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ひらりさ⇔鈴木綾 Beyond the Binary

2024.04.05 公開 ポスト

「あなたの恋愛は感情から?理性から?」〈恋におちる〉が難しい理由を語り合う鈴木綾/ひらりさ

Beyond the Binaryの往復書簡をきっかけにした鈴木綾さんとひらりささんによる読書会が4月13日(土)に開催されます。課題図書は『21世紀の恋愛 いちばん赤い薔薇が咲く』(リーヴ・ストロームクヴィスト・作 よこのなな・訳 花伝社)。スウェーデン発の話題コミックです。

星の王子さまやヘーゲル、フロム、キルケゴール、ジジェク、プラトンといった哲学者、思想家、ギリシャ/ヒンドゥー神話、さらにはディカプリオなど古今東西の言説から現代における「恋愛」をマンガで読み解く本書。

当日を迎える前に、レオナルド・ディカプリオはなぜ若いモデルや女優と付き合っては別れを繰り返すのか、から始まる「僕は感じない」のエッセンスをまとめました(文字だけだと硬い本のようですが、実際は、マンガでもっと親しみやすく描かれています!)。

現代人が「恋愛できない」真相とは?

理由1 ≪他者≫の消滅

後期資本主義の極度なナルシシズムは、他人は自分のエゴを承認してくれる「鏡」にすぎない。自己と他人の境目が曖昧になっている

≪他者性≫を奪われた他者を愛することはできない。ただ相手を消費するだけ

 

理由2 「理性による選択」の急増

消費社会のなかで「最大の利益を得られる」パートナーを合理的に選択しようとする

理性で判断しようとする態度が、愛の感情が生まれる可能性を弱めてしまう

でも、恋って、驚きにみちたおとぎ話みたいなものじゃない?

 

理由3 男性の成功の定義が変わった

現代の男らしさは、自分の感情を抑制すること(19世紀は自分の気持ちに正直になることが男らしさだった)

しかも、子どもをほしいと思い、強い絆を求めるのは女性
強い感情を持つのも、愛を告白するのも、女性の役割になった

それは男性が優位になる構造

劣位に置かれたくない女性は、自分の感情を見せず、性的に奔放になることで対抗する

さらに≪愛≫は遠ざかる

 

理由4 世界の魔法が解ける

恋とは、超自然的で神秘的な説明できない体験であるということ

しかし、科学で世界が説明できるようになり、
感情は無意識の化学反応、愛の体験は生物学的な出来事になる

愛は超越的なものではない

愛はディカプリオにも私たちにも魔法をかけてくれない

 

理由5 死ぬのが超下手

愛するのではなく愛されようとする私たち
見た目を気にして好かれようとしてもそれが愛につながることはない

美容整形で表情が薄くなると気持ちを理解してもらえないし

それに後期資本主義社会に生きる私たちは「終わること」「決めること」が下手

老化に抵抗し、死(究極の終わり)を遠ざけようとしたりする

でも、愛の本質は「自意識の放棄」。つまり、死を前提にしたもの

愛の告白とは誓い。誠実であることは、終わりを受け入れること。そこに永遠を封じ込める

 

このあと、≪あんたの変わりはすぐ見つかる主義≫で幸せな愛は手に入るのか? 「好きじゃなくなる」とはどういうことなのか? と考察は続きます。

これらを土台に、鈴木綾さんとひらりささんが当日話題にしたいのは下記のようなことです。


会場で対話に参加してもいいですし、オンラインで聴いているだけでもいい読書会です。

たくさんの方のご参加をお待ちしています!

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ひらりさ『それでも女をやっていく』

「肥大化した自意識、『女であること』をめぐる様々な葛藤との向き合い方。 自分の罪を認めて許していくこと。 その試行錯誤の過程がこれでもかというほど切実に描かれていて、 読み進めるのが苦しくなる瞬間さえある。 それでもここで描かれているりささんの戦いの記録に、私自身も戦う勇気をもらうのだ」 ――「エルピス」「大豆田とわ子と三人の元夫」プロデューサー 佐野亜裕美さん推薦! 実体験をもとに女を取り巻くラベルを見つめ直す渾身のエッセイ!

関連書籍

鈴木綾『ロンドンならすぐに恋人ができると思っていた』

フェミニズムの生まれた国でも 、若い女は便利屋扱いされるんだよ! 思い切り仕事ができる環境と、理解のあるパートナーは、どこで見つかるの? 孤高の街ロンドンをサバイブする30代独身女性のリアルライフ 日本が好きだった。東京で6年間働いた。だけど、モラハラ、セクハラ、息苦しくて限界に。そしてロンドンにたどり着いた――。 国も文化も越える女性の生きづらさをユーモアたっぷりに鋭く綴る。 鮮烈なデビュー作!

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ひらりさ⇔鈴木綾 Beyond the Binary

社会を取り巻くバイナリー(二元論)な価値観を超えて、「それでも女をやっていく」ための往復書簡。

バックナンバー

鈴木綾

1988年生まれ。6年間東京で外資企業に勤務し、MBAを取得。ロンドンの投資会社勤務を経て、現在はロンドンのスタートアップ企業に勤務。2017〜2018年までハフポスト・ジャパンに「これでいいの20代」を連載。日常生活の中で感じている幸せ、悩みや違和感について日々エッセイを執筆。日本語で書いているけど、日本人ではない。

ひらりさ

文筆家。1989年生まれ。オタク文化、BL、美意識などのテーマで、女性についての様々なエッセイ、インタビュー、レビューを執筆する。単著に『沼で溺れてみたけれど』(講談社)。 平成元年生まれのオタク女子4人によるサークル「劇団雌猫」メンバー。劇団雌猫としての編著書に、『浪費図鑑』(小学館)、『だから私はメイクする』(柏書房)など。

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