
暮らし術
第二次大戦中、8年もの長きにわたって、中国奥地まで潜入した日本人がいた。西川一三。これほどスケールの大きなことを成し遂げた人物でありながら、よほどの読書家か探検家でもなければその名を耳にしたことはないだろう。西川には壮大な旅の一部始終を記した『秘境西域八年の潜行』という全3冊、2千ページに達しようかという著作がある。分厚さに圧倒されて手に取りづらいが、稀有な旅人の存在に魅せられた沢木耕太郎によって、その旅が再現されたのが今回の1冊だ。その内容は、盛岡の地で毎月1度、2年にわたり、西川と酒を飲みながら向き合い聞いた旅の話だけではない。本書を執筆するのに、要した長い歳月のこと。取材を通して沢木が手にした西川の生原稿は3,200枚。当時、書籍にするためかなり大幅に省かれたことがわかり、それによって不明確になっていた旅の流れや事実関係を精査したのだという。
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