皆さんは、人前で詩を読んだことがあるだろうか。
昨年9月、縁があって池袋西口公園で「POETRY BOOK JAM -mini-」というイベントに出演させてもらった。なじみのない人も多いかもしれないが、詩の朗読、いわゆるポエトリーリーディングのイベントである。私は2年前に『生者のポエトリー』(集英社)というポエトリーリーディングをテーマにした小説を刊行していて、その縁があり、声をかけてもらった。
司会はikomaさん、その他の朗読メンバーは宮崎智之さん、phaさん、Daichi Wagoさん。そして司会と朗読の両方を務めたのが、竹田信弥さんだった。
竹田さんは赤坂にある書店・双子のライオン堂の店主として知られる方で、お会いするのはこの日初めて。トップバッターで出演され、イベントの空気を盛り上げてくださった。ちなみに岩井は、トリの大役を仰せつかった。卒倒しそうになりながらもなんとかやり遂げた。
竹田さんとお会いする以前から、双子のライオン堂のことは知っていた。竹田さんと田中佳祐さんの共著である『読書会の教室 本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法』(晶文社)を読んでいたからだ。昨年まで小説幻冬で「深海ブッククラブ」という連作短編を連載していたのだが、その小説のテーマが「読書会」であり、読書会というものを知るために読んだのだった。とても面白く、読書会の臨場感が伝わってくる一冊だった。
双子のライオン堂を訪れたいと思いつつ、忙しさを理由に足を運ばないまま、イベントから半年以上が経過したある日。私は「あなたの書店で1万円使わせてください!」の次の舞台について考えていた。
――そういえば、独立系書店には行ったことがないような?
この企画は過去6回お届けしてきたが、個人経営のお店に伺ったことはまだなかった。最初に伺うとしたら、どこだろう。おのずと私の脳内に、双子のライオン堂、の八文字が浮かび上がってきた。さっそく竹田さんに連絡を取ってみたところ、快諾いただけた。しかも「この企画、いつも拝読してます」というありがたい言葉まで。
そういうわけで、第7弾となる今回の舞台は初の独立系書店である。
* * *
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文豪未満
デビューしてから4年経った2022年夏。私は10年勤めた会社を辞めて専業作家になっ(てしまっ)た。妻も子どももいる。死に物狂いで書き続けるしかない。
そんな一作家が、七転八倒の日々の中で(願わくば)成長していくさまをお届けできればと思う。
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