恋愛に正解はないから語り合う
4月13日(土)に開催した、ひらりささんと鈴木綾さんによる「『21世紀の恋愛』読書会~私たちに「恋愛」は必要なのか~」のアーカイブ動画の販売が始まりました。
3回目になるおふたりの講座ですが、今回は、会場とオンラインのハイブリッド。ロンドンの鈴木さんと幻冬舎会場のひらりささんをつなぎました。『21世紀の恋愛 いちばん赤い薔薇が咲く』を課題図書にした読書会という試みもはじめてです。
始まりは、『21世紀の恋愛』の内容紹介から。その後、参加者のみなさんが事前に書いてくださった、本の感想、恋愛にまつわる悩みをひらりささん、綾さんが取り上げながら、そえぞれの考えを交換、さらには書いてくださったご本人にも発言していただくスタイルで進行しました。
『21世紀の恋愛』を読んで上がる<恋愛>への解像度
参加者の方々の『21世紀の恋愛』感想はたとえばこのようなものでした。
恋愛自体も確かに路頭に迷っているのは確かですが、恋愛だけでなく、生き方の指針としても、大変励まされた書籍でした。可能社会と、それが求める合理性による苦悩を今まさにキャリア等でも実感していたところです。
自分の欲求をわからなければならないプレッシャー、それを自己実現に向けて磨いていかなければいけない強迫観念、常に自覚的であること、自覚的であろうとすることを自分にも他人にも押し付けてきていたこと(これがわかったからといって癖になっているからなかなかやめられない気もしますが)などなど、常に生き急いでいて追いつけない自分を責めていたのですが、私も社会や歴史の潮流に踊らされているんだ、と思えて、少し楽になりました。
マッチングアプリの例が印象的で、いくらでも選択肢があるなかで「この人に決めた」と決断することは恋愛以外も含めて難しいです。
本の終わりでは恋に落ちるにはロマンチックラブを信じている人にしかできない(可能性が高い)のかと感じ、恋愛を信じれない人はどうしたら…?と思いました。
便利になりすぎた生活で、欲しいものがすぐ手に入ること、常に消費者であること、すべてがコントローラブルであってほしいという欲求、失敗したくないという思い…現代を覆っている空気は、確かに恋や愛のあり方に影響しているような気がします。
「あんたの代わりはすぐ見つかる主義」≒フェミニズムと仮定するなら、確実に男ガチャで外れを引いた女性を守ってくれるものだし、現代を生きる女性が恋をする上での必須防御アイテムではないかと個人的に思います。肝心なのは、どう使いこなすかではないでしょうか。
「恋に落ちる」経験がないことをずっとコンプレックスに感じていたのですが、「自分をうつす鏡」として相手を見ているのだから「恋に落ちる」ことなんかないわ!と気付けて良かったです。
また序盤にある「恋愛において相手のスペックで見ていると、『消費者』として相手を値踏みしてしまい、気に入らない部分があると許せない」というのをソファーにたとえている部分が言いえて妙だなと思いました。私も相手をソファー扱いしているし、また相手も私をソファー扱いしているので……。
その他も自分の人生に被る話が多く、身につまされる本でした。
『21世紀の恋愛』を読むと、現代の<恋愛>が何に影響を受けているのかの解像度が上がり、<自分>と<恋愛>を客観的にとらえることできた、と多くの方がおっしゃっていました。
途中、「自分は恋愛をしたいのではなく、消費者として生活を豊かにしてくれるいい冷蔵庫が欲しいだけだと気づいた」という参加者の方の発言にみな刺激され、おおいに盛り上がりました。
その他、マッチングアプリでの選択と決断の難しさ、恋愛経験が少ないことの苦悩、恋愛のゴールは結婚なのか、フェミニストと恋愛は相容れるのか否か……など話題は広がりました。
恋愛に正しい答え、やり方があるわけではありませんが、答えがないからこそ、知らない者同士、同じ本を題材に考え、語り合う2時間は刺激的で貴重なものだったと思います。
一冊の本が知らない者同士をつなげる
参加してくださった方の感想もご紹介します。
刺激的で楽しかったです。
・既婚の方(結婚12年目で同じ婚歴の方)も読書会に参加されていて、その方の「恋愛についての悩み」が心にささりました。
・自分が20代の時に「恋愛することに向かない」と悶々と感じておりなぜそう感じていたのかが、この本を読んで、さらに他の方の悩みや感想を見たり聞いたりすることで自身の当時の悶々としていた原因を見つめる(理解する)ことができてすっきりしました。
・[恋愛とはちょっと違いますが]ひらりささんの体験談として『新卒22歳の子が、友達に子どもができると会えなくなるから、今のうちに友達を作っておかないと、と言っている』のを聞いてひらりささんが「若い子にそんなこと言わせる世の中になってはいけない」と仰っていて。この意見に同意ですし、この22歳の方の、悲観的な考えに驚きました。一方で色々いろいろたくさん考えさせられました。
会場参加者とのやりとりが充実していて、とても濃い内容のものになったと感じました。
めちゃくちゃ充実していました。また本書を読んでいなかったのですが、スライドも観やすく、読んでいなくても参加しやすかったです。
さらに、いろいろな立場の人の質問が取り上げられていて、非常に面白かったです。
ひらりささん、鈴木綾さんの今後のイベントにも参加したいと思いました。
とにかく2時間があっという間の素敵な読書会でした。フェミニズムに対して色々な解釈を持った人がいるんだなあと思いましたし、ひらりささん、鈴木綾さん、幻冬舎のご担当者さん、参加された女性全てが素敵な方で、この空間に参加できたことを誇りに思います。
本を読まずに参加しましたが最初にざっくり説明があったし、いろんな話がでてきて面白かったです。イベント後、本を買ったので読んでからまたアーカイブを聞こうと思います。
とてもいい会でした。参加者の皆さんが臆せずに自分のことを語っていたことが印象に残っています。そして、参加者の皆さんもひらりささんも綾さんも「この先の将来このままでいいのか」ということを口にしていて、その思いは全員共通のものだと感じました。閉会後に幻冬舎の竹村さんが「一冊の本を媒介にした方が自分のことを話せるし、ゆるやかに繋がれる」という意味のことを仰っていて、まさにそのとおりだなと思いました。
どんな対話が展開されたかは、ぜひアーカイブでご覧ください。5月13日(月)23時59分まで視聴可能です。
* * *
2018年4月にスタートし、リアルとオンラインでさまざまな講座を開催してきた「幻冬舎大学」は2024年8月、「幻冬舎カルチャー」としてリニューアルいたしました。
講座形式のイベントだけでなく、オンラインサイン会、参加型イベント(オンラインと会場参加のハイブリッド開催等)、動画や音声の販売など、様々なイベント系企画を行って参ります。
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幻冬舎大学 大人のためのカルチャー講座
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