交差点から数えて三つ目だか四つ目だかの細長いマンションに暮したのは確か一年に満たない期間で、その間に三度も非常階段を駆け下りた記憶があるのは、一つにはそのマンションにはエレベータが一台しかなく、階段は比較的目に入りやすい廊下の手前にあったから。もう一つにはその時の生活が荒れていたからだ。交差点の名称は苦難を切り抜けられる弁天社にちなんでいたが、切り抜けなくて良いようなくだらない苦難をどう避けて生きればいいのか教えてくれえる人はいなかった。
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夜のオネエサン@文化系
夜のオネエサンが帰ってきた! 今度のオネエサンは文化系。映画やドラマ、本など、旬のエンタメを糸口に、半径1メートル圏内の恋愛・仕事話から人生の深淵まで、めくるめく文体で語り尽くします。
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