積立投資、インデックスファンド、保険、確定申告、住宅ローン、税制優遇、NISA、iDeCo……。みなさんは、どこまでちゃんと理解しているでしょうか? 少しでも不安のある方におすすめしたいのが、元東京国税局職員・小林義崇さんの『元東京国税局職員が教えるお金の基本』。お金のことで失敗しないために、絶対知っておきたい「お金の基本」をやさしく教えてくれる本書から、一部をご紹介します。
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初めての投資は投資信託がベスト
まずは、投資信託がどのような投資商品なのかを理解しておきましょう。投資信託とは、投資者から集めた資金を元手に運用会社が運用し、発生した利益を投資者に分配するというもの。簡単に言えば、投資をプロにおまかせするということです。
自分で運用をしようとすると、いつ、どのような銘柄を、いくら買うのかといった判断を常に求められます。買った後も、いつが売りどきなのかを考えねばなりません。この判断を誤ると、損をしてしまいます。
でも投資信託に投資をすると、プロが投資信託ごとの運用方針にしたがって売買をしてくれます。
たとえば投資信託で投資先の株式が値下がりしそうになったら、より見込みのある株式に買い替えてくれるのです。運用を任せているこちら側があれこれと考える必要はありません。
投資信託の商品は非常にバラエティ豊かで、投資対象によって以下のように分類されます。
そして、同じ分類のなかでもさまざまな投資信託の商品があります。たとえば海外株式に特化したものもあれば、海外の中でも新興国に特化したもの、国内株式に特化したものなど、さまざまです。
投資信託なら自動で分散投資が可能
投資の世界には「卵はひとつのカゴに盛るな」という格言があります。
ひとつのカゴに卵を入れていると、カゴを落としたら卵が全滅してしまいます。でも複数のカゴに卵を分けていたら、たとえひとつのカゴが落ちても他のカゴは無事です。生き残った卵を鶏まで育てれば、卵の数はだんだんと増えていくでしょう。
全資金をひとつの株式だけに投資すると、その会社の経営状況が悪化して株価が下がれば大損をしてしまいます。万が一、その会社が潰れてしまえば株式の価値はゼロになるので資金がすべてなくなってしまうことになります。
しかし、投資先を増やすことで、このような事態を防げます。
たとえば100万円の投資資金があるとしてひとつの会社の株式だけを買うのと、5社の株式を買うのとを比べてみてください。この場合、5社に投資をしたほうがリスクは低くなります。5社のうちの1社の株価が下がったとしても、他の4社の株価が上がればいいからです。
さらに投資先を増やし数十、数百という数の会社に投資をしていたら、よりリスクを抑えることができます。このように、「複数の銘柄に投資をする」という投資方法が、分散投資です。
【分散投資の例】
(1) 異なる業種の銘柄に投資をする
(2) 異なる国の銘柄に投資をする
(3) 異なる資産(株式・債券・不動産など)に投資をする
株式投資であれば、複数の銘柄に分散投資をすればリスクを下げられます。たとえば、コロナ禍で旅行関連会社の株価が暴落したように、ときには業界全体の株価が落ちてしまうようなこともあります。
そのため、分散するのであればさまざまな業界の株式に分散するのがベターです。
ただ、こうした分散投資を、投資信託を使わずに行うのは大変です。たとえば、あなたが数百、数千もある株式に投資を行うことを考えてみてください。株式には銘柄ごとに最低投資額があるので、かなりのお金が必要ですし、購入の手続きをするのも手間がかかります。
こうした問題を、投資信託は一挙に解決してくれるのです。
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