

関連書籍

代々木忠『生きる哲学としてのセックス』

御年80にして現役のAV監督、代々木忠。彼は半世紀以上にわたり「女が本当にイク姿」にこだわりカメラを回してきた。その出演者には、26歳にして男性体験1008人の女性、衆前で犯されたい元総理大臣の姪など「イケない」悩みをもつ女性が多数いた。異世界の話のようだが、彼女達が抱える闇は現代を生きる我々全員に無縁ではない。不倫もセクハラも、真のオーガズムを知れば無くなるのだ。日本人よ、もっとセックスをせよ。熟年たちの精力増強に効く「性器呼吸」も収録。性に悩む全ての男女へ捧ぐ革命的一冊。

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生きる哲学としてのセックス

セックスレス化が進んでいるといわれる日本人カップル。性の悩みはなかなか人に相談できないものですが、そんなときあなたを助けてくれる一冊があります。半世紀以上にわたり、5000人の女性と向き合ってきた「AV界の生ける伝説」、代々木忠監督の『生きる哲学としてのセックス』です。真のオーガズムとは何か、精力増強には何がキクのか……。性に悩むすべての男女へ捧ぐ本書、その中身をこっそりご紹介します。

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代々木忠

一九三八年、福岡県生まれ。華道家から極道を経て、ピンク映画の助監督となる。日活ロマンポルノで活躍。八十年代に入るとアテナ映像を設立し、AV監督として『ザ・オナニー』『性感極秘テクニック』シリーズなどでその名を轟かす。これまでの監督作は五百タイトルを超える。愛称は「ヨヨチュー」。著書に『プラトニック・アニマル』『オープン・ハート』(ともに幻冬舎アウトロー文庫)などがある。

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