『ブリアナ・ギガンテのほんとうにあったかわからない物語(あなたしだい)』という絵本が発売となり(9月6日。予約開始とともにAmazonランキング上位、発売前重版をしたという話題の本!)、現在、池袋パルコにて、「ブリアナ・ギガンテのほんとうにあったかわからない物語展」が開催中。(※物語展は、9月18日まで)
この非常~に長いタイトルの本は、文字通り、ブリアナ・ギガンテさんの物語で、中は絵本。
ブリアナさんは、コロナ禍の到来とともに降臨した麗しきYouTuberで、“ニュージャジーから”発信を始めるなり(※ブリちゃんの自己申告です!)、たちまち人気者となり、相席食堂やマツコ会議などの人気テレビ番組に登場、フランスの映画「シャイニー・シュリンプス」にも登場、新宿の伊勢丹でポップアップイベントをしてみたら記録に残る盛り上がり、ブリちゃんグッズは発売のたびに即完……などなど、話題に事欠かない謎の存在。
いったい、なぜブリちゃんはこんなにも、愛されるのか?
そのヒントは、2022年に出版された『世界でいちばん私がカワイイ』というエッセイに盛り込まれている。本書は、彼女を深く知りたい人に、ぜひともおすすめしたい。
いや、ちょっと待って。彼女に興味のない人にこそ、おすすめしたい。
なぜって、こんなにも“いい距離感”で、大切なことを教えてくれる人って、なかなかいないから。
ここ数年、優しさってなんだろうなって思うことが、増えた気がする。
愛という言葉ってどこまでを擁してるんだろうって考えることが、増えた気がする。
そういうのって、説教されても素直に入ってこないし、知ったかぶりされたら引くし、情熱的に説得されたら自分との差を感じてツラくなる。
でもブリちゃんは、「悲しい」をたくさん経験して、「素敵」を身近にいっぱい見てきたから、その言葉は、人の心を、ナチュラルに救ってくれる力を持っている。
『世界でいちばん私がカワイイ』は、素敵な自分で、優しく生きるヒントがいっぱい詰まった、幸せになれるエッセイなのだが、章と章の間に、子ども時代からのブリちゃんのストーリーをおとぎ話風にちょこちょこ入っている。これがファンの皆さんの間で盛り上がり……。
「この物語を、もっとふくらませて絵本にしたい」
気づけば、こんな声が、ブリちゃんと、挿絵を描いてくださったmuneさんと、ブックデザイナーの名久井直子さんの3方向から、しゅわしゅわと湧いてきて……生まれたのが、今回の絵本なのです!
ブリちゃんは、ニュージャージー生まれの妖精なので(謎プロフィール!)、その「ものがたり」は、我々にとって、「ほんとうにあったかわからない」ってことになるわけで。
それが「ほんとう」なのか?は「あなたしだい」というわけ。
ブリちゃんが育ったお城も、ブリちゃんがたくさんの恋をした虹色のバーも、ブリちゃんの涙の理由も、「あなたしだい」で、真実になる。「あなたしだい」で、もしかしたら、「生きることの真実を伝えてくれる」宝物のような物語になるかもしれない。
実は、LGBTQ、ヤングケアラー、毒親、虐待……現代社会の抱える色んな課題が、この一冊の中にいっぱい詰まっている。
受け取って、考える。……そんな機会をくれる絵本なのである。
ブリちゃんに投げられたその球を、どう受け取るかは、あなたしだい、です。
☆ ☆ ☆
さて、そのブリちゃんの世界を等身大(!?)で体験できるのが、池袋パルコで開催中の物語展。
真っ赤なカーテンをくぐるなり、目の前に現れるのは、巨大ブリちゃん(ブリちゃんの顔が、私の背よりも大きい)。
どこをどう使っても、写真映えのする「フォトスポット」だらけ。
それぞれの展示で、ブリちゃんの声による解説はあるし(3パターンもあるので、どれを選ぶか悩む…)、3か所ほど、ARブリちゃんが飛び出てきて、ビビるし。
実際にブリちゃんが着ている衣装がバービー人形風に展示されていたりしするし。
そして、会場を出たところでは、たくさんのブリちゃんグッズを売っています。
絵本は、「特装版」と「通常版」があります。
通常版は、全国の書店さんや、ネット書店でも買えますが、「特装版」は、今のところ個展会場でのみ購入可能。
絵本ができるまでのコーナーもあって、ブリちゃんが、自ら描きこんだ「推敲の鉛筆書き」も、特別に展示!
見どころいっぱい。物語展は、9月18日まで。ブリちゃんを「体感」しないともったいないのです。
―ー袖山満一子(幻冬舎編集局)
ブリアナ・ギガンテのほんとうにあったかわからない物語
ブリちゃんは、ちょっとぽっちゃりした体と、人見知りでひっこみ思案な性格を理由に、まわりからいじめられることがありましたーー。
SNS総フォロワー数94万人! 謎だらけの人気YouTuberの、ちょっぴり悲しくて、ちょっぴり妙な物語が、あなたを笑顔にする一冊の絵本に。