ある日、目が覚めると、身体に異変があった。やる気がみじんも湧いてこないのだ。一ミリも頑張れない。これはおかしいぞ、と思った。
嘘のような本当の話だが、デビューして三年間、私は布団に入って寝る前に毎晩「明日はもっと小説がうまくなりますように」とお祈りしていた。朝は「ようし、今日も小説を書くぞ!」と飛び起きる。少年漫画の主人公みたい(しかも修行中のエピソードのよう)だが、実際にそんな感じだった。それなのに今は力が湧かない。
この話をすると、多くの人が「頑張りすぎたのでは」「働きすぎでは」「燃え尽き症候群では」と反応する。だが自分としてはどうも違う気がしてならない。仕事をしたくないだけで、依頼もなく書いている趣味の小説は捗っているからだ。私はやはり小説が好きだし、小説に限らず物語や表現物、創作物に触れるのが好きだ。
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帆立の詫び状
原稿をお待たせしている編集者各位に謝りながら、楽しい「原稿外」ライフをお届けしていこう!というのが本連載「帆立の詫び状」です。