キリンチャレンジカップ2023 VSエルサルバドル、ペルーヤシキケンジ

この前BSの番組を見ていたら、船越英一郎と中田英寿が日本酒について語り合っていた。

中田英寿が十四代（日本酒）を飲みながら「これを飲んだあとに日本茶を飲むと、口のなかがサッパリしていいっすよ」と笑顔で船越英一郎にすすめているのを見て、人生はなにがあるかわからない、としみじみと思わされた。

現役時代、あの無愛想というかクールなスポーツ選手の代表格でもあった中田英寿が、船越英一郎と日本酒を酌み交わしながら講釈まで垂れているなんぞ、誰が想像できたであろうか。

現役時代にどちらかというと尖って見えた選手の方が、その変わり身？　というか振れ幅に驚かされる。

最近では「サッカー界のCM王」内田篤人が綾瀬はるかと抱き合っていたり、本田圭佑が「三笘さん三笘さん」と連呼しているのも、なにやら「わびさび」のようなものを感じずにはいられない。

そんな中田世代（海外組）から連綿と紡がれてきた代表選手たちの層は、現在過去最強とも呼ばれているようだ。

プレミアリーグ、リーガで日本人最多得点の記録を塗り替えた二人に加え、スコットランド得点王までいるのだから、過去最強&層の厚さといってもいいのだろう。

 

 

6月の2連戦の大勝利は、もうなにも言うことがないくらい気持ちが良かったのは言うまでもないが、試合後のユニホーム問題。

これはなかなか、日本では珍しく話題になるニュースだった。

ペルー戦後、相手DFとユニホーム交換をした久保が、そのユニホームをピッチに置き忘れていった、というニュース。

「置き忘れた」と本人は言っているようだが、動画で見てみると、ポイっと投げ捨てたようにも見える。

その行動をペルー側から抗議されたり、久保も謝罪をしたりといろいろと大変なようだが、やっぱりユニホーム問題は気になる。

試合後に互いの健闘を称え合う「ユニホーム交換」という一見素敵な行為だが、スター選手ともなれば、相手選手からユニホーム交換を申し込まれるのは当たり前、というのは分かる。

憧れだったメッシやクリロナ、イブラヒモヴィッチ本人とユニホーム交換ができれば、その選手は一生の宝物としてスター選手のユニホームを大事に飾ったりするのだろう。

しかし、ユニホームを求められた側の選手は、貰った相手のユニホームをその後どうしているのだろうか。

スター選手同士ならば、「アイツもなかなかやるな」と健闘を称え合った記念品として保管しておくのだろうけど、交換した相手が誰だかよく分からん奴だった場合、その後大切に保管するとは考えにくい。

そのままゴミ箱に直行している可能性は充分にある。

いったいどうしているのかと検索してみたところ、資金力の乏しいチームなどは、スター選手のユニホームを転売（チャリティオークション等）もするそうだ。

それでもやはり多いのは、身近なチームスタッフなどにプレゼントしたりするそうである。

そしてまたそのチームスタッフから知り合いへと流されていくものだそうです。

それでふと思い出した。

ブックオフで立ち読みなんかをしていると、たまに著者のサイン本を見つけたりすることがある。

私が発見したそのサイン本は、超が付く大物女流作家のサイン本で、氏名印もあり直筆で丁寧に「◯◯さんへ」と書かれてあり、またその本が100円コーナーにあったものだから、一冊のサイン本の流れ果てた末を見たようで嬉しくなり、その本をレスキューして帰ったこともある。

またべつのときには、笙野頼子さんの著書があり、手にとって開いてみると、校正原稿かと思うほどペンで行線が引かれてびっしりと書き込みがしてあった。

ものすごく筆圧の強い字で解読不可能な文章がページからはみ出さんばかりに添えられていた。

すさまじい他人の念というのか、なにか見てはいけないようなものを見てしまったような気持ちになって、慌てて本棚に戻した。

まあ、本のことはともかくとして。交換したユニホームがぞんざいに扱われてしまったり、交換を申し出て断られてしまったときの切なさは、なかなかビターな味わいがある。

次の日本代表はあのドイツ代表と再び対戦する。

誰と誰がユニホーム交換をするのか、いまから楽しみである。

個人的にはワールドカップの日本戦で、へんてこ走りをしたリュディガーと浅野が交換したら、なかなか面白いと思うのだが、実はもうワールドカップのときに交換していたりするのだろうか？