バビロンのバービーの思い出はさておき～『バービー』鈴木涼美

黒髪を必死で脱色したりキイロ肌を一所懸命焼きまくったりして、その10年後に今度は一所懸命美白しまくって生きてきた、しかもそれらに何ら政治的ステイトメントを込めてきていない東京女として、本来的な意味での人種差別やそれを逆手に取ったブラックジョークのようなものはわからないのだろうが、米国などで根強く残る黒人差別やアジア人蔑視とはまた別次元で、「金髪のおねえちゃん」への偏見があることはドラマや小説のちょっとした言い回しやキャラクター設定でよくわかるし、その偏見を込めて金髪の綺麗なお姉さんを揶揄するときに「バービー」が使われている場面もかつてはよく見かけた。