モノマネでブレイクして以降、役者業を中心にボクシング、絵画、ヨガの世界でも活躍する片岡鶴太郎さん。「60代は体が元気に動く最後の時間。漫然と過ごすのはもったいない!」とおっしゃる鶴太郎さんが“人生後半”の生き方を教えてくれる幻冬舎新書『老いては「好き」にしたがえ!』より、老いに負けない極意を抜粋してお届けします。
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センスなんていらない。上達は反復あるのみ
実はやりたいことがあるのに、「センスがないから」という言葉で片づけてしまう人、いますよね。失敗したくない思いの裏返しでしょうが、ここは踏ん張って逃げないでください。
いろいろなことに挑戦しているからか、「鶴太郎さんはセンスがありますよね」と言われることがあるのですが、私自身はセンスなんてまったくないと思っています。また、なまじセンスがあると変な癖がつきかねませんから、つくづくなくて良かったなとも。
では、どうやって新しいことを“もの”にしていくかといえば、ひたすら反復練習あるのみ。思ったよりも地道でしょう。しかし、結果的にそのほうが中途半端に終わらず、着実に身に付くのです。
どんな天才であっても、やっぱり反復なんですね。野球の天才のイチロー選手であっても、ひたすら地道な練習をしてヒットを一本一本積み重ねた。世界の大谷翔平選手だって、やはり練習熱心と聞きますよね。
練習を地道に続けるということは、辛抱強さが求められ、集中力も必要とされます。継続はいちばん難しいことかもしれません。しかし、地道な反復を毎日できるかどうか。これがやはり“もの”にできる人、できない人の分岐点でしょう。そして、この毎日の練習に真実を見られるかどうか。反復には、その人間の真実が隠されていると思います。これは仕事や家事、または子育てにも当てはまるでしょう。
私は、毎日の反復練習に、夢や希望を持って明るく取り組むことにしています。例えば60代で三線を始めた時も、「なんでこんなことができないんだよ!」と自分を叱責するのではなく、「いいんだよ、これで。俺は三線が好きなんだから。大丈夫だよ、絶対弾けるようになるから」と励ましていました。
基本的に新しいことを始める際は、自分を信じてあきらめないこと。最初は下手で当たり前ですから、とにかく続けてみる。毎日コツコツ0.1ミリの成長を積み重ねていく。これが大事です。
「ああ、昨日より今日はこうできた」とわかればおのずとやっていて良かったと思いますし、「1ケ月前にできなかった開脚が少しできているな」と目に見えてわかると、心から嬉しい。自分にしかわからない変化、成長を楽しみながら、辛抱強く続けてみましょう。
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