神社仏閣を中心に、東京都内のスピリチュアルなおすすめスポットをまとめた書籍、桜井識子さんの『東京でひっそりスピリチュアル』。神様とお話しできる桜井さんだから書けた、驚きの新事実が満載の本書から、代表的なスポットをいくつかご紹介します。
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増上寺:東京タワーが間近にのぞめるお寺
広大な敷地のお寺です。三解脱門をくぐって境内に一歩入ると、その瞬間にどこからか、すがすがしく爽やかな香りがす~っと寄ってきました。その香りは仏様の波動を濃厚に帯びている特別なお香のようで、一瞬にして癒やされました。
心地よい歓迎をしてくれるお寺です。ほんわかとほのかに香る程度ですから、意識して受け取ろうとしなければわからないかもしれません。
三解脱門をくぐった正面には大殿があり、その後方には東京タワーがそびえています。私が行った時は大殿が補修中で覆われていたので、残念ながらお堂の外観は見られませんでしたが、そうでなければ一幅の絵のように見えると思います。
大殿には阿弥陀如来坐像が安置されていました。仏様までちょっと遠いのですが、1体しか置かれていないため、意識は集中しやすいです。質問をすれば、大きな阿弥陀さんが出てこられて、丁寧になんでも教えてくれます。
先に境内の説明からしておきますと、大殿の地下は「宝物展示室」になっていました。階段のところに「徳川将軍家墓所拝観共通券1000円」と書かれていて、徳川家墓所が拝観できることをここで知りました。予想外だったので、ヤッホー! と大興奮です。
というのは、増上寺は江戸城の裏鬼門だったという情報だけで、下調べなしで訪れていたからです。さすがに徳川家墓所があることは知っていましたが、まさか見られるとは思っていませんでした。なので、ここで一気にウキウキモードになりました。
江戸城の裏鬼門を守る増上寺
さて、ここで鬼門についてです。鬼門は知識として知っています。陰陽道で、丑寅(北東)の方角は鬼が出入りする場所として、忌み嫌われてきました。鬼門と正反対の方角である未申(南西)も裏鬼門として、鬼門と同様に扱われてきました。
平安京の鬼門封じに比叡山延暦寺が建てられたということで、江戸城の鬼門封じに東叡山寛永寺が寛永2(1625)年に建てられました。神田明神も江戸城の鬼門封じとして、元和2(1616)年に移転させられています。そして、ここ増上寺は裏鬼門の守りだそうです。
調べてみると、幕府をひらく前に現在地に移転させられていて、江戸幕府がひらかれた2年後(1605年)に大造営が開始されています。この経緯から、裏鬼門となっているのはたまたまかな? と思いました(個人的見解です)。天海僧正が鬼門封じをしたり、江戸城にパワーを注入したりするのはもう少しあとだからです。
鬼門の方角に寺社を置くと、なぜ鬼門封じになるのか? というのが、私の疑問でした。鬼が神仏を怖がって、鬼門から入ってこないというのであれば、新しく建てたり移転させたりしなくても、すでにある神社仏閣で十分だと思います。鬼門の方角といっても、範囲はものすごく広いので、寺社はいくつもあるわけです。
けれど、鬼門封じとしてわざわざ特別に置くということは、鬼門封じの術か何かを、そのお寺、もしくは仏様に特別にかけるのかな? と考えてみたりもしました。その呪術パワーで鬼門を押さえるというか、鬼門を封じるというか、鬼門を消すのかもしれません。実際に何がどのように作用しているのか、そこを知りたいと思いました。
人間の信仰心が「魔」を跳ね返す
阿弥陀さんの説明によれば、鬼門は人間の「信仰心」で閉じることができるそうです。
「えええーっ!」と、考えてもみなかった答えにビックリしました。鬼門に置かれた神社仏閣の神様や仏様を信仰する人がたくさん集まることで、鬼門を消すと言うのです。それで大きい寺院や、人気がある寺社を鬼門にもってくるそうです。
この前年に私はたまたま、人間の信仰心には巨大なパワーがあるということを学びました。ですから、この説明も仕組みはすんなりと理解することができました。
信仰を持った人々がたくさん神社仏閣に来れば、神仏を敬い慕う気持ちがそこにいっぱい貯まります。常にその場に、その思いと言いますか、よい念がたっぷりとあるわけです。その清らかでピュアな、波動の高い信仰心の集まり(塊)が「魔」を寄せつけず、跳ね返すのです。つまり、お寺を置いたからといって、そのお寺が鬼門封じとなるわけではなかったのですね。勉強になりました。
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