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時をかける老女

2023.03.13 公開 ポスト

#48

「私は誰?」と言い出す日が近い気がした。また年が暮れる中川右介

2021年12月15日 水曜日

〈介護415日〉

デイサービス休みの日。

明日までに2月刊行の『国家と音楽家』の初校を戻さなければならないので、忙しい。

何度も「デイサービスへ行かなくていいのか」と言ってくるので、「今日は、デイサービスは休み」と書かせて、部屋に貼らせる。

午後は、先週会えなかった、ケアマネジャーさんの家庭訪問。とくに話はなく、雑談。

ケアマネさんは、母の様子も見に行く。デイサービスの施設で毎日のように会っている人なのに、初対面のような反応。しかし、話ははずんでいた。

仕事の区切りのいいところまでひっぱり、夕食はいつもより遅い18時。

珍しく、「お風呂に入りたい」と自分から言うので、入浴させる。

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時をかける老女

91歳の母親と、33年ぶりに一つ屋根の下で暮らすことになった。この日記は、介護殺人予防のために書き始めたものである。

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中川右介

一九六〇年東京都生まれ。編集者・作家。早稲田大学第二文学部卒業。出版社勤務の後、アルファベータを設立し、音楽家や文学者の評伝や写真集を編集・出版(二〇一四年まで)。クラシック音楽、歌舞伎、映画、歌謡曲、マンガ、政治、経済の分野で、主に人物の評伝を執筆。膨大な資料から埋もれていた史実を掘り起こし、データと物語を融合させるスタイルで人気を博している。『プロ野球「経営」全史』(日本実業出版社)、『歌舞伎 家と血と藝』(講談社現代新書)、『国家と音楽家』(集英社文庫)、『悪の出世学』(幻冬舎新書)など著書多数。

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