人気占い師、真木あかりさんの新刊『2024年上半期 12星座別あなたの運勢』より、総合運をご紹介します。
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総合運
「ほんとうにつながれる人」と一緒に。
人間関係において、大きな節目に来ています。「そんなことゆうたら仕事も恋も家族のことも、この世のすべてやないかい」と突っ込まれたらまったくもってその通りなわけですが、ここでいう人間関係とは友人、知人といった「選べるつながり」を想像していただけたらと思います。つながって生きることも、つながらずに生きると決めることも、どちらも選べる──だからこそ、悩ましい。
この15年、うお座の人々はさまざまな意思決定を「この人と一緒に動いたらどうなるだろう」という想像を土台としてなさってきました。「何をするか」ということと同じくらい「誰とするか」を、無意識のうちに重く見ていらしたわけです。この人と動いたら、閉塞感を打ち破れるだろうか。この人となら、いい未来を切り開けるのではないか。この人と一緒に頑張れば、自分を変えるきっかけになるのではないか。折にふれさまざまな人の顔を思い浮かべながら、肩を並べて笑顔になれる自分を想像してきたのだろうと思います。
人とのつながりは決して、美しいものばかりではありません。人が集まれば派閥ができ対立が始まりますし、笑顔の下に嫉妬や憎悪が渦巻くことも珍しくありません。そうした関係に絶望し、忌み嫌いながら「でもきっと、いい関係を築いていける“真の友人”がこの世のどこかにいるはずだ」と諦めなかったのがこの15年間のうお座の人々だったのです。
こうした動きをもたらしたのは「破壊と再生の星」と呼ばれる冥王星。「破壊」というとなんとも恐ろしげな響きがありますが、変化への抗いがたい欲求を呼び起こし、自分が本当に手にしたかったものを選び直す「変容の星」です。競馬で当たり馬券ばかりを買い続けることができないように、私たちの人生はどんなに一生懸命考えても、理屈でいえば正しくても、一発で正解を引き当てられるものではありません。手にしたものひとつひとつは正しくとも、それらが複雑に絡み合うとショートしてしまうこともあります。冥王星はそんなふうに、うまくいかなくなった「選べるつながり」を、根っこの部分から変えるプロジェクトをうお座の人にもたらしていたのです。
とはいえ15年は、長い日々です。46億年という地球の歴史で考えれば一瞬ですが、セミならセミ生2回分です。始まる関係もあれば終わる関係もあり、さまざまな“事件”もあったことでしょうが、冥王星がもたらすのは破壊だけでなく、「再生」が必ずセットになっています。終わらせた関係を上回るほどの「選び直した関係」が、「選択するスキル」が、今のあなたにはあるのだろうと思います。
冥王星の移動は2024年11月下旬ですが、1月下旬から9月頭にも少なからぬ影響があるはずです。こうした過渡期に重なるようにして、「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星や「自由と改革の星」と呼ばれる天王星も、人間関係を猛プッシュしてきます。人とのかかわりはどんどん拡大しますが、一方でブツッと突然切れる関係もあるでしょう。あなたらしい生き方やマインドを阻むような人との関係は、この時期に思ってもみなかったタイミングで終わりになります。人は変化を嫌う生き物ですから、ショックや不安はあるでしょう。ただ、「これで新しい人とつながっていける」「今までできなかったことができる」などと可能性を見み出いだしてみると、進むべき道は閉ざされたのではなく、より確かなものになっていることに気づけるはずです。
もとより2023年春頃から「群れたくない」「人に頼りたくない」という気持ちが強まってきた人もいるだろうと思います。これは「制限と試練の星」と呼ばれる土星が、あなたのところに巡っているため。自分を強く戒め、「しっかりしなければ」「他人に甘えず、自分ひとりで頑張らなければ」という思いが強まるのです。こうした動きは2026年まで続きます。
自分が本当に手にしたかった人とのかかわり方を選び直したところで、拡大したり切れたりする人間関係。自分に厳しく頑張らなければという思いがある今、あなたは誰かに甘えたり依存したりすることなく、自分らしい自分で人と接していくことができるのだろうと思います。媚びもせず、群れもせず、個として互いを尊重し合える関係へと。それって、素敵なことではありませんか。ずっと以前、「やりづらいと感じていたこと」の多くはすでに、解消されているはずです。
純粋な向学心に、突き動かされるとき。
2023年5月中旬から、なんらかの「学び」の時間を持っている、あるいは学ぶ必要に迫られているという方は非常に多いだろうと思います。好奇心が鋭敏になり、頭の回転が早くなる一方で、本気の努力ができる粘り強さもそなわっているのが今。資格取得やスキルアップ、語学上達など、ダイレクトに役立つ学びを得たいと考えているなら、5月末まではブーストがかかりやすい時期と言えるでしょう。もし「自分は知識がないから、できない」「他の人よりも、機会が少ない」という思いを人生のどこかで経験していらっしゃったなら、今はそこから立ち上がれるときです。人生の前のほうで身につければキャリアや視野を拡大しやすいのが知識ですが、さまざまな経験を積んでから身につければ、日常に確かに息づくものとして、豊かに活かしていけるメリットがあります。いつから学んだって、遅すぎることはまったくないのですよね。
1月末から5月末までは、興味・関心を持てる分野が一変する人もいそうです。「せっかくここまで勉強してきたのに」と、これまでの興味分野にしがみつかなくても大丈夫。あなたの未来がより自由なものであるために、必要な“気づき”だったのだろうと思います。勇気を出して転換をはかってみるといいでしょう。
自分の「土台」を盤石なものにする1年間がスタート。
5月末、「幸運と拡大の星」と呼ばれる木星が移動し、うお座の人にとって自分の「土台」と呼べる部分にスポットライトが当たり始めます。普段からよく馴染んでいる場所について、私たちはよく「ウチ」なんて呼び方をします。「ウチの会社では……」「ウチの地方では……」などといった言い方をしたこと、あなたもご経験があるのではないでしょうか。もちろん、自分のウチ、家や家族についても同様です。
5月末から2025年6月上旬までは、この「ウチ」が拡大します。家族や住まいに関して、あなたが担うべきことが増えるという人はとても多いでしょう。家族が増える、引っ越しをする、不動産を手に入れる、家電を買う。DIYに挑戦したり、家族としっかり向き合う時間が増えたりと、さまざまなかたちで家や家族にコミットすることになります。ライフステージの変化もあるでしょう。これまでは仕事や人付き合いに没頭していた人が、子どもができたことをきっかけに家での時間を増やす。子どもが受験生となり、塾の時間に合わせて送り迎えをしたり、お弁当を作ったりするなどサポート量が増える。単身者であれば、リモートワーク中心の仕事に転職したことで自炊やインテリアにハマる……なんてことも考えられそうです。
とはいえ、家族というものは常に同じ場にいること、仲良くあることばかりが大事ではないのだろうと思います。離れたほうがお互いすこやかに暮らせる家族もあれば、自立が必要なタイミングもあるでしょう。子どもが成人してもなお過干渉をやめられず、子どもの行動を制限する親もいます。こうした場合は「一人暮らしを始める」「別居する」などといった選択により、あなたは自分の「土台」を新たに作り上げていくことになるのでしょう。壊すのではなく、自立です。仮にそれが反対されるのであれば、「仕方ない」と屈服するのではなく、あらゆる手を尽くしてみずからにぴったりの居場所を手に入れるターニングポイントにできるのでしょう。そうしたなか、家族とは何か、どうあるべきなのかといったことを深く考えることになるはずです。
生活の「土台」を確かなものにすることも大事です。体調に合わせて自炊をする、掃除や整理整頓をして暮らしやすい家にする。こうした土台を整えることで、心身が整います。心身が整えば人間関係も安定しやすくなり、仕事にもいい影響が及ぶでしょう。逆にいえば、土台をおろそかにすると発展もいささか不安定なものになるので、できることからコツコツやっていけるといいのかなと思います。
「本心」と向き合う20年が始まる。
「破壊と再生の星」と呼ばれる冥王星が移動することで、人間関係のスクラップ・アンド・ビルドが終わっていくことは、すでに触れました。1月下旬から9月頭は、冥王星はあなたの「本心」を変容させていきます。ここに至るまで、自分でもまったく意識していなかった「欲」に気づいたり、暗い穴の底をじっと眺めるようにして自分のなかのもっとも暗い部分に目をこらしたりすることが多くなるでしょう。ときに自分のなかのダークな部分に気づかされたり、コンプレックスと対時したりすることもあるのかもしれません。これまでの価値観が「まるで的外れなものだった」と気づいたりもするのでしょう。ただ、どんなときも「破壊」と「再生」はセットであり、より良い自分になるための「破壊」であることは、忘れずにいてください。終わりにしないと、始まりは起きません。終わりは、希望なのです。だから変に自分を責めたり、自己否定をしたりしないで、終わりゆくままにして良いのだと思います。
ただ、冥王星は遠い星であり、その影響を日々の生活のなかで感じることはほぼないでしょう。多くは終わり際になって、あるいは終わってから「そうか、そういうことだったのか」と気づくのです。冥王星が次に移動するのは2044年、20年後のお話です。きっとこの占いをご覧になったことも忘れているでしょうが、あなたの心は矛盾なく自己を受け入れ、本当の意味で自由になっているのだろうと思います。気の長い話です。冥王星が動くタイミング──たとえば2024年は、その影響が出やすくなるので、心しておくといいでしょう。
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