清水晴木さんの最新刊『17歳のビオトープ』は、謎多き校務員と悩みを抱える4人の高校生が織りなす青春小説です。
舞台は千葉県の高校。恋愛、ガチャ、SNS。現代ならではの悩みを抱える高校生たちを、校務員・平人生(通称:人生先生)が導いていきます。人生先生と話すうちに、自分なりの答えを見出していく生徒たち。「人生先生は彼らにどんな言葉をかけるのか」が読みどころです。
第一話「恋と愛のちがい」の一部を、登場人物の言葉とともにご紹介していきます。
* * *
第一話 恋と愛のちがい
【登場人物】
・藤崎葵(恋多き女子高生)
・平人生(奏杜高校の校務員)
【あらすじ】
優しい同級生と大人っぽい年上男性。二人から好意を寄せられ悩む葵に、人生先生はあることを問いかける。
人生先生
「恋と愛の違いはなんだと思いますか?」
葵
「恋と、愛の違い……? えっと、よく分からないかも。普段からそんなこと考えてないし、そもそも違いなんてあるのかな?」
* * *
葵
「私なりの答えが出た気がして……恋は変わることで、愛は変わらないことなんだと思います」
「……恋した時って変わるんです。好きな人がいるってだけで気分も変わるし、それに相手を振り向かせたいから、可愛くなろうとしたり、大人びて見せようとしたり、自分自身が変わるんです。だけど、愛は変わらないことだと思いました。永遠の愛って言うことはあっても、永遠の恋って言うことはないですもんね。」
人生先生
「藤崎さん……素晴らしいです。」
「どんな答えだったとしても、藤崎さん自身が考えて出したものならそれが正解です。正解は人それぞれの分だけあるはずですから、藤崎さんが自分で考えて答えを出したことが重要なんです。正しいことよりも、よっぽど素晴らしいことですよ」
葵
「人生先生の答えも知りたい。私も出したんだから教えてよ」
* * *
人生先生の答えとは……。ぜひ書籍でお楽しみください。
17歳のビオトープの記事をもっと読む
17歳のビオトープ
ドラマ化でも話題となった『さよならの向う側』の著者、最新作。本特集では『17歳のビオトープ』にまつわる情報をお届けします。
【あらすじ】
いつも飄々と、謎めいた雰囲気を醸し出している、奏杜高校の校務員・平人生。「人生先生」と呼ばれる彼のもとには、日々、悩みを抱えた高校生が訪れる。人生先生と話すうちに、自分なりの答えを見い出していく生徒たち。彼らは次第に、人生先生が始めた中庭のビオトープ作りに参加するようになり……。
第1話 恋と愛のちがい
第2話 運とかガチャとか
第3話 不幸せになる方法
第4話 生きる意味って