なぜ19歳までに「7つの武器」を手に入れるべきなのか。樺沢紫苑

精神科医・樺沢紫苑さんの、記念すべき50冊目の著書『19歳までに手に入れる7つの武器』は、アフターコロナとAI時代に対応した、最新版にして決定版の「“人生”というゲームの完全攻略本」！
発売直後から「社会人になる前に読みたかった！」との声も続々届いています。
本連載では、書籍から抜粋して、7つの武器をご紹介します。実は、何歳からでも遅くはありません。7つの武器を手に入れれば、人生は必ずうまくいく。あなたに足りない武器が何か、ぜひ確認してください。

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なぜ「19歳まで」なのか？

「7つの武器」はなぜ、18歳ではなく、19歳までに必要なのでしょう?

「Step1」でも解説したように、人間の成長は十代の後半から、二十代の前半でほぼ完成します。その後も心と身体は成長しますが、そのスピードはどんどん遅くなっていきます。

十代のあなたは、経験値が10倍になる「幸せの靴」を履いている。その 「幸せの靴」の有効期限こそが、19歳なのです。

「幸せの靴」の効果がなくなってしまう19歳までに、「7つの武器」を身につけて、荒波がうねる社会へと冒険に出てほしいとの願いから、本書の企画はスタートしました。

当初の予定では、十代のみなさんにありがちな個別の質問や悩みについて、最終章にまとめて「答え」を書くつもりでした。しかし、私が「悩み」に答えてしまうと、本書の意味が全くなくなってしまいます。

自分の「悩み」に答えを出すのは、「あなた」です。

自分で「答え」を導き出す、本質的な「力」を育ててほしい。冒険をしながら自分にとっての「答え」を導いてください。一人ではそれが難しいときは、「仲間」や「本」があなたを助けます。

かけがえのない、あなたの人生です。自分で考えて、自分で決断し、自分で行動してください。

安易に人の意見を受け入れない。自分の頭で考える。わからなければ、行動すればいい。失敗すればいい。いや、100回失敗してください。

100回の経験を積み上げたときに、あなたの「答え」は正しかったのか。あなたにとっての「真の正解」が見えてきます。

「生きる力」を身につけよう

自力で「答え」を見つける力。それこそが、「生きる力」です。

これからの人生で、あなたは大きな壁に直面するかもしれない。高い確率で挫折も経験するでしょう。しかし、自力で「答え」を導き出す力さえ備えていれば、倒れてもそこから立ち上がることができる。それが、「生きる力」です。

あなたが「生きづらさ」を抱えていても、「生きる力」があれば必ず乗り越えられます。

「生きる力」は、もともとはほとんどの人が備えていた、「当たり前の力」だったはず。しかし、コロナ禍の「つながり不足」「コミュニケーション不足」「運動不足」によって失われてしまったように見えます。だから今、その「生きる力」を取り戻してほしいのです。

自分で考えて、自分で決断し、自分で行動する。「生きる力」を身につけて、自分の力で生き抜いていくしかありません。

「生きる力」は、あなたがいま手に入れた「7つの武器」を磨きあげていくことで養われます。「7つの武器」を使う試行錯誤の中で強化されていくのです。

もしあなたが、これからの人生で壁にぶつかったときは、この「7つの武器」を一つひとつ見直してみましょう。うまくいかない理由が分かるはずです。