人気占い師、真木あかりさんの新刊『2024年上半期 12星座別あなたの運勢』より、総合運をご紹介します。
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総合運
自分が本当に求めていた「自分」を、選び直す旅が始まる。
2024年、みずがめ座の人々にとって最も大きなトピックスといえば、間違いなく冥王星の移動であろうと思います。冥王星は2023年の春から初夏にかけてもみずがめ座に巡ってきましたが、「逆行」という動きによってひとつ前の星座、やぎ座に戻りました。それがふたたび、みずがめ座に入るのが1月下旬から9月頭。そこからもう一度やぎ座に戻り、最終的に11月下旬、みずがめ座に入ります。そして2044年まで、みずがめ座に滞在し続けます。
なんとも気の長い話ですが、冥王星という星は星占いで使われる星のなかで最も遠い星。ひとつの星座に12年から38年程度滞在します。そして、星座ごとにさまざまなテーマにおいて、徹底的な「変容」を迫ります。「破壊と再生の星」と呼ばれることもあり「破壊!? なにそれ怖い」と恐れられたりもするのですが、むしろ注目すべきは「再生」の部分。冥王星が破壊するのは欲望や歪ゆがみが溜まりに溜まり、人が成長するうえで不都合になった価値観や思考回路です。そしてただ壊すだけでなく、「再生」するのです。
2024年、冥王星がみずがめ座に入り、20年続く長い道のりが始まります。影響を与えるテーマはアイデンティティ、自分自身、セルフイメージといった「自分」にかかわること。それらが大きく塗り替えられる、変容する人は少なくないでしょう。20年もあれば多少は変わるだろうよという感じもいたしますが、ここでの変容は「成長」や「新しい自分の発見」などといった生易しいものではありません。「生まれ変わる」という言葉が似合う、徹底的な変容です。
自分を変えたいという、抗いがたい欲求が生まれる人はとても多いでしょう。ときに過去の自分や、自分が選んできたものを否定したり、耐えがたく思ったりすることもあるのかもしれません。ただ、決して過去のあなたがダメだったとか、価値がなかったということではないはずです。ここを間違えるとしんどいので、強く言わせてください。あなたは、過去のどんな日々も、よく頑張っていらっしゃいました。最大限の力を尽くして、生きていらっしゃいました。その上で今があり、あらためて「自分が本当に求めていた自分」を選び直すプロセスに入るのです。自分が本当に求めていたものは、自分にしかわかりません。それに気づくことができるのも、過去のあなたがあってこそなのですよね。
ここから、自分に欲が出てきます。もっとできていいはずだと、能力に欲が出るのかもしれません。「もっとこうあるべきだ」と、高い理想を欲するのかもしれません。自分自身に違和感が出てきて「まだ見ぬ自分」に手を伸ばし、もがくこともあるでしょう。背水の陣を敷くようにして、人とのつながりをブツッと切ったり、慣れ親しんだ場所を突然出たりして、より明るい明日を探したくなったりもしそうです。リセット癖、とでもいうのでしょうか。場当たり的な行動だと非難する人もいるかもしれませんが、こうした欲はすべて「生きる」ということにつながっているのだろうと思います。欲は、生きたいという意思なのです。
といっても、冥王星は遠く、肉眼では見えない星です。星占いの世界では、肉眼でよく見える星ほど日々の運勢に大きな影響をもたらすと定義されています。月や太陽などはまさにそう。月は毎日の運勢に、太陽は毎月の運勢に影響を与えます。
ですから、冥王星が日常的に「これが冥王星の影響!?」と思わせるような、ビビッドな現象をもたらすことはほぼありません。冒頭で述べたような逆行がスタートしたり、もとに戻ったりするタイミング(それぞれ年に1度)、そして2024年のように、星座から星座へと移動するタイミングでは印象的なことも起こりやすいのですが、多くの場合は感じることもなく、コントロールも予測も不可能です。ほとんどのことは終わってから「ああ、そういうことだったのか」と気づくに至るのでしょう。「これでよかったのだ」と、肯定もできるはずです。──20年後、「再生」も「変容」も、すっかり完了した段階で。
影響が出やすい2024年、もしも「自分を変えたい」と思ったり、心境の変化を感じたりすることがあったなら、それは気の迷いでもなんでもなく、自分がちゃんと運の流れに乗れている証拠なのだと自信を持ってみませんか。そして、ずっとずっと先のなんでもない日に笑っている自分を、この人生でよかったと思っている自分を、確信していただきたいのです。
さて2024年上半期において、5月末までは「居場所」について考えるときです。肉体の居場所、心の居場所。家ばかりではないと思います。職場だったり、誰にも教えていないサードプレイス的な場所であったり、人によりさまざまでしょう。自分について考えるとき、どこに根ざしているかはどうしたってセットでついてくるもの、もし自分を変えようと思うとき、5月末までは「居場所を変える」「今いる場所を整える」「今の自分が身を置きたい場所を模索しまくる」というのは、非常に大きな意味を持つはずです。なかには突然、今の場所を去るハメに陥ることで「自立」を促され、混乱のうちに「ひとまずここで!」と決めるような「居場所」もあるのかもしれません。その場合は若干、心穏やかな毎日とはいかないかもしれません。ただ、あなたが自由に、自分らしい人生を生きようとするとき、障壁となるものが綺麗に取り払われるというメリットもあるはずです。混乱がおさまった頃、それが見えてくるのでどうぞ楽しみにしていらしてください。
「ウチ」が大きく変わるとき。
これは2023年5月中旬から継続している流れですが、5月末までは自分の居場所が確かなものとなる時期が続きます。これは「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星がみずがめ座の人々にとって「家」「居場所」を意味するエリアに巡ってくることに由来するのですが、すでにお引越しやリノベーション、不動産購入などが視野に入ってきている方も多いでしょうか。昨今では多拠点生活にも注目が集まっていますし、恋人ができることで2拠点生活風の生活をする人も多そうです。
家のように心の拠り所となる「存在」として、家族との関係がより密接になる人も。たとえば家族が増えたり、家族のひとりが重要な人生の転機を迎えたりして協力体制に入るとき、主導権を握るのがあなたなのかもしれません。進学によってひとり暮らしをする、仕事で単身赴任をするといった場合も、形式的には「分離」ですが、家族の心の結びつきはこれまで以上に強まっていくのでしょう。
ホッとする場所、くつろげる場所を増やしていきたいところですが、一点注意したいのは「お金まわりは堅実に」という点です。あなたのお財布事情を軽く見積もるつもりはないのですが、2026年の春先までは身の丈に合ったお金の使い方をしてこそ、何事もハズさずにいられるとき。無理なく、無茶せず、やっていきましょう。
さて、「居場所」というのは、何も家ばかりではありません。よく、学校や会社のことを「ウチの学校ではね」「ウチの会社では……」などと言い表すことがありますが、自分が軸足を置いている場所の重要性が、自分のなかで上位に上がってくる人はとても多いだろうと思います。「ウチ」と呼べる範囲が広がったり、より深くコミットしたりすることは十分に考えられます。起業を考えている人であれば、オフィスを借りたりもするのでしょうか。仲間と協調し、お互いをよく知り、「たとえ外で何かあったとしても、ここに帰ってくれば絶対に大丈夫なのだ」と思える場所を作っていく。「みんなが頑張っているから、私も負けていられないな」と自然に思える環境ができる。そうした、自分が立つ土台を確かなものにする人は、とても多いのだろうと思います。素敵な時期です。楽しんでやっていきましょう。
愛と創造の季節が、幕を開ける。
5月末、「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星が移動し、みずがめ座の人にとって「愛と創造の1年」がスタートします。愛については恋愛運のところで詳しくご説明しますが、いわゆる「恋愛運がいい時期」と思っていただいて大丈夫です。ただ、何もしなくてもMMC(モテてモテて困っちゃう)な状態というよりも、「自分から行動を起こすことでチャンスが拡大し、幸運を手にする」というのが木星のもたらすエネルギー。現状がどうであっても、幸せになるんだという意志を持って、必要な行動を起こしていけると素敵です。
「創造」というのは、持ち前のセンスや能力を活かして、自分らしいものをこの世に生み出すという流れです。楽器演奏やアート、ハンドメイドなどの趣味を持っている人は思い切り楽しめる時期ですし、小説や漫画といった創作活動にも素晴らしい追い風が吹くでしょう。また、クリエイティブなお仕事をしている人は、これまで以上の活躍が見込めます。「やってみたいことは全部やる」くらいの勢いで、欲張りに未来を切り開いてみるといいでしょう。
オンでもオフでも、愛も創造も、充実のポイントは「自分が心からときめくことだけを選ぶこと」。流行っているからとか、売れそうだからといったことはまず、頭から取っ払っていただいて大丈夫です。なんなら紐でしばって縁の下にでも投げ込んでおいてOKです。それを形にすると思うと、胸が高鳴ること。ワクワクドキドキだけで生きていけるほど人生はイージーではないはずですが、「やらずにはいられないこと」があなたの人生を発展につなげていくエネルギーが、この時期は特別に高まるのだろうと思います。こうした時期は、2025年6月上旬まで続いていきます。
ただ、何をする場合でも金銭面がガバガバだと、せっかくの幸運も小さくまとまってしまうことになるでしょう。「なんとかなる」という楽観に頼らず、お金をかけるべきところと節約すべきところ、上手に切り分けてメリハリをつけていけたらパーフェクトです。
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