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キングコング西野が自ら『夢と金』解説

2023.06.30 公開 ポスト

NFTのブームはこれまで何度か起きているが、なぜ今、本に書いたか?西野亮廣(芸人・絵本作家)

(※この記事を音声で楽しみたい方はコチラ

NFTは今じゃねえ。もう少し先だ

最新刊『夢と金』にまつわるお話をしたいと思います。

この本は3章立てになっておりまして、第1章が「富裕層の生態系」について、第2章が「コミュニティー」について、そして第3章が「NFT」について、それぞれ書かれております。

「富裕層の生態系」を知ること、そして「コミュニティー」を知ることの狙いは「高く買ってもらう為」です。

「たくさん売る」というゲームが難しくなってきたので、僕の中で「どうすれば高く買ってもらえるか?」という実験を繰り返した結果、「富裕層」と「コミュニティー」というテーマに着地したんですね。

そこに至るまでの思考のプロセスと、実験結果を『夢と金』には、みっちり書いています。

そんな中、第3章が「NFT」なんです。

この章では……

少しググれば『Web1』『Web2』『Web3』という言葉が出てくるだろう。インターネットの各時代の呼び名だ」という書き出しから、「過去の『Web1』『Web2』『Web3』の捉え方と、今の『Web1』『Web2』『Web3』の捉え方は違う

と説明しているんですね。

ザッと、こんな感じです↓

《これまでの考え方》
【Web1】=お客さんが、サーバー(メディアや法人)にある読み取り専用ページを閲覧した時代。データの作成は、主にサーバーの管理者。

【Web2】=お客さんが、サーバー(YouTube、Twitter、Facebook、Instagramなど)を介して、他のお客さんとやりとりできる時代。お客さんがデータを作成・発信できるようになった。

【Web3】=サーバーを介さず、お客さん同士が直接繋がって、お客さん同士でデータ(NFTなど)を共有・管理する時代。サーバーの支配から解放された。


《今の考え方》
【Web1】=お客さんが、サーバー(メディアや法人)にある読み取り専用ページを閲覧した時代。データの作成は、主にサーバーの管理者。

【Web2】=お客さんが、サーバー(YouTube、Twitter、Facebook、Instagramなど)を介して、他のお客さんとやりとりできる時代。お客さんがデータを作成・発信できるようになった。

【Web3】=AIによってクリエイティブスキルが低い人でも、ハイクオリティーのデータ(作品など)を生成・発信できるようになった時代。あらゆる「職人技術」が無価値化した。

【Web4以降~】=サーバーを介さず、お客さん同士が直接繋がって、お客さん同士でデータ(NFTなど)を共有・管理する時代。サーバーの支配から解放された。

……と、まぁ、こんな感じで説明しています。

つまり、「NFTは今じゃねえ。もう少し先だ」と言っているわけですね。

どう考えたって皆の生活にとって重要度が高いのは「NFT」より「AI」なので。

正直な本でしょ(笑)?

この類の本だと「これからはNFTの時代です!」とか書いてそうじゃないですか?

ところが、わざわざ「NFT」のことを取り上げておいて、「でも、今じゃねえ」と書いているんです。

じゃあ、なぜ、今、NFTのことを書いたのか?

NFTを仕掛けるには、お客さんの教育が必要

ここにはやっぱり理由がありまして……NFTのブームってこれまで何度か起きているんです。

ゲームのアイテムとしてのNFTを抜いたとして、最初に盛り上がったのは僕が記憶している限り『Top Shot』というNBAのトレーディングカードですね。

ただのトレーディングカードじゃなくて、デジタルデータのトレーディングカードとして価値を生んだことで、すごく話題になった。

次に盛り上がったのは「ガチアート勢」です。

ビープルというアーティストの絵が75億円で売れたり、これもアートの文脈だと思うんですけども、ツイッターの創業者の最初のツイートが3億円とかで売れて、またまた凄い話題になった。

ここまではどちらかというと、「超プロが生成したNFTを皆で管理する」という流れだったんですけども、次にやってきたPFP(Twitterのプロフィール画像)ブームがNFT生成の参加ハードルをグッと下げた。

言うても「Twitterのプロフィール画像(小さな画像)」なので、細かすぎる絵はむしろ相性が悪いし、小学生が描いたイラストでも「それはそれで可愛い」となったりなんかして、誰でもNFT制作者として参加できるようになった。

だから盛り上がったんですね。

このブームが落ち着いたのが今で、「じゃあ、次はどうなるのかな?」と考えてみたのですが、可能性として考えられるのは「フィジカルな生成物✖️NFT」が一つありそうです。

それこそ(もう既にありますが)、「別荘(のようなホテル)の所有権をNFTで分割で持ち合って、自分が使わない日は誰かに有料で貸し出す」みたいな。

NFTで管理することによって、貸し出す時に誰かにお伺いを立てなくて(許可取りをしなくて)済むので、色々スムーズです。

これは「決済手段・受け渡し手段としてのNFT」ですね。

実は僕が次に仕掛けようとしているNFTもこの類です。

先に言っておきますが、メチャクチャ面白いです。
ほぼ全員が「やられた~」となると思います。

近々、オンラインサロンの方に概要を投稿しますので、お楽しみに。

ただ、こういうNFTを仕掛けるには、アイデアより何より、お客さんを教育していないといけないんですね。

例えば、カジサックがある日突然「NFTをやる!」と言ったところで、上手くいかないんです。

何故なら、カジサックのお客さんがNFTのことをよく理解していないので。

NFTプロジェクトを仕掛けるには、お客さんに「NFTを受けとるスタンバイ」をしておいてもらわないといけないんですね。

だから、このタイミングで『夢と金』にNFTのことを書きました。

これは僕だけの為じゃなくて、皆さんがNFTプロジェクトを仕掛ける時にも、絶対に必要になってくる。

近所にいる人と喋ってみてくださいよ? NFTのこと、何も分かって無いでしょ?

その状態だと、思いついたところで、仕掛けられないんです。

というわけで自分と皆の可能性(選択肢)を増やす為に、これからもコツコツとNFTの話をしていきたいと思います。

(撮影:イシヅカマコト)

 

※このコーナーは、西野亮廣の公式ブログより転載しています。(一部修正アリ)

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関連書籍

西野亮廣『夢と金』

「まえがき」より 「夢か?金か?」という議論をキミのまわりの連中は繰り返すだろう。 耳を傾ける必要はない。あんなのは全て寝言だ。 「夢」と「お金」は相反関係にない。僕らは「夢」だけを選ぶことはできない。 「お金」が尽きると「夢」は尽きる。これが真実だ。

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キングコング西野が自ら『夢と金』解説

発売わずか1カ月で20万部を突破した、話題のベストセラー『夢と金』。

著者は、キングコング西野亮廣。絵本、映画、ミュージカル、歌舞伎…と日々エンタメを生み出している一方で、ビジネスモデルも構築し、圧倒的な実績を残しているという唯一無二の存在が、自らの経験から得た知識を、余すところなく、一冊に書き切った!

まさに、現代日本人の全てが読まずに通り過ぎてはいけない一冊を、本人自ら解説。

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西野亮廣 芸人・絵本作家

1980年兵庫県生まれ。芸人・絵本作家。
2009年、『Dr. インクの星空キネマ』で絵本作家デビュー。0.03ミリ細い黒ペンで描かれたモノクロの緻密な絵が評判に。その後、『Zip&Candy-ロボットたちのクリスマス-』『オルゴールワールド』とモノクロ絵本を執筆。『えんとつ町のプペル』で初のカラー絵本を製作し、以後の作品、『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』『みにくいマルコ~えんとつ町に咲いた花~』はすべてカラーで製作。絵本累計部数は100万部突破。
他にも、小説『グット・コマーシャル』、ビジネス書『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』『新・魔法のコンパス』『新世界』など。ビジネス書のる生餌部数も100万部突破。

製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」(2020年公開)は、映画デビュー作にして動員196万人、興行収入27億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めた。
「えんとつ町のプペル」はミュージカルや歌舞伎としても上演され、好評を博している。
プペル発のNFTでは2022年10月31日に、取引量世界一を記録。

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