歌人芸人・岡本雄矢さん、初の書籍にして、あちこちで絶賛された『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』が、文庫になりました!
単行本の時にも、コメントを寄せてくださった、俵万智さんが帯にコメントを寄せてくださり、
巻末の文庫解説には、単行本刊行時に夢の対談を実現させてくださった、加藤千恵さんが寄稿くださいました。
身に起こる小さな不幸を、短歌とエッセイにして綴るのが売りの岡本雄矢さんの幸福度がアップしているのが気になりますが…。
文庫版あとがきでも、ずいぶん嬉しそうなので、特別公開いたします。
* * *
2022年4月27日にこの本の単行本を出版させていただきました。
自分が本を出せるなんて思ってもいませんでしたが、運良く編集者さんに見つけてもらい、出版することができて、その後も編集者さんには、ずっとお世話になっています。ある時、編集者さんにご飯に連れてってもらった時のこと。
色々な仕事の話をさせてもらっている途中で、編集者さんがとても軽いトーンで言いました。
「あ、サラダバー文庫にしますから」
え? 文庫? 文庫になるってこんな軽いトーンで言われるものなんですか?
そう思っている僕の目の前で、編集者さんは、もう別の話をしています。
待って、待って!
僕まだ状況摑めてませんから。
だって文庫化ですよ!
僕は出版業界に詳しいわけではありませんが、すべての本が文庫本になるわけではありませんよね。
おそらく、単行本の売り上げや評価がいいものが文庫本になるんですよね。
なので僕は、文庫本になる時は、出版社の貴賓室かどこかに呼ばれて、編集者さんに「嬉しいご報告があります。この度『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』が……文庫本になります!」くらい仰々しく言われるものだと想像していました。
文庫本になる報告は大事(おおごと)として行われるものだと思っていました。
しかし現実は、別の話の合間に「サラダバー文庫にしますから」でした。
それでも嬉しさは変わりませんが。軽いトーンで言ってもらった文庫化ですが、僕にとっては初の文庫本。一生ものの本です。
読んでいただいたあなたにとっても、一生側に置いておきたい本になっていることを願っています。
2024年2月 岡本雄矢
* * *
新刊『センチメンタルに効くクスリ トホホは短歌で成仏させるの』に続き、
『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』が文庫に!
読めば読むほど、なぜか幸せな気持ちにしてくれる短歌&エッセイをお楽しみください。
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僕の不幸を短歌にしてみました(エッセイつき)
著者は、主に”不幸短歌”を詠む「日本にただ1人(たぶん)の歌人芸人」。
よく失敗する、言いたいことが言えない、反論したくても返せない、なぜ自分だけこんな目に合うのかといつも思う、自分には劇的なことが起こってくれないと嘆いて生きている……。
そんな著者から見える”世界”を、フリースタイルな短歌(&ときどきエッセイ)にしてお届け。
もしあなたが自分のことを「不幸だ」と思っているなら、「もっと不幸な男」がここにいると思ってください。
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