先日、生まれて初めて文学賞の待ち会というものを経験した。
そもそも、「待ち会」とは何か。文学賞などの候補になった作家が、編集者(たち)と一緒に選考結果を待つ催しのことである。なぜこのような文化ができたのかは知らないが、単に「一人で待つのがしんどいから」かもしれない。
選考会当日、作家や編集者にできることは何もない。すでに世に出てしまった作品は、候補になったからといって書き直せるわけではない。できることと言えば、祈ることくらいである。
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文豪未満
デビューしてから4年経った2022年夏。私は10年勤めた会社を辞めて専業作家になっ(てしまっ)た。妻も子どももいる。死に物狂いで書き続けるしかない。
そんな一作家が、七転八倒の日々の中で(願わくば)成長していくさまをお届けできればと思う。
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