新年のなんだか空明るい雰囲気が一瞬で消えた。
みんな不安な日々を過ごしているだろう。わたしの親戚も北陸地方に多く住んでいるのだけれど、震源地には近い場所ではなかったのですぐに無事を確認できた。壁にひびが入っただけですんだそうだ。
日々日々、世界中で酷いことが起こり続けている。わたしたちの心はもうすでに疲弊しきった。立ったり座ったり、食べたり飲んだり、眠ったり眠らなかったり、何をしていても何もしていなくてもずっと疲れている。それでも、立ったり座ったり食べたり飲んだり眠ったり眠らなかったり出来るだけでも、充分幸せな部類の人類に入るのだ。その事実にまた疲弊する。能登半島の原発が稼働してなくて良かったねなんて、すごく低いところでの幸いに喜んだりもする。
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愛の病
恋愛小説の名手は、「日常」からどんな「物語」を見出すのか。まるで、一遍の小説を読んでいるかのような読後感を味わえる名エッセイです。