5月24日に刊行した『ストレスフリーの資産運用 投資は米国債が一番!』。
世界経済に激震を走らせた「米国債デフォルト騒動」ですが、
著者の林さんはご自身のブログで「米国債は安心」「騒動で利回りが上がったら購入チャンス」と言い続けてきました。
本書を読むと、今まであまり知らなかった米国債の魅力が理解できるようになります。
なにより、買った後はほったらかしでいいし、実は結構利益が出るということに驚きます。
ソロモン・ブラザーズで債券資本市場部長を務めた経歴を持つ林敬一さんの最新刊、
未読の方はぜひ読んでみてください。そしてご自身の資産運用に役立ててください。
本書の刊行を記念して、「はじめに」を全文公開いたします。
* * *
米国債投資をして、人生を変えてみませんか?
やっとここにたどり着きましたね。到着おめでとうございます。
ここまでご無事でしたか、それとも多少の傷を負いながらでしたか?
でももう大丈夫です。早く到着された方も遅めに到着された方も、経験者のみなさんが満面の笑みであなたを迎え入れてくれますので。
本書では、世界で一番安全な金融資産への投資をご紹介します。
しかも私の推奨する投資法は売ったり買ったりを繰り返しませんので、何の技も必要ありません。安値で買って高値で売らないと損をするの投資ではありません。いつ買っても買っただけの安心を手に入れることができます。だから、ここにたどり着いた方は、他の投資(株式投資など)をされている方と違い、その人本来の笑顔で、穏やかに日々を過ごすことができるようになるのです。
そんなに安全でうまい話があるかって?
あります。
答えをズバリ書きます。米国債です。米国債への投資こそが、あなたの資産を安全かつ確実に増やしてくれる方法なのです。世界で一番安全なことは、アメリカ発の金融危機や、あの新型コロナウイルス感染拡大の最中、世界のすべての金融資産が暴落しているのに、米国債だけは買われたことが証明しています。
その後ロシアのウクライナ侵攻により世界が久々にインフレの大波を受け始めると、円安が進み始め、日本という国に対する信認が揺らぎ始めました。それと同時に、日本人によるアメリカの通貨(ドル)と国債への関心が高まりました。米国債投資をおすすめする私のブログへのアクセス数の高まりと運用相談件数の増加がみなさんの関心の高さを示しています。
「米国債」と聞いてみなさんは何を思い浮かべるでしょう?
難しそう?
地味?
株式投資のほうが儲かりそう?
NISAで買えないから興味が湧かない?
そう思いつつも本書を手に取ってくださった方は、私のブログ「ストレスフリーの資産運用」の読者の方々のコメント欄をご覧ください。私の提唱する超簡単な米国債投資を実行した方たちが、「人生が変わった」というコメントをたくさん書き込んでくださっています。
米国債投資のメリットは端的に言うと、
● 明確な償還期限があること
● 返済額が保証されていること
です。本書では米国債の魅力を余すところなくお伝えしていくので、読み終わる頃には「米国債が何故、安全な投資なのか」がおわかりになると思います。特に株式投資などで一喜一憂していて、「投資は自己責任」と思っている方ほど米国債の魅力に気づけるはずです。
最終原稿の入稿寸前になって、アメリカとヨーロッパで銀行の破綻が表面化し株式が金融機関を中心に暴落するという事態が発生しました。2008年の金融危機と違い、世界中に大激震が走るほどではありませんでしたが、問題がたとえ一部の特定銀行であっても、リスクが表面化した際の人々の行動によっては似たような銀行にまで取り付け騒ぎが伝播します。すると世界中で株価が下がり、銀行が発行する多くの劣後債価格が暴落するという、金融機関に特有の恐ろしさを感じさせる事態になってしまいました。日本でも1990年代の証券・銀行破綻の際には人々による預金の取り付け騒ぎがみられました。今後も経済・金融に関わる激震だけでなく、天変地異や地政学上のリスクの表面化は予想がつきません。
そんな中、世界で唯一買われたのはいつものように資本逃避先である米国債でした。何年かごとに繰り返される資本逃避ですが、米国債だけが不変の強さを示す好例になりました。10年以上にわたる日銀による異次元の金融緩和ですが、インフレ抑制に必要な利上げが始まると、シリコンバレー・バンクのように金融機関が保有する債券価格は暴落し、いつ取り付け騒ぎが勃発するか予想はつきません。
「転ばぬ先の杖」、それは私がおすすめする米国債だけです。
私は大学を卒業して日本航空に就職し、ニューヨークの支社に駐在中にアメリカの投資銀行の存在を知り、チャンスを得て転職しました。その後10年余り、大手投資銀行であるソロモン・ブラザーズで債券投資の世界に身を置き、社債などで資金を調達する企業の手伝いをする債券資本市場部で責任者を務めていました。投資といえば株式投資というギャンブルの世界しかご存知ない方には、世界の株式の時価総額より債券の発行残高のほうが多いということをまずお知らせしておきます。投資の世界の半分以上は、安全な債券でできあがっているのです。
私は、そうした安全性の高い投資の世界をお知らせするためにブログを書いています。そのブログでは読者が自由にコメントを書き込めるようにしてあるのですが、大勢のみなさんが、そこにたどり着いた喜びや、投資のストレスから解き放たれた喜びを書き込んでくれています。ブログにたどり着いたばかりで、まだ投資を始めていない方もそのような書き込みをなさっているのです。実際にどのような書き込みがあるか知りたい方はこちらのサイトでご確認ください。
何故たどり着いただけで喜びを感じることができるのか。その理由は、「これで幸せに人生を過ごせる」という指針が得られるからです。多くの方が実行されている株式投資の世界がいかにみなさんを疲弊させてきたかということの証左でもあります。
株式投資においては、どんな銘柄にせよ購入したら株価が気になってしかたないはずです。スマホで株価をいつでもチェックできる時代なので、始終気にしている状態に陥るのではないでしょうか。株価が上がれば天国ですが、下がれば地獄です。天国と地獄を行ったり来たりする生活なんて、ストレス以外の何物でもありません。ひどい場合にはうつ状態になるほど、株式投資とは恐ろしいものです。
「ストレスフリーの資産運用」というタイトルの私のブログは、2011年に始めてから12年が経過しました。週に1回程度のアップですがかなりの分量になっていて、サイトへの累計アクセス数はすでに450万回を超えています。読者の方々の声の中でも特徴的で有用なものは、本書でも引用してありますので、ブログをすべて読んでいただく必要はありません。
世の中が老後資金不足の話題で大騒ぎとなり、株式投資信託だNISAだと言って沸き立つのを尻目に、私のブログにはこれまで投資に翻弄されてさんざん損を出したり、従来の投資法に疑問を感じたりしている方々が答えを求めて集まっています。2000万円の老後資金不足への対処として、この本では「自分で年金を作る方法」も詳しく解説してあります。それも株式相場などに左右されない超安全な方法による投資です。コロナ禍によって国債の金利も一時大きく低下しましたが、そのような時はどのように考え行動するのが賢明か、私なりの考えも書かせていただきました。
逆に投資でうまく儲けを出し、老後に向け十分な財産を築いた方々も、最終到達点として私のブログにたどり着き、ここで投資の毒素を抜くデトックスをされ、幸せな日々に入られています。
投資でまだ儲かってもいないのに幸せになんかなれるかって?
それがなれるのです。宝島=トレジャー・アイランドならぬ、「トレジャリー・アイランド」にたどり着けさえすれば。
米国債の英文略語はトレジャリー・ボンド。財務省証券ですので、私は宝島になぞらえストレスフリーの幸せ投資の世界を「トレジャリー・アイランド」と呼んでいます。この本はその世界にみなさんを招待する本です。
私のブログの読者の52歳(当時)の方から2014年9月にいただいた感謝の言葉を引用させていただきます。
林さんのご本やブログに謳われている「ストレスフリー投資」に幸運にも出会えて、人生の過ごし方が本当に変わりました! 決して大げさな言い回しでなく、「お金の心配」に向けられていた意識が、毎日の生活の中で見つける細やかなりとも豊かな「幸せ」にちゃんと向くようになり、生き方も幸福度も本当にアップしました。
20余年の投資人生は、証券会社の担当者と私の欲の二人三脚で、一瞬儲かったらすぐに大損。すると担当者はすげ替えられ、損は損切りで気持ちを無理やり整理する散々な結果でした。
確かに若い頃は投資=リスク=利益と思って、私の中の欲に押され、自分で理論的にも数値的にも理解できていない投資先に、無謀にもお金を向けていました。でも、もっと早く林さんに出会えていたら、理解→自信→運用→利益と来る間、ストレスフリーで違った時間の過ごし方が出来たと思います。
今はおかげさまで私の欲も小さくなり、残存寿命と持っているお金の帳尻さえ合えばそれでいいし、長い田舎暮らしで少しずつ創ってきた快適で安心な環境の中で暮らしを楽しむことが嬉しくって。そこにはもうお金に苦しむ私はいません。今はこの国や世界の愚かな治世者や、いつ来るとも知れないまさかの天変地異に対して、増やすのではなく、今あるお金を守るべく運用したい。それは米国債だと思っています。
私は林さんに本当に助けて頂きました。ブログの書きぶりから透けてみえるお人柄にも好感と信頼を寄せています。
ちょっと私をほめすぎかもしれません。でもブログにはこうした「人生が変わった」とおっしゃる方々から、感謝の言葉がたくさん寄せられています(コメント欄では私のことを林さんとか林先生と書く方がほとんどです。はゆいのですが、引用文のため以降もそのままにさせていただきます)。
「投資とはリスクを取ることだ」というような物言いがありますが、本当にそうでしょうか。大事なお金をそんな訳のわからない「リスク」にさらす必要があるのでしょうか。
世の中には超安全な「ストレスフリーの幸せ投資」があるのです。繰り返しになりますが、米国債への投資です。それこそが人生を本当にエンジョイするための投資法なのです。
私は本書でみなさんにそのことを伝えたいと思っています。