「妊娠」「結婚」「死」…上野千鶴子、鈴木涼美、伊藤比呂美が縦横無尽に語る「限界から始まる、人生の紆余曲折について」【レポート】幻冬舎編集部

濁流のような時間。サプライズで高橋源一郎さんもご登壇

6月26日（水）、上野千鶴子さん、鈴木涼美さん、伊藤比呂美さんによるオンライントーク「限界から始まる、人生の紆余曲折について」が開催されました。

この組み合わせは、この4月に発売になった、上野千鶴子さんと鈴木涼美さんによる文庫版『往復書簡 限界から始まる』の解説を伊藤比呂美さんがお書きくださったことによります。

また、伊藤さんは、33年前に上野さんとの往復書簡（『のろとさにわ』）も経験されているというつながりも。

トークはそんな共通点の話から始まり、鈴木涼美さんの妊娠と、生殖する身体の話へとつながっていきました。

話題が移り変わるとき、最初に発せられた上野さんから鈴木さんへの祝福の言葉は胸に迫るものがありました。『往復書簡 限界から始まる』をお読みくださった方は、きっと同じような気持ちを味わわれたのではないでしょうか。

伊藤さんが文庫解説の最後に書かれた、「（上野さんの）娘の母になったらという恐怖も、もしやミソジニーがこねくり回されてつくり上げられたものだったんじゃないか」という指摘に対して、上野さんはお答えくださいました。

その後、「結婚」に対してのそれぞれの見解、そして、パートナーの死をみとった経験がある伊藤さん、上野さんのお話。

妊娠から死まで縦横無尽に語ったあと、参加者の方からいただいた質問にお答えいただき、さらには、ご視聴くださっていた、高橋源一郎さんが飛び入り参加される場面もがありました。

最後、鈴木さんが「濁流にのまれたような時間だった」という感想を述べられましたが、まさにそんな刺激的な2時間10分。「私は私」とそれぞれの道を生きればいいんだと元気をもらいました。

たくさんの方にご参加いただき、また感想もたくさん届きました。その一部をご紹介します。

結婚、出産、介護など女性のライフスタイルについて、三人のそれぞれの背景から紡ぎだされたコメントが、想像した以上に面白くもう一度先生方の本を読みたくなりました。「子供より親が大事と思いたい」とコメントする太宰と「子供より親が大事」言いきる伊藤先生。このことばに男と女の複雑な関係性が見えるのではないかなと思いました。

数年に1回ではなく1年に一回、先生方三人の人生が交差する機会としてトークイベントを行ってほしいと思います。

子育てエッセイや漫画は息子に関することは多いのに娘に関するものはほとんどない、ということは興味深かったです。私も小さいころから「将来子どもを産む体なのだから、たばこは吸わない方がいい」だけでなく「ピアスの穴をあけることは親からもらった体を傷つけることだ」などと言われて育ってきました。鈴木涼美さんの言葉に共感できるところが多くあり、涼美さんや伊藤比呂美さんの言葉を上野さんが補い解説して下さる感じが心地よかったです。最初に涼美さんの妊娠を「お母様も喜んでおられると思う」と言われた上野さんの言葉が優しく慈悲深いもので、じんわりあたたかな気持ちになりました。

3人それぞれの人生が飾らずに語られ、刺激的で興味深かった。

イキイキと話をされる皆様のお姿を見ることができて嬉しかったです。
改めてお3人の著書を読みたいと思いました。フェミニズムは自分のことを大切に、自由にすることと聴いて心がスパッと晴れました。

気になった方は、アーカイブ動画が7月25日（木）23時59分まで視聴可能です。ぜひ活用ください。

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