「内ももは一生締める!」がパーソナルトレーナーで姿勢アナリストであるKAORUさんの口ぐせ。新刊のサブタイトルにもなっている「内ももを締めると勝手にやせる」って、どういうこと!?
KAORUさんの新刊『クッションピラティス 内ももを締めれば勝手にやせる!』の内容から、正しい内ももの締め方をわかりやすくご紹介します。
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「おサボリ筋」と「でしゃばり筋」
私たちは身体のすべての筋肉を平等に使えているということはほとんどなく、気づかないうちに負荷がかかりすぎてしまう筋肉「でしゃばり筋」と、あまり使われない筋肉「おサボリ筋」とに分かれてしまいます。
関節には2つ以上の筋肉がつき、それぞれの役割を果たしています。だから、曲げることができる関節は伸ばすこともできます。外側にひねることができる関節は、内側にひねることもできます。
でも実際は、片方の筋肉ががんばりすぎていて、もう片方の筋肉がサボってしまいがち。その結果、ゆがみが生まれ、コリや痛みなどが生じるハメに……。これが、おサボリ筋とでしゃばり筋の関係です。
また同じ姿勢をとり続けることでも、おサボリ筋は増えていきます。筋肉は使われないことで動かなくなり、衰え、萎縮していく性質があるので要注意です。活発でない筋肉の周りには脂肪がつきやすくなるため、贅肉が目立つようにもなります。
なぜ「今日から一生、内ももを締めなさい」なのか
両脚の太ももを閉じて椅子に座ってみてください。「ひざをくっつける」のではないですよ。「太もも全体を閉じる」ように意識してください。あなたは何秒間、閉じ続けていられるでしょうか。
「疲れたぁ」と太ももをすぐ開きたくなる人は、内ももの筋肉「内転筋」が衰え始めています。つまり、おサボリ筋になっている可能性が大。
私が「今日から一生、内ももを締めなさい」と言うのはなぜか。それは、美しいボディラインのために内転筋は超がつくほど重要だからです。
内転筋を鍛えれば、お腹のインナーマッスルと密接につながっているため、身体のコアが鍛えられ、ウエストがおのずと引き締まってきます。
また尿もれや内臓下垂などを引き起こすおサボリ筋・骨盤底筋を意識しやすくなります。
要は内ももを締めるだけで、キレイを手に入れ、老化だと諦められているQOLの低下も遠ざけられるのです。
正しい「内ももの締め方」とは、内ももと同時にお尻の穴(会陰部)を締め、お腹をひっこめること。ひざは離れていてもかまわないです。
「太ももで1枚の紙をはさむ」とイメージすると、わかりやすいかもしれません。
ひざだけをくっつけようとするのはNGです。股関節がつまって血行やリンパのめぐりまで悪くなり、下半身やせから遠ざかります。
キレイは背中から作られる
内ももが下半身のポイントだとすると、上半身のポイントは「背中」です。
私たちはデスクワークやスマホ操作、家事や育児など、前傾姿勢で手を使うことが多いため、身体の前側にはでしゃばり筋が、うしろ側にはおサボリ筋ができやすくなっています。
特に、肩関節と肩甲骨を中心とした背中一帯の筋肉が、おサボリ筋になりやすいのです。
身体のキレイは背中から作られる、というのが私の持論です。
背すじの伸びた、無駄な肉のない背中が美しい、という意味もありますが、それだけではありません。
背骨の脊髄には自律神経が通っているので、背骨のつまりが解消されてバランスが安定することによって血流やリンパのめぐりが改善します。
私のクライアントの方も、ガチガチの背中をリリースとエクササイズによってほぐしてあげると瞬時に顔の血色がよくなり、むくみが取れてスッキリと引き締まります。
逆にいえば、背中がほぐれないと身体はラクにならないし、やせにくいのです。
では具体的にいったいどうすればよいのでしょうか?
次の2つを意識することで、おサボリ筋とでしゃばり筋のバランスがとれ、理想的なボディラインへと近づいていきます。
1つ目は、常に酷使され硬くなっているでしゃばり筋を、ふかふかな状態にゆるめる(リリースする)ことです。血流が改善されて、酸素交換や老廃物の排出がスムーズにできるようになります。
2つ目は、おサボリ筋を刺激して、本来もっているはずの力をきちんと発揮してもらうことです。
これから本連載で紹介するリリース&クッションピラティスは、この2つを解決するようにしっかりと考えてあります。ぜひその即効性を実感してください。
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