2023年ゴールデンウィーク直前の金曜日夜、千駄ヶ谷にある幻冬舎地下会議室に集まったのは、書店員・昼間匠さん(リブロプラス勤務・40代)、ライター・佐久間隆さん(「ニュースクランチ」で太田光さんをインタビュー・30代)、幻冬舎営業・コグマ部長(50代)。全員に共通するのは、爆笑問題・太田光さんが好きでラジオが好き、ということ。一番好きな番組は、もちろん「爆笑問題カーボーイ」。そんな3人が、太田光さんの長編小説『笑って人類!』をもっとたくさんの人に読んでほしい! と熱く勝手に語りました。もう読んだよ、という方も、面白そうだけど二段組で500ページ超えは……と尻込みしている方も、こちらの鼎談をお楽しみください。
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『笑って人類!』が炎上するくらい、喧々諤々の本になってほしい。
コグマ この『笑って人類!』が発売されると知った時、どうでしたか?
ヒルマ だいぶ前から、この作品とはわからなかったんですけど、それこそラジオで太田さんが小説を書いてるって話はしてたんですよね。なかなか出ないけど、どうなってるのかな? って思ってたら、コグマ部長から新刊案内が来て。これか! と。
サクマ 僕もラジオで聴いていて、いずれ出るかなって思ってたんですが、まさかこんな分厚い本で、こういう内容か、って言うのは全然想像つかなかった。ラジオでは内容に全く触れずに、小説を書いているっていう話をずっとされてたんで。でも、「カーボーイ」でも小説に対してテンション低い時期があったりしたから、僕も本当に出るのかなって思った時もあって。映画がボツになったって話をされてたので、その関係でダメだったのかなとか。とにかく、まずは本当に出るんだ、というのが嬉しかったです。
コグマ 僕もラジオで小説の話は聞いていたので、まさかうちから? って驚いたし嬉しかったです。
ヒルマ『文明の子』から小説出されてなかったですよね。やっぱりそれは書店員としてもファンとしても寂しいというか。『芸人人語』とかエッセイは出されてましたけど新しい小説を読みたいなって思っていました。だからサクマさんと一緒ですよね、案内見た時は嬉しくて。
サクマ『マボロシの鳥』と『文明の子』は間髪容れず出ていて、間が空いちゃったから、正直、小説とかは諦めたのかなって思ったりもしてたので、出たのが嬉しかった。
ヒルマ 僕たちだと「マボロシ」とか知ってる世代ですけど、若い子たちだとそもそも太田さんが小説書いてたのも知らない人もいるかもしれない。「マボロシ」は手に入らない時期もあったし。(『マボロシの鳥』は幻冬舎文庫になり発売中です。『文明の子』も5月12日に幻冬舎文庫で発売になります)
サクマ この分量なんですけど、やっぱり手にとってみた時にすごい重厚なんですよね。開いたら二段組(笑)。これ読めるかな、って一瞬思うかもしれないんですよね。でも、やっぱりエンターテインメントとして素晴らしいと思うし、グイグイ読めるし。インタビューでも映画のシナリオの時に切ったところを戻したっておっしゃっていて。それどこなんですかって聞いたらそれぞれの人物像を深く掘り下げたってお話で、そう考えたら、もしかして小説で読めてよかったかもな、って。映画だったらバッサリカットされるところだから。
ヒルマ 映画じゃ映像にしにくいところもたくさんありますよね。
サクマ 量とか二段組とかで読めるかな、って気持ちを持ってる人は絶対読んでほしいなって。
ヒルマ 良くも悪くも「大長編」推しになっちゃってるから。500ページ超えとかって、本好きの人やファンの人だったらたくさん読めるって嬉しいけど、そうじゃない人にはちょっとハードルが高くなっちゃってると思って。そうじゃなくてあっという間に読めるんだけど、だから、あんまり「量推し」にしないほうがいいのかなって。必ず1200枚、とか量が先に出ちゃってるから。
コグマ なるほど! 確かに。
ヒルマ 今どき売れる本って「泣けます」とか多いんで、なかなかコメディとかって難しいじゃないですか。そういう中では、太田さんの正攻法のコメディで。最初コグマ部長からプルーフをもらって全く予備知識なく読んだんですが、2回目はインタビューとか読んでからだったので違った楽しみ方ができました。太田さんが映画で演じるなら首相秘書の桜だったとか。
コグマ それで、(爆笑問題)田中さんが演じるのは、新聞記者の田辺だったって。映画の中で二人が同じシーンに出ることになる。いい話だなって思いました。「カーボーイ」のオープニングで、田中さんがどこまで読んだって話をすると、太田さんすごく嬉しそうなんですよね。
サクマ あれかわいいですよね。田中さん、自分が田辺だって聞いて喜んでいたのも。確かに桜は太田さんだとか、配役を自分で考えながら読むのもめちゃくちゃ面白いなって思って。
ヒルマ すごい好きなところは、どうでもいいところで「カツラ」とか「ハゲ」とか、あと「オカマバー」とか。太田さん好きの僕らからすると「太田さん好きそうだな」って。いつもラジオとかでしつこく言う感じがこの本の中でもずっと出てたりとか。
サクマ 太田さんって、ラジオでも田中さんとかゲストの感想とか人のリアクションをすごく子供のように受け入れて喜びますよね。だから太田さんに感想を伝えられるこの場を作ってもらったので、もっとたくさんの人に読んでもらって、太田さんに感想を届けたいんです。
ヒルマ 出版されてすぐの「カーボーイ」のオープニングで、太田さんがたくさんの芸人さんたちの本を褒め出して、3人目くらいから狙いが見え見えなんだけど、だけど、褒めるとなるとちゃんと褒める。ネタとして褒めてるわけじゃなくて。きちんと読んで褒める。それが太田さんらしいな、と。
サクマ「つまんない本ってない」ってこの間ラジオでおっしゃってて。それすごいなって思ったのと、あと、なんかの取材で田中さんに「太田さんのすごいと思うところなんですか」って聞いたら、「太田は絶対、観なかったり読まなかったりで貶したりは絶対しないんです。どんなに嫌いな作家でも読んで嫌いだって言う。映画も、つまんないから観ないじゃなくて、観たからつまんないって言える」って。嫌いなものもちゃんと観る、読むってすごいって思いました。
コグマ 太田さんらしいですね。
サクマ 先日インタビューさせていただいた時に、「エンターテインメントとして面白かったです。時間を忘れて読んじゃいました」ってお伝えしたときにすごく嬉しそうな顔をしてくれて。とにかく、読んでほしい、ボロクソ言われてもいいから読んでほしい人なんですよね、太田さん。だから、そこまで行ってほしいですよ。選挙の番組で太田さんが炎上してるくらい、この本が喧々諤々になるくらいなってほしいなって。それが太田さんが望むことなんじゃないかなって。
SFでもありコメディでもあるんだけど、やっぱりエンターテインメントなんです。
コグマ 好きな登場人物や場面を教えてください。
ヒルマ キャラクターで言ったら五代が好きなんです。それこそ映画になったとしたら誰が演じるのか楽しみです。好きな場面は、2回目の会議がダメになった時に、夜、湖で富士見とアンがスワンボートに乗るじゃないですか。あそこに本当の太田さんのピュアなところが一番出てる。太田さんチャップリンも好きだから、ああいう無声な感じで暗闇の中で二人がみたいな。実は本当のほんとって、こういうピュアな感じなんだろうなって勝手に推測して、そこが実は一番太田さんらしいシーンかなって。書く人が書くと、すごくベタになっちゃうと思うんだけど、あのシーンが最後に繋がって、っていうのもあったりするし。
サクマ 僕は富士見のことを桜がすごいと思った選挙演説のシーン。これは読んで、もしかしたらと思って(インタビューの)質問案にも入れさせてもらったんですけど、「ハマコーさんをモデルにしてますか」ってことが聞きたくて。聞いたら「まさにそれです」っておっしゃってもらって、すごく嬉しかったです。太田さんが「カーボーイ」とかでも田中さんのお子さんの話を聞くときの感じが僕はすごく好きで。あれこそ太田光のすごく好きなところなんですけど。若い人の感性の方が絶対正しいっていうのが太田さんの中にあって。田中さんの娘が面白がってること楽しいって思ってることが、一番正しいって思ってらっしゃるんじゃないかな、って。この演説の「未来は子供たちのためにある」ってことに繋がってくるんじゃないかなって思っていて。口では「お前のとこのガキがよ」って言うんですけど。
コグマ ピュアなものが伝わりますよね、この小説。いろんなものを信じてるから。
サクマ この本とか作品自体が、太田さんにとって子供のようなものなんだろうなって思いますし。「未来」ということに対して、すごく真摯に向き合ってきた人なんだなって、この演説から伝わります。
コグマ 設定は少し先の未来なんですが、担当編集者は帯やコピーに「SF」と敢えて入れなかったそうです。
ヒルマ SFでもありコメディでもあるんですが、やっぱりエンターテインメントなんですよ。読み終えたら、太田さんの訴えたいことがすごく心に残った。
コグマ これだけの枚数で、エンターテインメントにしているからこそ、太田さんの思いが伝わるんです。だからこれを読まないとダメなんです。
ヒルマ 一つずつの単元は長くないじゃないですか。だから1回読み出すとほんとに、始めたら止まらなくなっちゃう。
コグマ いろんな要素があるんだけど、読み進められる。ヒルマさん「美少女戦士」のところ初めて読んだ時どう思いました?
ヒルマ 最初ここが一番よくわからなかった。どうなるんだろうって。結構短く終わって、でも何回も出てくるから意味はあるんだろうなって思うんだけど。
コグマ でも、「なるほどな!」って思うんですよね。本当によくできてる。
ヒルマ ご本人スマホも持たないし、ああいうメカニックなこと苦手なイメージだけど。
サクマ それこそ、「カーボーイ」聴いてるとわかると思うんですけど、一時期すごいアニメを太田さんが観漁ってる時期があって。多分映画になるかならないかの時に、アニメの作品観て、ここに昇華させたのかなって。
ヒルマ 書きあがったのって結構前なんですよね? コロナ前?
コグマ そうですね。
サクマ だから5、6年前? すごくアニメの話されてて、アニメも観るんだって思った記憶があったので、そしたらこれだったっていう。
コグマ ゲラを編集からもらって読んだときに、冒頭「青井徳次郎」ってあって、「これは誰だろう?」って。
サクマ 一回ググった。
コグマ みんなググるよね? で、いないのかいって。
サクマ 青井徳次郎の『連続性球体理論』も、本当にありそうな言葉だし、言ってることは間違ってない。
コグマ あ、ここからやられてたんだ! もう始まってたんですね、太田劇場はって。
サクマ あと、核心に触れちゃうんですけど、「講和条約」が本当にすごい。
ヒルマ 青井さんの思想とか講和条約みたいなのが、太田さんがずっと訴え続けていること。
サクマ 本当は、物語的には調印式で終わるといいんですけど、すごく誠実な人だなって言うのを、講和条約を書くところに思いましたね。
ヒルマ あと、本当に悪い人は出てこないですよね。そして、ちゃんとそれぞれの人に見せ場がある。野党の党首・浅間が二人っきりの国会で富士見を送り出すシーンとか、ぐっとくる。妻の洋子も、最後かっこいいですよね。
サクマ 悪い人が出てこないってことで言うと、普段の「カーボーイ」とかでも何か事件があった時に、ちゃんと反対側から見たときのその人の正義とか事情とかに目を止めて語る。そういう人にも事情があって、っていうのは太田さんに学んだことですね。
「前のめりにやっていく」っていう太田さんの姿勢が見える。
コグマ この「太田光の本棚」っていう企画ですが、どうしてやりたかったかっていうと、『笑って人類!』は太田光さんの集大成だと思ったので、太田光が目にしてきたもの読んできたもの、脳が何で構成されているのかなっていうのを知りたかった。だからこれ映画でもよかったけど、本屋さんで『笑って人類!』を展開してもらうためにはやっぱり本にした方がいいだろうなって。すごいですよね、このバラエティ。
『笑って人類!』刊行記念で太田さんにセレクトしていただいた「太田光の本棚」のリストはこちら。
『蜜蜂と遠雷』恩田陸『青年は荒野を目指す』五木寛之『国境』黒川博行『マークスの山』髙村薫『半島を出よ』村上龍『思い出トランプ』向田邦子『深い河』遠藤周作『死の棘』島尾敏雄『右大臣実朝』太宰治『銀河鉄道の夜』宮沢賢治『八日目の蝉』角田光代『恋』小池真理子『タイタンの妖女』カート・ヴォネガット『冷血』トルーマン・カポーティ『ドン・キホーテ』セルバンテス『赤毛のアン』モンゴメリ『トム・ソーヤの冒険』マーク・トウェイン『魔術師』ジェフリー・ディーバー『サイダーハウス・ルール』ジョン・アーヴィング『ナイン・ストーリーズ』J・D・サリンジャー『異星の客』ロバート・A・ハインライン『ケインとアベル』ジェフリー・アーチャー『エデンの東』ジョン・スタインベック
ヒルマ 幻冬舎が2つも入ってるじゃないですか。
コグマ そうなんですよ!『半島を出よ』も読んでくださってるんだなって嬉しかったです。
サクマ『半島を出よ』は当時、単行本が出たくらいのときに「カーボーイ」で太田さんが褒めてて、それで読みました、僕。そのときは、テロとかイラク戦争のときだったと思うんですけど、あの頃のテロに対するテロリスト側の意見と反対の意見と、そこからこの本のお話をされてたと思います。あと、一時期「ダ・ヴィンチ」で「日本言論」やってるときがあって、その時は欄外に細かく最近太田さん何読んだっていうのが書いてあったんですよ。それを参考に本読んだりして。東野圭吾ってピンとこなかったけど『容疑者Xの献身』は面白かったです、って書かれてて読んで。
ヒルマ 確かにこのリスト、『笑って人類!』と一緒でバラエティに富んでますよね。幻冬舎さんはあと『蜜蜂と遠雷』。
サクマ 恩田陸さんは、昔からお好きですよね。『Q&A』とかラジオで話してました。
ヒルマ 何かしら、これまでのトークで触れられた作家さんだったり作品ですね。
サクマ 太宰治は『右大臣実朝』なんですよね。以前エッセイにも書かれてましたし、又吉直樹さんとのトークでもおっしゃってました。
コグマ 太宰治でこれあげる人、あんまりいませんよね。
ヒルマ 渋い。
サクマ なんか、太宰を面白い人、面白いものとして見てるのかな、って感じがちょっとあるような気がする。コメディタッチっていうか。
コグマ 向田邦子さんの話はよくするよね。
サクマ『思い出トランプ』のことはよくおっしゃいますよね。割と女性観というか、女性ってすごいもの、考えが及ばないものだっていうのは、向田邦子さんを通して太田さんよくお話しされてるような気がします。
ヒルマ 読んでて面白い、ドキドキするっていうこと、エンターテインメントみたいなことで言うと『ドン・キホーテ』『赤毛のアン』『トム・ソーヤの冒険』っていうのは太田さんの中にあるものなのかなって。太田さんの根っこに。
コグマ 小学生でも読める、超メジャー級のメジャーなんですけど、その精神を大事にしている。
ヒルマ この3作だけ見たら夏の文庫と変わらないんだけど、それを太田さんがこのセレクトの中に入れてくるってことに、意味がある。引いてみるんじゃなくて、「前のめりにやっていく」っていう太田さんの姿勢みたいなものが、ドン・キホーテやトム・ソーヤ、アンもそうですけど、出てるのかなっていう気がします。ドン・キホーテも引いて見たら頭のおかしい迷惑な人、トム・ソーヤも近くにいたら嫌なやつ。トムソーヤやアンは、子供が主人公ってところが『笑って人類!』のメッセージに通じますよね。そういう意味では、やっぱりピュアなんでしょうね。
コグマ『エデンの東』はこういうのも入ってくるんだって思いました。
サクマ『エデンの東』は映画でお話しされてたのは聴いたことあったんですけど、ジェームス・ディーンのこととか。小説もなんだって思いました。どうしても映画のイメージが強いので。ジェフリー・ディーバーは『ボーン・コレクター』の印象が強いですが、『魔術師』ですね。どうしても海外の作品って敷居が高く感じがちなので、それこそ太田さんが薦めるだったらと思って読んだりとかはありますね。『タイタンの妖女』も当時は読んであんまり理解できなかったところもあるんですけど。
ヒルマ(爆笑問題の所属事務所)タイタンは知ってるけど『タイタンの妖女』は知らない人の方が多いかもしれませんね、今は。
サクマ あと、太田さん、ジョン・アーヴィングともお会いしてますもんね。
コグマ サリンジャーにも会ったんだっけ?
サクマ いや、サリンジャーには会ってなくて、アーヴィングからサリンジャーの悪口を聞いたって話。『サイダーハウス・ルール』は当時太田さんも褒めてたし、映画を伊集院光さんも褒めてて、それこそ結構、ピュアな人が読むと辛い話だと思うんですけど、でも入ってくるんですけど。
コグマ 僕、アーヴィングは何が入ってくるんだろうなって思ってたんです。『ガープの世界』かなって。ヴォネガットは『タイタンの妖女』なのは、そうだろうなって思ったんですけど。
サクマ ヴォネガットのエッセイ『国のない男』、あれを太田さん帯を書いて褒めてたんですけど、それもなんかよかった。ヴォネガットの考え方みたいなものが、エッセンスが、ちょっとシニカルででもちゃんと熱くてっていうのが入ってたような気がしますね、太田さんの作品の中にも。
コグマ ヒルマさん、書店の棚として見たらどうですか?
ヒルマ スタンダードって言ったらスタンダード。でもちゃんとそういうベーシックができてるっていうか、読み込んでる。本当に好きですよね、ここにあげてるだけじゃなくて。ラジオのゲストの人のときとか、この間の沢木耕太郎さんのとき(「爆笑問題の日曜サンデー」23年4月16日放送)とか。僕もあれ聴いて『テロルの決算』読もうとか思ったし。本を紹介しますよってコーナーじゃなく、普通のトークの中であの熱量で話すって。で、決してネタバレするわけじゃないけど、すごく際で紹介してくれるから、もうなんか予告編みたいな感じで。
コグマ『深夜特急』だけ読めばいいと思ってたら、新刊の『天路の旅人』も渡されて。本当にちゃんと読むし、ちゃんと褒める。それは作る人に対するリスペクトがあるんですよね。
ヒルマ 親和性高いから、太田さんのラジオでの本の紹介はいいですよね、聴く方からしても。
コグマ そうですよね、太田さんが紹介すると読みたくなる。
ヒルマ この本棚、やっぱり面白い本棚ですよね。スタンダードな本棚なんですけど、この裏にもっと膨大な本棚が見える。
サクマ ここから派生してどこに行ってるとか。なかなかそこまで読んでない人ってもっと際のもの選ぶけど、やっぱりさんざん読んでる人ってこういうものを選ぶんだっていう。
ヒルマ ジャンルも幅広いですよね。SFとか外国文学とかだけじゃなくて、きちんと今活躍中の作家の方も読むし、ちゃんと過去の人も読んでいたり。
コグマ 確かに、膨大な背景があってのセレクトだっていうのが、今、お二人のお話し伺っていてわかりました。
この後、3人は、『笑って人類!』をもっとたくさんの人に読んでもらうために、推薦文を誰にお願いしたらいいか、地方のラジオ局に協力してもらって地方限定のpopを作ったらいいんじゃないか、登場人物を絵にしてもらうコンペをしたらいいんじゃないか……などなど、営業戦略について熱く語ってくださいました。その辺のお話は、またの機会に。
笑って人類!
子供達よ、信じるんだ。未来はいつも面白い。
主要国リーダーが集結する“マスターズ和平会議”に極東の小国・ピースランド首相が、まさかの遅刻。そのおかげで惨劇から免れた彼は、ドン・キホーテのごとく立ち上がるが……。