Beyond the Binaryの往復書簡をきっかけにした鈴木綾さんとひらりささんによる読書会が4月13日(土)に開催されます。課題図書は『21世紀の恋愛 いちばん赤い薔薇が咲く』(リーヴ・ストロームクヴィスト・作 よこのなな・訳 花伝社)。スウェーデン発の話題コミックです。
星の王子さまやヘーゲル、フロム、キルケゴール、ジジェク、プラトンといった哲学者、思想家、ギリシャ/ヒンドゥー神話、さらにはディカプリオなど古今東西の言説から現代における「恋愛」をマンガで読み解く本書。
当日を迎える前に、レオナルド・ディカプリオはなぜ若いモデルや女優と付き合っては別れを繰り返すのか、から始まる「僕は感じない」のエッセンスをまとめました(文字だけだと硬い本のようですが、実際は、マンガでもっと親しみやすく描かれています!)。
現代人が「恋愛できない」真相とは?
理由1 ≪他者≫の消滅
後期資本主義の極度なナルシシズムは、他人は自分のエゴを承認してくれる「鏡」にすぎない。自己と他人の境目が曖昧になっている
≪他者性≫を奪われた他者を愛することはできない。ただ相手を消費するだけ
理由2 「理性による選択」の急増
消費社会のなかで「最大の利益を得られる」パートナーを合理的に選択しようとする
理性で判断しようとする態度が、愛の感情が生まれる可能性を弱めてしまう
でも、恋って、驚きにみちたおとぎ話みたいなものじゃない?
理由3 男性の成功の定義が変わった
現代の男らしさは、自分の感情を抑制すること(19世紀は自分の気持ちに正直になることが男らしさだった)
しかも、子どもをほしいと思い、強い絆を求めるのは女性
強い感情を持つのも、愛を告白するのも、女性の役割になった
それは男性が優位になる構造
劣位に置かれたくない女性は、自分の感情を見せず、性的に奔放になることで対抗する
さらに≪愛≫は遠ざかる
理由4 世界の魔法が解ける
恋とは、超自然的で神秘的な説明できない体験であるということ
しかし、科学で世界が説明できるようになり、
感情は無意識の化学反応、愛の体験は生物学的な出来事になる
愛は超越的なものではない
愛はディカプリオにも私たちにも魔法をかけてくれない
理由5 死ぬのが超下手
愛するのではなく愛されようとする私たち
見た目を気にして好かれようとしてもそれが愛につながることはない
美容整形で表情が薄くなると気持ちを理解してもらえないし
それに後期資本主義社会に生きる私たちは「終わること」「決めること」が下手
老化に抵抗し、死(究極の終わり)を遠ざけようとしたりする
でも、愛の本質は「自意識の放棄」。つまり、死を前提にしたもの
愛の告白とは誓い。誠実であることは、終わりを受け入れること。そこに永遠を封じ込める
このあと、≪あんたの変わりはすぐ見つかる主義≫で幸せな愛は手に入るのか? 「好きじゃなくなる」とはどういうことなのか? と考察は続きます。
これらを土台に、鈴木綾さんとひらりささんが当日話題にしたいのは下記のようなことです。
会場で対話に参加してもいいですし、オンラインで聴いているだけでもいい読書会です。
たくさんの方のご参加をお待ちしています!
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ひらりさ⇔鈴木綾 Beyond the Binary
社会を取り巻くバイナリー(二元論)な価値観を超えて、「それでも女をやっていく」ための往復書簡。