「アメリカ人と英語で仕事をする上で知っておきたい、アメリカ人のものの考え方」と「意図が伝わる英語の使い方」が凝縮された話題書『出世する人の英語 アメリカ人の論理と思考習慣』(小林真美著)の中から、「ビジネス英語」の学び直しのコツをご紹介。「英語ペラペラ幻想」を捨てた(第1回)あとは、学ぶことの絞り込みが重要に。自分にとって“使える英語”を厳選することは語学のモチベーションアップにも繋がるようです。
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では英語の学び直しは、どのようなスタンスで臨むのがよいのでしょうか?
強くおすすめしたいのは、みなさん自身が仕事としている分野にフォーカスすることです。
より具体的に言うならば、みなさんが仕事を通じて耳にしたり読んだりする英語こそ、最優先で身につけるべき単語やフレーズのかたまりなのです。
これらはポイントを押さえれば攻略しやすいうえ、身につければ「ビジネス英語力」アップの効果が実感しやすく、そして実際にすぐ役立てることができるでしょう。
忙しいビジネスパーソンにとって、英語を身につける目的は「ペラペラ」という幻想を追うことではないはずです。あくまでも仕事で活躍し、昇進・出世していくことを主眼に、その手段としての英語を効率よく身につけることこそ重要でしょう。
そのためには、自分が身につけるべきビジネス英語の範囲をしっかり絞り込むべきです。そして、厳選したものを身につけたら、また次に身につけるべきことを決めて学ぶということを繰り返していくのです。
「勉強する範囲を絞り込みましょう」と急に言われても、戸惑う方が多いのではないかと思います。
しかし、これはさほど難しいことではありません。まずは具体的に、みなさんがどんな場面で英語を使いたいのかを考えてみてください。
たとえば、「次の海外出張で会議に出席する」という人なら、会議という場面に限定して使うフレーズを考え、身につけます。
「電話会議でスムーズにやりとりできるようになりたい」という場合、電話会議で頻出するフレーズを理解し、使えるようになるのが最優先です。
あるいは、「今度アメリカ人が上司になるので、雑談で趣味の野球の話ができるようになりたい」というなら、野球についてどんな話をしたいのか、どんな会話を交わしたいのかをイメージし、そのための単語やフレーズを考えて学んでもいいでしょう。
コツは、場面をきちんと絞り込んで、学習の優先順位をつけることです。
あれもこれもと欲張ると、気づいたら「自信を持ってしゃべれる場面が1つもない……」ということになりかねません。
ここは夢を大きく持つことを封印し、「地道に1つずつ」クリアしていくことをすすめます。
それこそがみなさんの出世につながる、「ビジネス英語を使えるようになる」ための最短コースなのです。
出世する人の英語
「アメリカ人」のものの考え方や思考の癖がわかれば、英語はすぐに上達する!22年間、外資系企業で働いてきた著者が気づいた「出世する日本人の英語」と「出世できない日本人の英語」の違いとは。役立つ英語力が丸ごと身につくコツが満載。