人気占い師、真木あかりさんの新刊『2024年上半期 12星座別あなたの運勢』より、総合運をご紹介します。
恋愛運と仕事運、月ごとの運勢は電子書籍版でご覧ください。
総合運
15年間の旅の、終わりが見えてくる。
2024年はやぎ座の人々にとって、大きな「節目」の年です。2008年頃からやぎ座に滞在していた「破壊と再生の星」と呼ばれる冥王星が、お隣のみずがめ座に移動する年だからです。「自分は破壊のなかを生きていたの!?」と驚かせてしまっていたら恐縮なのですが、冥王星はたしかに既存の価値観を根底から覆します。ただ何もかもダメにするのではなく、溜まりに溜まった淀みが頂点に達したとき、それを焼き払ってしまうのです。「修正」「調整」などという生ぬるいものではないので、インパクトも相当なものです。
重要なのは、この「破壊」には必ず「再生」がセットであるという点です。2024年になるとすでに、この「再生」のプロセスに至っているはずですから、1月下旬には気持ちは切り替わっているのではないかと思います。もし「破壊」しきれていないものがあった場合、9月から11月にかけて印象的な出来事が起こる可能性がありますが、なんといってもやぎ座は15年という膨大な時間を、冥王星とともに過ごしてこられました。もう「なんとかできる」段階まで、十分に来ておられるはずです。自分ならきっと乗り越えられる、と思っていただいて大丈夫なのかなと思います。
冥王星が自分の星座に巡ってくると、「自分自身」が激しく揺さぶられます。自分は生まれたときからずっと自分であり続けるわけですが、それにどうも違和感が出てきます。「こんな自分は嫌だ」と自己を強く否定して別のキャラクターを演じたり、自分らしい生き方や表現を探して迷走したりすることがよくあります。「自分のことは自分が一番よく知っているようで、実はそうとも言えない」というのはよく言われることですが、この時期はその「知っていたつもり」が根底からひっくり返されるのです。そうなると、仕事でも恋愛でも、人生のさまざまな選択においても、終わらないトライアンドエラーを繰り返すことになります。「今度こそ幸せになるぞ」と意気込んだものの、やむを得ない“事件”によって、生活の場や仕事をまるきり変えてみたことも、一度や二度ではなかったのではないでしょうか。「これからもこんな日々が続くんだろうな」「これからもずっと、この人と一緒にいるのだろうな」と確信したことが、ブツッと途切れる。自分でもコントロールできない思いに突き動かされ、そうせざるを得なくなる。もちろん15年という長い時間です。どんな人でも多かれ少なかれ人生のステージが変わっておかしくありません。それでもやぎ座の人の「今度こそ、この場所で」「今度こそ、この人と」と思って現状を変える覚悟は、並大抵のものではなかったことでしょう。
15年間をともに過ごした冥王星は2024年1月下旬、やぎ座を離れます。9月にふたたびやぎ座に戻ってくるため、本当の「終わり」は11月下旬です。ただ、1月も終わりに近づく頃、ふと「自分らしさとは」「何をして生きていくべきか」といった強い焦りにも似た問いが、さっぱり抜けていることに気づくのかもしれません。行動を起こす際に、いちいち迷わなくなる人も多そうです。それは、新しく「確固たる自己像」を手に入れたからです。
冥王星は、大きな欲を表す星でもあります。この15年間、どんなに迷っても目の前のことを諦めずに選択し続けたのは、「自分は、もっと自分らしく生きられるはずだ。生きていいんだ」という、祈りにも似た欲だったのではないでしょうか。自分を諦めない。人生を良くしていくための試行錯誤を惜しまない。そうせざるを得ない、抗いがたい欲が、ときに「破壊」という状況を呼びました。そのときは「もうだめだ。この先、良くなる気がしない」などと思われたでしょうか。でも、あなたはもう気づいておられるでしょう。災厄としか思えなかったこと、絶望に失敗、手放したもの──それらすべてに意味があり、「今の自分」になるための伏線であったと。冥王星がもたらす影響は、それが巡ってきている時期にはあまり感じることはないと言われます。ずっとずっと後、思い出の輪郭がやわらかに溶けて、優しく色褪せていく頃になって「あれでよかったし、あれしかできなかった」と思うに至るのです。2024年は、過ぎた日々を思いながら過去を肯定する、そんな優しい時間が訪れるだろうと思います。
5月末まで、「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星は、あなたの自己表現や創造性を頼もしく後押ししています。新しい自己像を手に入れる2024年は、今まで以上に楽しみながら、自然に自分を打ち出していくことができるのではないかと思います。新たにやりたいことが見えてくる人も多いでしょう。ときとして、人から思ってもみないタイミングで否定されるようなこともあるかもしれません。でもそれは災厄ではないはずです。「こう言ったらウケるはず」「こういうのが求められているはず」といった、自分らしい表現を妨げる発想や計算を、気持ちよく取り払ってくれるのだろうと思います。ある意味、チャンスなのです。「否定!? よし来い!」くらいの気持ちで、受け止めてみていいだろうと思います。
「お金」「豊かさ」にスポットライトが当たる20年。
冥王星の話ばかりで恐縮なのですが、冥王星は2024年にその居場所を移すことで、次はやぎ座の「お金」を抜本的に変えていきます。お金そのものや貯金、またお金を稼ぐことについて、抗いがたい欲をもたらすのです。もっと稼ぎたい、豊かになりたいという欲が出る人はとても多いでしょうし、損をしたくないという気持ちが強まってきます。今までの自分だったら決して選ばなかったようなお金の使い方をする人も多いはず。たとえばお金で人の歓心を買おうと思ったり、自分に多額の投資をしたりといったことが挙げられます。ときに、友人たちに告白すれば十中八九「バカだね~」と言われるような使い方をする人もいるかもしれません。自分でも失敗すると薄々わかっていて、でも突っ込んでいくような危うさもあります。でも、これはあらかじめ申し上げておきますが、必ず「再生」するんです。正しい選択も愚かな失敗も、あなたがみずからの金運の淀みを取り、自分やまわりの人が幸せになるお金の使い方を獲得するためには、必要なのだろうと思います。ちなみに「お金で失敗した」と思ったとき、すぐにその意味を探そうとしたり、学びに変えようとしたりしなくても大丈夫です。それはむしろ、浅い理解にとどまる行為です。どんな意味があったのか。何を学ぶことができたのか。それがわかるのは、長い長い旅の終わり頃。冥王星が次に移動するのは2044年です。これまた気の長いお話ですから、焦らずやっていきましょう。
「やりたいこと」から「やるべきこと」へ。
5月末までは「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星が自己表現を後押ししてくれる、という点についてはすでに書きました。クリエイティブなお仕事をしている人、また好きなことを仕事にしたい人にとってはまたとない発展のチャンスですから、「やりたいことは全部やる」くらいの気持ちで臨んでみるとブレイクスルーにつながるだろうと思います。恋愛やレジャーなど、プライベート全般に前向きな動きが多くなってくる時期でもあります。
木星が移動する5月末からは、一気に忙しくなってきます。それまで「やりたいこと」中心でものを考えてきた人も、ここから2025年6月上旬までは「やるべきこと」に目を向けることで運気が上がります。
仕事が忙しくなる点は仕事運のところで書こうと思うのですが、プライベートも家事や煩雑な手続きなど、とにかくやるべきことが山盛りです。上手に手を抜くことができれば素敵なのですが、この時期のあなたはそうした発想とは無縁。やるならとことん、パーフェクトを狙っていきます。むしろ「こうすればもっと良くなるはず」と頼まれたこと以上に工夫をこらし、自分から忙しい方向に持っていく気配すらあります。
忙しくなるもうひとつの理由は、「相手のために力を尽くしたい」という、優しい思いも高まるから。たとえば、パートナーが大変なときは自分のことを後回しにしてまで尽くしてあげたいと考えます。もちろん、今までもそうした配慮はなさってきたと思います。でも、より相手のニーズに気づき、自分にできることを見つけられるのがこの時期なのです。
そうした、あなたの誠実さや優しさはまわりの人の心を打ちます。そして、ちょっと先の話になりますが、2025年6月中旬以降に人間関係がとてもいい星回りに入るのです。それは突然良くなるのではなく、2024年5月末から2025年6月上旬までにあなたが力を尽くして信頼という貯金をしていたことが根底にあるのです。全部、つながっているんですね。たとえ2024年の段階では徒労でしかないように思えていても、ちゃんと報われる日がやってきます。
素晴らしい未来につながっていくことは確かなのですが、何はともあれ体に負担をかけすぎないようにしたいものです。というのも、この時期は「健康」も大事なテーマのひとつだから。日々のルーティンを健康的なものにするのは必須です。よく寝てよく食べて、元気でやっていけるように、自分を整えていきたいですね。元気があってこそ、大切な人を大切にできます。そして申し遅れましたが、「人のために尽くす」時期でもあるのですが「相手に力を貸してもらえる」時期でもあります。あなたが一方的に力や時間を差し出すばかりでなく、相手もまたあなたをサポートしてくれる暗示が出ています。ときには甘えさせてもらったり、ヘルプサインを出したりして、助けてもらいませんか。それもきっと、健康につながります。
* * *
電子書籍『2024年上半期 12星座別あなたの運勢』では、ここまでにご紹介した総合運に加えて「仕事運」「恋愛運」も掲載、月ごとの具体的なアドバイスもお読みいただけます。