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まだ本当のことを言わないの?

2023.05.14 公開 ポスト

日本の改定憲法は世界基準になるフィフィ

YouTubeやツイッターで国内外のニュースを発信し続けるエジプト人のフィフィさん。その歯に衣着せぬ提言、論調には、YouTubeやツイッターのフォロワー数あわせて102万人を集めるなど、絶大なる支持を集めています。

そのフィフィさんが上梓した『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』では、外国人の目線だからこそ気づく日本の深い闇について、9つのジャンルからズバズバと斬り込んでいます。

「私の頭の中が丸ごと一冊の本になった」とご本人が言う本書の一部を公開します。

*   *   *

日本はロックダウンできない国

自民党は、改憲案の中で、「大地震が発生したときなどの緊急事態対応の強化」もあげています。集団的自衛権の行使容認も確かに大事だけれど、実は私は、こちらの方が重要な改憲のポイントだと思っているくらいです。

日本は、東日本大震災などこれまでの緊急事態には、都度、法律改正によって対応してきました。けれども、南海トラフ地震や首都直下地震などに対する備えや対応が必要とされている時代です。自民党は、緊急事態においても国会の機能はできるだけ維持するとし、しかし、それが難しい場合は、内閣の権限を一時的に強化し、迅速に対応できる仕組みを憲法に規定するとしています。

これがつまり、昨今、盛んに議論されている緊急事態条項、「有事の際には政府の一声で何でもできるようにする」ということです。

反対派の人たちは、政府によって国民の私権が制限されることを問題にしていますが、あくまで有事に限ってのこと。「人権を制限しながら国を守る」という意図なのですが、「国よりも私権を守ることのほうが大事」という意見もあるんですね。

新型コロナウイルスが感染拡大しているとき、G7の中でロックダウンしなかったのは日本だけでした。日本は国民のみなさんが優秀で、ちゃんとマスクをしますし、外出や外食の自粛要請にも多くの人が応えました。亡くなられた方もいるけれど、他の国に比べれば少ないほうでしたから、ピンとこなかったかもしれません。でも、日本は「ロックダウンできない国」で、それは、とても怖いことなんです。

(写真:iStock.com/fermate)

今後、コロナ禍よりも、もっとひどい惨事が起きる可能性がないとは限りません。道端で人がバタバタ死んでしまうほどの恐ろしい感染症がパンデミックを起こしても、人権を優先するあまり、今の日本ではロックダウンができないのです。

緊急時には、私権にある程度の制限をかけながら、国を守っていかなくてはならない場合があります。憲法改正で緊急事態条項が取り入れられれば、感染症の感染拡大時に限らず、災害時や戦争下など、いわゆる〝有事〟の際に使えます。

コロナの感染拡大中に、道端で飲酒したり、マスクを外して騒いだりしている人がいましたが、日本の今の法律では私権を制限することができないため、注意だけで終わっていました。しかし、ロックダウンできるような国では、警察に捕まる可能性があります。

こんなことを言うと、「ほら、やっぱり!」と言う人もいるでしょう。確かに、悪く解釈をすれば、国が国民の人権を無視していくらでも暴走できる、ととらえることもできます。でも、「国家」というのは、国民と政府との信頼の上で成り立つもの。信頼を裏切れば国家は崩れていきます。

今、国に対して不信感を持っている日本人は多いでしょう。これは政府の責任ですから、政府は国民の信頼を得るべく、全力を尽くさなくてはいけません。

ただ、何事にも難癖をつける人もどうかと思いますね。日本の方々も、そういう人に流されないで、ちゃんと自分の頭で考えて、ちゃんと意見を持って、ちゃんと声をあげてほしいのです。面倒なことは全部、政治家をはじめとした他人任せで、何かあったら文句たらたら……そういう人が日本人には多い気がします。

こういうのはそろそろ終わりにしないと。そして、本気で声をあげていかないと!

日本の改定憲法は世界基準になる

改憲の話をすると「フィフィさん、戦争がしたいんですか?」と言う人がいますが、そんなこと、答えるまでもありません。他の改憲派の人もそうですが、戦争をしたい人などいないんです。

国を取り巻く状況や環境は刻一刻と変化しています。憲法というものは、それを見据えて変えていかなくてはならないもの。今の日本の憲法ができたのは70年以上も前のことです。もう化石のような代物なのです。

しかも、その憲法は、戦勝国のアメリカが日本に戦争を放棄させるために押し付けたものでした。矛盾する箇所もあります。「自衛はオッケーだけど戦力は放棄しなさい」なんて、冷静に考えてみると「どういうこと?」ですよね。

当時、THAADのようなミサイル迎撃システムがあったのなら、まだわかります。ですが、憲法ができた頃にはそんなものは存在しない。自国を守るためには何か能動的な行動が不可欠なのに、「戦力は放棄しろ」って、どうしろというのか、わけがわかりません。

(写真:iStock.com/Free art director)

日本は、ちゃんと国を守ることができるように、憲法を見直す必要があります。

今の改正案を議論していけば、日本に侵略戦争を許すような憲法には決してならないはず。

「自衛」について、きちんと考えて盛り込めば、日本の改定憲法は世界基準の憲法になるでしょう。

アメリカも、改憲について反対していません。もし反対なら、アメリカのことですから、妨害してきます。それがないということは、反対どころか、むしろ改憲を望んでいるのではないでしょうか。

 

『第1章(安全保障と外交問題)中国・北朝鮮・ロシアは「敵国」、韓国は「仮想敵国」』より

関連書籍

フィフィ『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』

外国人目線だからこそわかる日本の深い闇。国家安全保障、政教分離、ジェンダー問題など、日本人が知らない実態を赤裸々に告発! どうにかしないと、ほんと日本はやばいですよ!!

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まだ本当のことを言わないの?

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フィフィ

1976年エジプト・カイロ生まれ。中京大学情報科学部卒。2011年の「アラブの春」に際して綴ったブログが注目を集め、以来、国内外のニュース(社会問題、政治、芸能)を中心に発言。テレビ、ラジオ、ウェブメディアなどで活躍している。サンミュージック所属。著書に『日本人に知ってほしいイスラムのこと』『おかしいことを「おかしい」と言えない日本という社会へ』。

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