YouTubeやツイッターで国内外のニュースを発信し続けるエジプト人のフィフィさん。その歯に衣着せぬ提言、論調には、YouTubeやツイッターのフォロワー数あわせて102万人を集めるなど、絶大なる支持を集めています。
そのフィフィさんが上梓した『まだ本当のことを言わないの? 日本の9大タブー』が、大好評で発売中。外国人の目線だからこそ気づく日本の深い闇について、9つのジャンルからズバズバと斬り込んでいます。
「私の頭の中が丸ごと一冊の本になった」とご本人が言う、本書の一部を公開します。
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コロナ禍での“パチンコ叩き”はなぜ?
新型コロナという未知のウイルスが蔓延し始めて、東京都などいくつかの自治体に初の緊急事態宣言が発令されたとき、飲食店のほか、ボウリング場や映画館などの娯楽施設にも休業要請が出されましたよね。
休業はあくまで要請であって強制ではありませんから、個々の判断に委ねられました。営業を続けるところもあり、世間から非難の目を向けられたりもしましたが、中でもバッシングがひどかったのがパチンコ店。行政も躍起になっていましたよね。
営業を続ける店は名前を公表するとまで言って、なんとか休業させようとした。居酒屋などでも営業している店はあったけれど、そこまではしていません。あのときは、行政も徹底的にパチンコ店だけを追い詰めていた感じ。そうやってパチンコ店を閉めさせると、世間からも称賛の声があがっていました。
なぜなのか。それは、パチンコに対する世間の印象が良くないからだと思います。平日の昼間からいい大人が何時間も店に入り浸って玉を打ち続けて、湯水のようにお金を使ってしまう……。とにかく、パチンコには不健全なイメージがあるんですね。
しかし、だからといってここだけを叩く理由にはなりません。普段、行政は、他の業種と同じようにパチンコ業にも営業許可を与えているわけです。それならば、他の業種と同じ扱いでなければ公平ではないのです。
ただ、パチンコが問題を孕んでいるのは、確かな事実。だから世の中の人々も「パチンコって、なんか胡散臭くない?」と漠然と感じている。この際、パチンコ業界が孕む問題を一から炙り出し、根本的に解決する必要があるんじゃないでしょうか。
“三店方式”で目くらまし
どう見ても、パチンコはギャンブルだと思うのですが、日本では、パチンコは「ギャンブルじゃない」ことになっています。
日本には、宝くじや競馬、競輪、競艇など法律によって許された賭け事(ギャンブル)もありますが、それ以外は違法で取り締まりの対象になります。バカラ賭博などの違法カジノが摘発されたというニュースを耳にすることはよくありますよね。ですが、パチンコは「ギャンブルじゃない」ため、取り締まられることはありません。
実はここには、カラクリがあるんです。
パチンコ台で遊んで増やした出玉を店で換金するとなると、これはもう立派なギャンブルですから、アウトです。でも、みなさんご存知のように、パチンコ店では表向きは出玉と景品を交換するという形が取られています。タバコやチョコレートなど“本当の景品”に換えることもありますが、ボールペンとかゴルフボールとかライターとか、店によって、それぞれ“特殊景品”というものを定めていて、この特殊景品を「景品交換所」と呼ばれる場所に持って行けば、換金できる仕組みになっています。
もっと正確に言うと、景品交換所は古物商の許可を取っており、パチンコ店の客が持ち込んだ特殊景品を中古品として現金で買い取るという体。
そして今度は、「景品問屋」が景品交換所から特殊景品を買い取り、パチンコ店に卸します。
パチンコ店と客の間に景品交換所が、景品交換所とパチンコ店の間に景品問屋が、それぞれ入ることで、違法性がなくなるんですね。
パチンコ店、景品交換所、景品問屋。この3つの店で回るパチンコ業界の仕組みは、“三店方式”と呼ばれます。
3つの店はまったく関係のないところで個別に営業をしているということで、「これはギャンブルじゃないよ、法律には違反していないよ」ということになるわけです。この三店方式が取られていることで、パチンコは、あくまで「出玉と景品を交換する遊戯」との主張がまかり通っています。
でも、やっぱりパチンコは、グレーゾーンに位置しているんですよね。だいたい三店方式によって“ギャンブル”が単なる“遊戯”になるなら、ゲームセンターなどにも適用すればいいのに、やらないでしょ。要するに三店方式は、その違法性を見逃すために、パチンコ業界のためだけに作られた方式ということです。
三店方式は、パチンコの違法性を誤魔化すための目くらまし? いいんですかね、これで。
パチンコ利権に群がる政と官
パチンコは三店方式という目くらましの運用による換金行為です。限りなく黒に近いグレーな行為ですが、日本の警察がこれを取り締まることはありません。この仕組み自体、警察が積極的に関わってできたもののようですから、今さら「違法ですよ」と言えるはずもない。だいたい、言う気もないでしょうし。
もうね、日本の場合、何もかもが似たり寄ったり。前の章で、旧統一教会が取り締まりを免れてきた理由について言及しましたが、パチンコが取り締まられないのも、よく似た構造です。バカラ賭博やオンラインカジノなど、他のギャンブルは取り締まられるのに、パチンコだけがセーフなのは、政治家や官僚がパチンコマネーに汚染されているからに他なりません。
どの業界でも「協会」があります。パチンコにも関連の協会がいくつかあり、大手パチンコ店のほとんどがいずれかに加入しているのですが、その団体のアドバイザーに政治家が名を連ねています。
結局、旧統一教会と同じようなもので、政治にパチンコ利権が入り込んでいるということです。政治家は取り締まりからパチンコ業界を守る。その代わりに、パチンコ業界は政治家にお金を渡す。両者にとってウインウインの構図が出来上がっているんですね。
さらに、パチスロやパチンコ台の機能をチェックする「保安通信協会」という一般財団法人があるのですが、専務理事には天下りをした警察庁の人間が就いています。つまり、ギャンブルを取り締まる側の警察や政治家が、パチンコ業界とズブズブなんです。
また、パチンコのCMがテレビで放送されることもあります。要するに、テレビなどのマスコミにとってパチンコ業界は大事なスポンサー。となると、パチンコ業界に不利になる報道はできませんよね。結局、マスコミも、パチンコ業界と政官のズブズブの関係を看過していたのではないですか。
パチンコ店の経営者に朝鮮半島系の人々が多いことは、知られています。日本国籍を取得されている方もいるかと思いますが、いずれにしても、かつては北朝鮮系の人が多く、パチンコ業界から北朝鮮に相当の資金が流れていたと言われています。そのお金はきっと、旧統一教会から北に渡った資金と同じように、ミサイル開発などに使われていたのでしょう。
現在は、パチンコ業界の経営者のうちの北朝鮮系は2割、7割は韓国系だとされています。
でも、不思議なことに、韓国にはパチンコ店がありません。要するに、日本の人々を相手に儲けてやろうという朝鮮半島系のギャンブルビジネスが、日本でだけ平然と行われているということ。日本のお偉いさんたちは、これを黙認しているどころか、自らがその業界とズブズブの関係なのですから、怒りを通り越して呆れてしまいます。
日本のお偉いさんは、そろそろ本気で動いてください。パチンコのような違法ギャンブルを、日本の社会に蔓延らせてはいけません。
自分たちの利権のために、いろいろなことをうやむやにするのは、もうおしまい!!
第9章(利権と癒着と天下り)自分たちの利権ファースト、これが日本の実情です!