「50歳を目前にした今、なぜわざわざ不便で過酷な自然の中で暮らすの?」
車の運転もできない私を心配した友人から、こう問われたことがあります。
端的に答えを言うと、「自然から多くを学びたいから」です。
都会の快適な空間の中でずっと暮らしていると、感覚というか、鈍っていくものがいろいろあると思うんです。生きる力みたいなものが、衰えていくような。
例えば、都会は人間がラクに暮らせるように工夫してありますから、道は舗装され、地面が真っ平らであることが当たり前のように感じます。
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森へ帰ろう
『食堂かたつむり』『ツバキ文具店』『ライオンのおやつ』などのベストセラー作家・小川糸。小説だけでなく、その暮らしを綴ったエッセイも大人気。コロナが流行する前は、ベルリンに住んでいた彼女が次に選んだのは、八ヶ岳。愛犬ゆりねとの、森の中での静かな暮らしをお伝えします。