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京大芸人シリーズ最新刊『京大中年』

2023.05.19 公開 ポスト

書店員さんとのオンライン会議録

ロザン菅さんが、オンライン会議に出席。「学校の勉強は、社会に出てから役立たない」という風潮にギモン!?菅広文(ロザン)

幻冬舎営業局主催の、書店員さん向けのオンライン会議。5月10日に、ロザン菅広文さんをゲストとしてお呼びしました。

菅さんは6月に、累計35万部の「京大芸人」シリーズより、最新刊『京大中年』の刊行を予定しています。

書店員の皆さんに向けて、菅さんがどんなお話を展開してくださったのか……。とても評判だったので、こちらで公開します。

*   *   *

――本日のスペシャルゲストは、ロザンの菅さんを予定しているのですが……(ご本人は、zoom待機しているはずなのですが)。
菅さんのお名前が見当たらないです……。
宇治原さんのお名前で入ってらっしゃってる方がいるんですが、宇治原さんが来ちゃったんでしょうか……。
(慌てふためくオンライン担当。それに対して、「きっとそれです! 入れちゃってください!」と乱暴な指示をする編集担当)

菅さん、登場。

――菅さんでした! やっぱり菅さんでした!(一同、ホッとして爆笑)

 笑うかなーと思ってやっちゃいました。すみません(笑)

――あらためまして、本日はよろしくお願いします。

 はい、よろしくお願いいたします!

――さっそく新刊の紹介をさせていただきます。
6月に菅さんの新刊『京大中年』が出ます!
この「京大芸人」シリーズは、35万部のベストセラーになってます! すごいですよね!

 ですよねー!

――1作目の『京大芸人』が2008年、2作目の『京大少年』2009年なので、そこから考えると、結構経ってますよね。
14年ほど経って、京大芸人シリーズの“本道”、ど真ん中の続編として、『京大中年』を書くことになったというのは、何か気持ちの変化があったのでしょうか?

 『 京大芸人』『京大少年』と書かせていただいたんですけれども、そもそも『京大芸人』を書いたときから、『京大中年』『京大老人』までは自分の中で出来上がっていまして。中年になるまで置いてあった作品、という感じですかね。

――ずっと書きたかったけど、中年になるまで待っていたと。

 そうですね、ある程度、自分の中で内容的なものは整理できてたので、それを、言語化、文章として書けるようになったのがここ最近という感じですね。

――“中年”という年齢になられて少し経ってますが、急に筆が進んだきっかけはあったんでしょうか?

 それについて、本の中では書いてないですが、コロナ禍ってことはあったと思うんです。そのせいで、色んなものに対する自分の考え方が整理できた、という面があったかなと。
あと、本でも触れてますが、吉本の闇営業問題。中で書かせていただいてるんですが、あのときに、「ロザンとして今後どういう取り組みをしていくのか」っていうことが、すごく明確になりました。あれは、そういうきっかけとなった出来事だったのではないかなと思います。
闇営業問題について、他の芸人さんと話しているときに、違和感じゃないですけれども何か引っかかるものを感じ、「我々としては、こういう考えだな」っていう、二人が合致したところがあったんです。それを本にできないかなと思いました。
そんなわけで、内容をうまく整理できたのは、コロナ禍と闇営業問題が大きかったかもしれませんね。

――世の中的に見たら、かなりパンチのきいたニュースではありましたが、ロザンのお二人にとっては、逆にプラスになったということですか?

 はい、確かにそうかもしれないですね。

――本の中にもたびたび出てきますが、マイナスの出来事をプラスに転換させていく技術が、“菅”流と言いますか、読み応えのある所かと思います。

 ありがとうございます。それから、僕も読ませていただきましたが、(吉本興業の前会長の)大﨑さんが『居場所。』という本を書かれましたよね。そこで闇営業のことも書かれてたので、その横にぜひ、僕の『京大中年』を置いていただけたらなと思います(笑)

――確かに、吉本興業の内側からと、所属する芸人の側の、両面からアプローチできますもんね!

 笑。

――ところで、『京大中年』の原稿を最初にいただいたとき、すごく面白いと思ったのが、過去の自分、過去の宇治原さんに手紙を書くスタイルで構成されているところです。タイムリープ的な面白さがあると感じましたが、そういうSF的な面白さだけでなく、“過去の自分”と“中年になった今の自分”が会話することで、もうひとつの神目線でロザンを見てる感じがあって、すごく面白かったんです! いつ、この書き方でっていう発想が生まれたんですか?

 皆さん、そうやと思うんですけれども、「その時」「その時」っていうのは、「自分が一番正しいんじゃないかな」と思って行動をしてると思うんですよね。でも、振り返ってみたときに、「こうやっておいたらよかったな」ってことがあると思うんです。“後悔”じゃなくて“反省”という意味で。
今年47歳になる僕が、「20歳の宇治原さん」「30歳の宇治原さん」に向けて、「あのときはこんな行動してたよね。でも、今から振り返ってみると、あなたこうなんですよ」みたいなスタンスで、書きたかったって部分はあります。

――中年になったからこそ、書ける、中年だから見える目線みたいなことでしょうか?

 うんうん、そうです。

――私は『京大芸人』も『京大少年』もすごく面白くて大好きなんですけど、『京大中年』になってくれてありがとうロザン、みたいに思いました。

 ははは。

――人って、絶対中年になるし、このあと老人にもなる。変化と成長もあるし、変わらないものもある。そういうものを、この構造で書いているから、立体的な面白さがあります。
書いた時のご苦労はありますか? ここでしか言えないこととかあれば……。

 あとで宇治原さんのお父さんに怒られへんかなと思いながら書いていましたけど(笑)。「いかに宇治原さんのお父さんに先に読まれないか」ということを考えながら書きましたね。「いかに宇治原さんのお父さんにバレずに出版できるか」というのが勝負でした(笑)。

――宇治原さんのご両親への章、最高でした! ところで、宇治原さんは、もうお読みになられたんですか?

 読んでくれました。すごく面白かったという感想をいただきまして。だいたいそういう感じの時って、もう30年くらいの付き合いなのでわかるんですが、これはほんまに面白いんやろな、という感じでした。

――宇治原さんは、ご自分のお父さんについて書かれていたことについて、何か言ってましたか?

 言ってませんでしたので、お父さんに読まれてしまう前に、おそらく一報、入れるような気がしますね(笑)。

――「はじめに」の「教科書がなければ」と、第一章を読んで、この世界に引きずり込まれ、「おわりに」で、物語がすべてここで完成します。線がひとつに繋がって丸になるというこの構成って、めちゃくちゃ映画的というか小説的というかドラマチックに感じたのですが、どうしてこんなことができるのかと……。

 僕も書いてて、ちょっと自分の才能に惚れ惚れしました(笑)

――失礼しました! そうです、才能でした、すみません!

 笑。いいや、正直、僕も、オチが見えてから書いたわけではなかったんです、ほんとうは。

――そうだったんですか!

 そうなんですよ。で、ある程度進んで、まあまあなんとなく、うまくできるやろ……と思いながら書いてたら思いついた! みたいな感じだったんですよね。

――なんと!

――ところで、質問が来てるので、ここでひとつ、よろしいでしょうか?
「今まで宇治原さんに一番腹が立った時はいつですか?」

 ご質問、ありがとうございます。正直、むちゃむちゃ腹立つことって、ほんとにないんですよね。しょうもないんですけど、腹立つっていう感覚が、もしかしたら、僕らにはないかもですね。

――夫婦でも友達でもない、相方って、そういうことなのかな……。

 なんかごめんなさいね、Hさん、しょうもない返しで……。オフでも、腹立つなあっていうのは、ないですねえ。

――今回のタイトルにもありますが、中年になったことで、ふたりの関係性や、向かっていくところが、変化したのかな、だから、今回の作品になったのかなって思うんですが、こんなふうに読んでほしい、こんなふうに届いて欲しい、という菅さんの思いはありますか?

 はい、それ、むちゃくちゃあります。
『京大芸人』のときって、たぶん、宇治原さんがクイズ番組に出始めたくらいの時だったので、勉強法について書かれている箇所もあって、読者の方からは「そこもよかった」みたいな声があったんです。
その流れがあったうえで、今回、届けたいなと思ってるメッセージがあるんですが、昨今、「学校の勉強って、社会に出てから役立たない」みたいな風潮があると思うんですよね。

社会に出たときに、何かうまくいかないことがあったら、「学校の勉強なんて、意味なかったんじゃないかな」って思ってしまう瞬間っていうのがあると思うんですよ。でも、本当はそんなことはなくて。「いやいや、そんなことないよ、学校の勉強って、仕事にものすごく役立つんですよ」っていうことが書きたかったんですよね、僕は。

基本的に僕ら、社会に出たら、学校の勉強で習ったことを、そのままやってるんです。学校の勉強って、基礎体力づくりというか、ストレッチやと思ってます。実際、やって悪かったってことは、まったくなかったですし。
それでもうまく行かないとしたら、やり方の問題だと思います。社会に出てみたら、たとえば人間関係とかいろんなことでトラブルもあると思いますけど、学校で習ったことが、うまく消化できてないだけやと。習ったことが全く意味がなかった、ということではない。
社会に出て、今悩んでいるというような方にも読んでもらいたいなあと思いますね。

――たしかに、ちゃんと勉強をして、学力もつけ、それを生かしてロザンとして活躍していることを、菅さんが本にしてくださってるから、「あの時にこう考えた」「このときに実感できた」みたいなことが、実際のリアルな活躍とリンクするので、我々は納得感が高いし、刺さります!

 それはありがとうございます。

――せっかくなので、もうひとつ質問に答えていただいていいでしょうか。
「菅さんのディベート力がいかにすごいかというのをYouTubeでも存じ上げていますが、ディベート力は、どのようにして身につけられたのでしょうか?」

 ええ……と、ディベート力ですか。うち、中学高校と、ディベートの授業があったんで。だから、ディベート的なことは、体幹としてありますね。体の芯になっているというか。
ちなみに、みんなディベートを勘違いしているところがあると思うんです。ロザンがYouTubeでやってることって、あれはディベートじゃないんですよね。ディベートっていうのは、テーマを二つ与えられたとき……たとえば「学校の制服があったほうがいいか、ないほうがいいか」というテーマが与えられたときに、自分の気持ちには関係なく、どちらかを当てはめられるんですよ。僕自身は「制服があったほうがいい」と思ってても、「制服がないほうがいい」ということを割り振られたら、そっちでの意見を言えと言われる。必ずどちらかに分けられるんです。

もちろん、自分の意見はあるんですけど、同時に、「もう一方の人」はどう思っていうるのかってことを考える訓練を、よくしてたなあという気がしますね。その訓練をむちゃむちゃやったらから、ディベートが強いと思われるんやと思います。

――なるほどです!

 あとやっぱり、宇治原さんを操縦しようと思ったら、ディベート力を鍛えなかったらしょうがなかったという(笑)

――笑。

 宇治原さんみたいな、学校の勉強ができる人って、理論的に説明しないと動かないんですよね。ずっと仲良くしてるキングコングの西野もそうなんですけど、西野も賢いので、「とりあえずいいからやれ」みたいなのは禁句というか。
何か言うときは、「これこれこういう理由だからやったほうがいいよ」「これこれこういう理由だからやめたほうがいいよ」みたいなに言うようにしていて、そういう訓練はずっとやってたかもしれないです。

――両方の目線を最初から持ち、どっちにでもなれるっていう状態にする訓練ですね。

菅 確かに、やってるかもしれないです。

――そういう学生時代のことなどは『京大少年』でもたっぷり書かれています。今回、『京大中年』にあわせて、同時に『京大少年』の文庫も出ますね。

菅 はい、ありがとうございます。『京大少年』は、2009年に出たのですが、あれからずいぶん経って、「ずっと読みたいけど、もう売ってない」と言われることが増えたので、今回、文庫化ということに。

――すでに『京大芸人』が文庫になっているので、それと一緒に展開していただけます! しかも新刊の『京大中年』と同じ日に書店に並び始めるという形で展開させていただきます。
ほかにも、「京大芸人式シリーズ」として『京大芸人式日本史』『京大芸人式 身の丈にあった勉強法』も文庫化されていますので、書店員の皆さんには、ぜひ、シリーズとして一緒に並べていただけると嬉しいです。

 嬉しいと思います!

――すでに関西のテレビ番組でも、すでに、菅さんが本の宣伝で収録してくださったものもあるとか。

 はい、大阪のメディア、ありがたいことに、レギュラー番組を何個か持ってますし、大阪は吉本を忖度する町なんで(笑)!
『京大中年』も『京大少年』も、いろんなところですでに収録宣伝させてもらってるので、楽しみにしていてください。

――サイン会も大阪と東京とで予定がありますが、さらに、菅さんが、大阪の書店さんを時々巡ってサインを直接書いてくださるとか!?

 もちろんです! 僕はいつも、本を出させていただいたら、自分の足で、本屋さんに行くようにしてまして、そこで、もし書店さんがよろしければ、サインをさせていただきたいなと思ってます。

――書店員のみなさん、菅さんをみつけたらぜひ、声をおかけください!

 ぜひぜひ、なんぼでも僕、サインしますんで!

――菅さん、大阪のグランフロントで、館内放送もしてたことがありますよね。

 笑!

――地方の書店さんからも、サイン本が欲しいというコメントが入りましたが。

 はい、ぜひぜひ! ところで、地方ってどこなんでしょうか?

――関西にかぎらず、東北からも九州からもご希望があります。まとめた数をサインしていただいてサイン本をご用意して、幻冬舎からお送りするような形でご対応いただけますか?

 もうぜんぜんやります! 現実問題として、全部の書店さんに行くというのは難しいと思うので、そうさせてください。番組のロケで近くに行ったら、書店巡りたいと思ってます。

――最後に、書店員さんに何かメッセージをください。

 いつも本当にありがとうございます。僕、そもそも、新刊が出るとか関係なく、本が好きなので、本屋さんにすごく足を運ばせていただいてます。
本屋さんで悩んだときに、POPを見て買わせていただくことがあるので、もし『京大中年』のPOPを書いてもいいなと思う方がいらっしゃったらお願いしたいなと思います。
あと、今、キングコングの西野の『夢と金』っていうのが、本屋さんですごく売れてると思うんで、僕、凄く仲良くしてるので、その横に置いてもらえたら、西野がいろいろ宣伝してくれると思います(笑)。

――菅さん、お忙しいところありがとうございました。

 こちらこそありがとうございました。では失礼します。
……あ、ほんまや! 名前が「宇治原史規」ってなってる(笑)

*   *   *

最後まで画面の下に「宇治原史規」の名前を出したまま、お話を終えてくださった菅さんでした。

あの!『京大芸人』シリーズの最新刊、『京大中年』。

物語として面白いばかりでなく、学びや人生についてもヒントがいっぱいの一冊です。

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京大芸人シリーズ最新刊『京大中年』

6月8日に発売が決まった、ロザン菅のベストセラーシリーズ=35万部の「京大芸人」シリーズの最新刊!タイトルは『京大中年』。

2009年に発売の『京大少年』も、同時に文庫化!

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菅広文 ロザン

1976年10月29日、大阪府高石市生まれ。大阪府立大学(現大阪公立大学)経済学部進学。96年8月、高校時代の友人である宇治原史規(京都大学法学部卒業)と「ロザン」(吉本興業所属)を結成。高性能勉強ロボ・宇治原の勉強法や、二人が芸人になるまでを描いた爆笑小説『京大芸人』『京大少年』のほか、縄文時代から現代までの日本史が爆笑しながら一気に頭に入ると評判の『京大芸人式日本史』や、勉強に向き合う思考が変わると評判の『京大芸人式 身の丈にあった勉強法』などの「京大芸人シリーズ」はすべてベストセラーになり、累計35万部突破。ほかに『菅ちゃん英語で道案内しよッ!』、ロザンの2人で書いた初の著書『京大 芸人 ノート』も話題に。最新刊『京大中年』が話題に!

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