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時をかける老女

2023.07.28 公開 ポスト

#57

ドラえもんの日めくりの「のび太の誕生日」が気になるようで、説明に苦労した中川右介

2022年7月15日 金曜日

<介護627日>

雨の朝、デイサービスへ。いつもそうだが、雨でも気にしない。傘もささずに歩く。これも認知症のせいか。

午前は、中野で講座。

夕食。今日は食欲あり。18時就寝。

7月16日 土曜日

デイサービスへ。

事件なし。

7月17日 日曜日

<介護629日>

事件のない日曜日。

お盆進行で締切が早くなった連載を書く。

阪神勝つ。

7月18日 月曜日 海の日

<介護630日>

朝は事件なし。

デイサービスへ。

夜は今日も、「頭が変なので、怖いから寝る」

と、18時就寝。

7月19日 火曜日

<介護631日>

今日は三鷹のメモリークリニックへ。新しい若い男性の医師が診断。

「こんな若い先生なんて、嬉しいわ」と盛り上がる。「中川さんの三分の一です」と言っていたから、31か。

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時をかける老女

91歳の母親と、33年ぶりに一つ屋根の下で暮らすことになった。この日記は、介護殺人予防のために書き始めたものである。

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中川右介

一九六〇年東京都生まれ。編集者・作家。早稲田大学第二文学部卒業。出版社勤務の後、アルファベータを設立し、音楽家や文学者の評伝や写真集を編集・出版(二〇一四年まで)。クラシック音楽、歌舞伎、映画、歌謡曲、マンガ、政治、経済の分野で、主に人物の評伝を執筆。膨大な資料から埋もれていた史実を掘り起こし、データと物語を融合させるスタイルで人気を博している。『プロ野球「経営」全史』(日本実業出版社)、『歌舞伎 家と血と藝』(講談社現代新書)、『国家と音楽家』(集英社文庫)、『悪の出世学』(幻冬舎新書)など著書多数。

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