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  4. 第209回 記憶ちがい

もう近年、いろんな事をすぐに忘れてしまい、「思い出ゼロで生きています」なんて話をよくするのですが、それと同時に「昔の事はよく覚えているんだよね」「その記憶で今新しいのが入ってこないのかもしれない」ともよく言ってきた私。それが“よく覚えている”はずである“昔の事”すら、うっかり間違っている可能性が出てまいりました。

先日、山田ジャパン10月公演「とのまわり」パンフレット用の撮影がありまして。そのスタジオが元々私の地元の近くなのはもちろんわかっていたのですが、スタジオ近くのマクドナルド見て、ある思い出が鮮明に蘇ってきたのです。それはあさこちゃんが小さい時、“朝マック”たるものがこの世に誕生しまして。父親に手を引かれて妹と3人、歩いて買いに来たのがこのマックだったのです。その時の情景は事細かに、そして鮮明に覚えている。今と違って、まあ喫茶店が朝からやっている、なんてのはありましたが、朝お店が開いているなんて、すごい時代で。近所にセブンイレブンが出来て、「え? セブン? 7時からやっているの!?」とその後、24時間空いている時代が来るなんて思いもせず、7時から営業している事に驚いていたくらい。それがあのマックも朝からやるとの事。しかも朝限定のメニューで。小さいあさこちゃんが一番興奮したのが“ホットケーキ”。当時ホットケーキなんて大御馳走で。分厚く焼かれたホットケーキの上にちょこっと乗った四角いバターを全体にのばしていただく、特別なものだった。それがこのマックのホットケーキは薄いのが3枚。とても手軽&気軽だし、とにかくそんなの見た事ないからワクワクしかしない。

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