社会・教養
今年3月に東北を訪れる機会があり、それ以降、東北を舞台にした本に触れることが続いている。東日本大震災から10年、関連の書籍も本屋でたびたび見かけたが、わたしはこれまで震災関連書を手に取ることをどこか辛くて避けていた。だが、本書はとても読みやすかった。その内容は決して軽いものではない。『廃炉』というタイトルであるように、いまだつづく福島第一原子力発電所、通称「イチエフ」における廃炉作業の現場が舞台だ。著者が取材をしたのは、その「敗北の現場」で働く人々で、彼らはその仕事に誇りを持っている。
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