“真似るは学ぶ”は本当だった!外資系企業に通算22年務め、「出世する人の英語」を身をもって学んだ著者が教える学び直しのコツ、最終回は超実践、「働きながら英語を学び続ける方法」です。話題書『出世する人の英語 アメリカ人の論理と思考習慣』(小林真美著)からお届けします。リアルで学べるこの方法を知っていれば、どこに行っても心強く、自分に自信も持てそうです。
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「場面を想定して勉強する」方法以外にも、即効性が高いビジネス英語のフレーズを身につけるやり方があります。それは、英語でスムーズに仕事をこなしている日本人上司や、仕事で接する外国人が実際に使っているフレーズを、そのまま真似ることです。
実はこれは、私自身が外資系企業でずっと続けてきた英語勉強法でもあります。
「仕事がデキる人」「外国人にとって自然な表現を使える人」が、どんなときに、どんな表現を使うのかに注目し、「これは」と思ったフレーズは、メモをとって覚えていました。
たとえば、
「なるほど、窮地に陥ったときは、こんな言い方で説得するのか」
「いつも忙しそうなアメリカ人上司に時間を作ってもらうには、こんなタイミングで、こんなお願いのしかたがいいのか」
などと気づいたら、仕事の合間に「自分なら、あのフレーズをどう応用するか」とシミュレーションすることもありました。
ちなみに、私の外資系企業での経験を通して言えるのは、日本人でビジネス英語をしっかり身につけている人たちは、みんなこの「使える表現をメモして覚える」勉強法を実践していた、ということです。
ビジネスの場で、すでに英語に接している人なら、映画や海外のニュース番組、TOEICの教材などとは比べ物にならないほど、「すぐ使える」「役立つ」、そして「出世に直結する」教材が身近にいくらでもあるのです。
これは、専門領域における英語力を磨くうえでも、非常に有効な方法です。
市販のビジネス英語の教材などに手を出す人は少なくありませんが、幅広い層をターゲットにした教材には、業界や職種などを限定するようなフレーズがあまり出てきません。
しかし、もしみなさんが「財務」「マーケティング」など特定の職種についていたり、「IT」「金融」「製薬」といった業界で仕事をしていたりするなら、真っ先に身につけるべきなのは、その業界や職種で頻繁に使われている「共通言語」としての英単語やフレーズです。
そして、そういった「自分のビジネス領域で使われている、共通言語としての英単語・英語フレーズ」は、市販の教材で勉強するより、まさに仕事の現場で使われているものをどんどん身につけていくほうが、圧倒的に効率がいいのです。
さらにつけ加えるなら、自分の職場で使われている表現には、その会社ならではの表現も多く含まれているものです。
これは外資系企業に限らず、日本企業でもよくあることだと思いますが、「その会社のなかでだけ通じる略語」や「一般に使われるのとは違う意味で用いられている言葉」などがあるものです。
外資系企業に転職したときなどは、こうした「社内用語」を先に押さえてしまうことが、社内でのコミュニケーションを円滑にするための重要なポイントになります。
この「社内用語」の重要性に気づかず、いつまでたってもそれを身につけられずにいると、同僚や上司との意思疎通がうまくいかなかったり、そもそも会議で交わされている話の内容がきちんと理解できなかったりという問題も起きがちなのです。
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