みなさんは「ダイエット」と聞いて、何を想像するでしょうか? 「運動」と答えた方は、ぜひこの記事を読んでいただくことをオススメします! 話題の新刊『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』の著者で、数々のトップアスリートを指導してきたパーソナルトレーナーの清水忍さんが、ウォーキングを続けてもやせない科学的理由をわかりやすく解説します。
* * *
「運動をすればやせる」という誤解
── 本書を書こうと思われた動機を教えてください。
みなさんは「ダイエット」と聞くと、運動やエクササイズを思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、英語のダイエット(Diet)という言葉には、そうした意味は含まれていません。
ダイエットは英語で、「食事」という意味です。つまり、食事制限のことを指しているんです。ところが、多くの人は「ダイエットしよう」と思ったら、運動を始めてしまう。
「やせるために、一生懸命ウォーキングをしています。でも、なかなかやせないんです」といったお悩みを、お客さまからよくうかがいます。そこで私が、「いや、ウォーキングをしてもほとんどやせませんよ」とお伝えすると、本当にびっくりされます。
── この記事を読んでいる読者の方も、びっくりしていると思います。
糖尿病の患者さんには、ウォーキングは大事なものです。ウォーキングの効果で、その日の血糖値は絶対に下がりますから。しかし、期待しているほど脂肪は使われません。すなわち、やせる効果はあまりないということです。
この事実は意外と知られていません。そこで私が、正しいやせ方を論理的にお伝えすると、ほとんどの方があっという間にやせていくんです。
世の中のどれだけ多くの人が、論理的ではない方法でやせようとしているのか。この間違った現状をどうにかしたいと、昔からずっと思っていました。
私は以前、『ロジカル筋トレ 超合理的に体を変える』という本を出版しました。そのとき、自分がふだんから話していることが本になっただけで、こんなに多くの人から反響をもらえるのかと驚きました。
それなら、「やせる」ということについても、ふだんから自分が話していることを本にできたら、少しはみなさんのお役に立てるかなと思ったんです。それで、編集者さんに企画の提案をさせてもらいました。
食べていいカロリーは「34×なりたい体重」
── 読者のみなさんに、これだけは覚えてほしいメソッドがあります。それは、1日に食べていいカロリーは「34×なりたい体重」だということです。この計算式には、どういった意味があるのでしょうか。
安静にしているときの運動強度を、「1メッツ」と表現します。この状態を24時間続けると、1×24で「24」。それに自分の体重をかけたものが、何もしなくても1日に消費されるカロリーです。体重50キロの人なら24×50、すなわち1200キロカロリーです。
ちなみに「2メッツ」は、立ってうろうろ歩いている状態。一般の人は平均して、だいたい「1.5メッツ」くらいの状態を続けていると言われています。1.5×24なので、「36」。ただし、正確にはそれより少し低い「34」くらいだということがわかっています。
すなわち、「34×体重」があなたが1日に消費するカロリーで、そのカロリーを摂取していれば太ることもないし、やせることもないんです。
もし、体重50キロになりたいとしたら、34×50で1700キロカロリーです。1日に1700キロカロリーしか食べていなければ、体重は50キロにならざるを得ません。それ以上の体重になることは、不可能なんです。
── それを続けていると、いずれは目標の体重になるということですね。本書には、目標の体重になれる日数の計算方法も書かれています。
いつなれるのかわからない状態では、モチベーションが上がりませんよね。なので、あなたの場合、このくらいのことをやっていれば、このくらいの期間でなりたい体重に到達できますよ、ということを計算で出せるようにしています。
── 急激に減らそうとするのではなく、ちょっとずつ減らしていくことが大事なんですね。
やせるには一生懸命、頑張らないといけないとみなさん思いがちです。もちろん、頑張ることがダメというわけではありませんが、その頑張りはどれだけ続くでしょうか。
きつい言い方かもしれませんが、長い年月をかけて太ったんです。なのに、なぜ短期間で変わることができると思うのでしょうか。長い年月をかけて太ったのなら、長い年月をかけてやせましょう。みなさんには、そうお伝えしたいですね。
たしかに「1か月でやせられる」といった話を聞くと、魅力的に感じるかもしれません。でも、極端なことをしても絶対に続きません。ちょっとずつ減らしていくほうが、長い目で見れば早く、確実にやせることができます。
おそらく、みなさんが太ってしまったのは、「ほんのちょっとしたこと」の積み重ねだと思います。ほんの一口多く食べるとか、ほんのちょっと運動しなくなったとか、そうしたことを長い年月くり返してきたせいで、現在の状態になっているのではないでしょうか。
だったら同じことです。長い年月をかけて太ってしまったのなら、長い年月をかけて、ほんのちょっとずつ落としていく。それが道理と言えるのではないでしょうか。
※本記事は、 Amazonオーディブル『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』より、〈【前編】清水忍と語る「『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』から学ぶ論理的な痩せ方」〉の内容を一部抜粋、再構成したものです。
Amazonオーディブル『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』はこちら
書籍『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』はこちら
武器になる教養30min.by 幻冬舎新書の記事をもっと読む
武器になる教養30min.by 幻冬舎新書
AIの台頭やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進化で、世界は急速な変化を遂げています。新型コロナ・パンデミックによって、そのスピードはさらに加速しました。生き方・働き方を変えることは、多かれ少なかれ不安を伴うもの。その不安を克服し「変化」を楽しむために、大きな力になってくれるのが「教養」。
『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』は、“変化を生き抜く武器になる、さらに人生を面白くしてくれる多彩な「教養」を、30分で身につけられる”をコンセプトにしたAmazonオーディブルのオリジナルPodcast番組です。
幻冬舎新書新刊の著者をゲストにお招きし、内容をダイジェストでご紹介するとともに、とっておきの執筆秘話や、著者の勉強法・読書法などについてお話しいただきます。
この連載では『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』の中から気になる部分をピックアップ! ダイジェストにしてお届けします。
番組はこちらから『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』
- バックナンバー
-
- トルコからの石油を止める、ネタニヤフ政権...
- イスラエルとハマスの衝突は「宗教対立」で...
- ついに日本でも始まった、元金融庁官僚が手...
- 「インデックス投資信託」以外は見向きもし...
- 情報はイベントではなく人間から理解せよ…...
- 独裁主義者に操られる究極のニヒリスト…ト...
- 「叱られ耐性」がある、「自分が決めたルー...
- 「VUCA」の時代を生き抜くために…話題...
- とにかく一歩踏み出してほしい…『女性の品...
- 30~40代ビジネスパーソンにおすすめ!...
- 外国語を身につけたいなら「スピーキング」...
- ものごとにはすべて裏と表がある…元外務省...
- 文系ビジネスパーソン必見…「数学への苦手...
- ムダなく、最短距離で、正しそうに…文系ビ...
- コップいっぱいにミミズを入れても怒られな...
- アリに乗る、餌をねだる、アリを食べる! ...
- 「政治と宗教」の議論はここから始まった…...
- あらゆる宗教はカルトから始まる…宗教学者...
- 「ストーカーにつけられている?」と思った...
- 元公安捜査官が明かす「尾行」のマル秘テク...
- もっと見る