自律神経の名医・小林弘幸さんの新刊『「一番若い今日」を生きるための自律神経入門』より、今すぐできる自律神経を整える生活習慣をイラスト入りでご紹介。
コロナ禍だからこそルーティンが大事
コロナ禍は誰もが初めて経験することなので、多くの人がパニックになったと思います。国からいろいろ言われる一方で、自分のやりたいこともあり、結局何をすればいいかわからなくなってしまいました。
考えるというのは、案外難しいものです。
だから逆に、ルーティンが大切。生活の基本的な部分は、考えなくてもいいようにしないとリズムが乱れる一方です。
例えば、起きてから「何をしようかな」といちいち考えていたら、それだけで疲れてしまいます。ですから、そうではなくて「起きたらまずカーテンを開けて、水を飲んで……」と決めておく。私がルーティンにしているのはこんなことです。
朝はカーテンを開けて日の光を浴び、コップ1杯の水を飲みます。
それから、朝食を食べます。最近は、シリアルと牛乳が多いです。たまに、ソーセージを焼いて食べることもあります。ちなみに食事は、食物繊維やビタミンをしっかりとることを意識しています。
食後はコーヒーを飲んで「今日も一日頑張るぞ」と、気持ちを仕事モードに切り替えます。
外出先では、階段のあるところなら絶対に階段を使う。そう決めています。
帰宅後はリラックスタイム。心身を休めることが大切なので、お風呂は欠かせません。
どうしても入浴できないときはシャワーで済ませますが、その場合は首の後ろに湯をあてます。首を温めると自律神経が整うからです。
20時以降は食べ物を口に入れません。腸に負担がかかって眠りが浅くなるうえ、自律神経も乱れやすくなるからです。
寝る前の1時間はスマホを見ません。ブルーライトを避けることで質のよい眠りを手に入れることができます。
こんな感じで、日々の生活の中で、基本的な行動をルーティン化する。
そうすると、がぜん体は整い出します。
起き抜けに1杯。水をこまめに飲む
朝起きたら、朝食をとる前にコップ1杯の水を飲みましょう。
医学的なメリットは3つあります。
(1) 睡眠中に濃くなった胃酸が適度に薄まり、朝食の消化吸収を助ける。
(2) 眠っている間に汗で水分を失い、ドロドロになっている血液がサラサラになる。
(3) 自律神経とリンクしている胃腸の神経が刺激されることで、自律神経の働きがよくなる。
ここに私は、今だからこその4つ目のメリットを加えたいと思います。「起き抜けに水を一気に飲むことで、朝のスタートボタンを押すことができる」以前は通勤や趣味のための外出が、朝のスタートボタンだったかもしれません。
だけどもし、それが失われているとしたら、スイッチはオフのままです。活動モードにならないまま一日が始まり、なんとなく終わってしまうでしょう。
だから、水を飲むことでスタートボタンを押しましょう。
水は命の源ですから、朝だけではなく一日を通してこまめにとるのがおすすめです。目安は一日1~2リットル。特に、緊張したときやイライラしたときなどに積極的に飲んでみてください。その水が、体に入り、血液が全身にサーッと流れていく様子を想像しながら飲みましょう。自律神経が整いやすくなりますし、鬱々とした日常が洗い流されていくようで、さわやかな気持ちになりますよ。