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シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか

2024.08.11 公開 ポスト

ストックオプションで給料が180倍に! 30~40代がスタートアップに移るべき理由鳩山玲人

サンリオ米国法人のCOOを経てシリコンバレーでピジョン、LINEヤフー、トランスコスモスなどの社外取締役を務める鳩山玲人さん。多くの成功者の観察を元に「シリコンバレー流の学び方」のエッセンスをまとめた幻冬舎新書『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』より、一部を抜粋してお届けします。

ストックオプションで給料が180倍に!

先に、シリコンバレーでは年収1億円ほど稼ぐ人はまったくめずらしくない、ということをご説明しました。なぜ、そのように稼げるのかといえば、ストックオプションで企業の成長の果実を得る人が多いことが大きな理由です。

ストックオプションとは「従業員や取締役が、あらかじめ定められた価格で自社株を取得できる権利」です。将来、株価が上昇したときにストックオプションを行使すると、「あらかじめ定められた価格」と「そのときの株価」の差の分を利益として得られる仕組みです。つまり、会社の業績が伸びて株価が上昇すればするほど、ストックオプションを持つ人の利益が増大するわけです。

私の友人に、かつてネットフリックスで働いていたデイビットという男性がいます。彼とは、ハーバード時代にアカペラグループで一緒に活動していました。

ネットフリックスには給料をストックオプションに自由に割り振れる制度があり、彼は2007年にネットフリックスに入ってから、ずっと給料の9割をストックオプションにしていました。

当時のネットフリックスの株価は3ドルほどでしたが、2022年1月時点で株価は550ドルを超えています。ざっと180倍です。仮に2007年大学院修了当時の年収が1500万円だとして、そのうち9割にあたる1350万円をストックオプションで受け取って今でも保有していたとすると、入社1年目のストックオプション分だけでも現在の価格は25億円近い計算になります。

もちろん、もしネットフリックスが潰れていれば、ストックオプションは無価値になります。ですから、彼は相応のリスクを負って、このような選択をしたわけです。

 

しかしシリコンバレーで働く人は、割合はさておき、ストックオプションを選択するケースが多いのではないかと思います。「自社の成長に賭けられないなら、そもそもその会社で働く意味がない」ということなのでしょう。

彼はその後、ネットフリックスを辞め、ロサンゼルスに大きな家を建てました。現在は、空調や配管などの工事を担う施工業者向けの事業管理システムを提供するサービスタイタンというスタートアップでCFOを務めています。ニッチなビジネスですが、今後の成長が非常に期待されている企業です。

ネットフリックスでの成功を経ても満足することなく、次のビジネスにチャレンジしている様子も、シリコンバレーの人らしい生き方だと感じます。

30~40代はスタートアップに移って株を持つ

ネットフリックスで働いていた私の友人のケースは特殊なものではなく、シリコンバレーでは「給料よりも株式」という考えが根づいています。

だからこそ、シリコンバレーの人たちは大きく稼いでいるのです。

失敗してもキャリアの形成にプラスにすることができ、次のチャンスもあるという背景もあってか、よくも悪くも「一攫千金」の発想を持って、リスクを取りながら大きなリターンを狙うのがシリコンバレー流であるともいえます。

私は、このようなシステムは、日本でもどんどん採用されるべきだと思っています。

大きく稼げる可能性がないまま、成長が鈍化した企業にしがみつくしか方法がない状況では、「勉強しよう」と奮起しようにも、モチベーションが上がりにくいのではないかと思いますし、そのような環境では働く人の成長が促されず、もったいないと思うからです。

ですから、私が30代後半から40代くらいまでのビジネスパーソンに伝えたいのは、スタートアップに移って、ストックオプションをもらうべきだということです。

有望なスタートアップは日本でも続々登場していますから、はっきりとストックオプションを要求して転職するのがおすすめです。あるいは日本に進出するシリコンバレー発のスタートアップへの転職を考えてもいいでしょう。

日本でも、株式を持つことで「努力が報われる」ということを体感できる機会が増えてほしいと思っています。

関連書籍

鳩山玲人『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』

シリコンバレーにはビジネスで成功し、億万長者になる人が世界一多いといわれる。14年前に日本から移住し、多くの成功者を観察してきた著者はその理由を「彼らが有機的に学んでいるからだ」という。大学までは熱心に勉強するが、社会人になった途端学ばなくなる日本人に対し、シリコンバレーの成功者は「学び」をやめない。社会人になってからも知識・情報をインプットし続け、新しい体験による生きた勉強をし、付加価値を高めていく。20〜50代までの年代ごとに必要な勉強とは? 成功のために絶対不可欠な体験とは? シリコンバレー流の学び方を身につければ、生涯現役まちがいなし!

鳩山玲人『桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか』

34歳のときに三菱商事からサンリオに入社した鳩山氏。 海外でのライセンス事業に注力した結果、欧米での収入が大きく伸びたことで(営業利益の90パーセント以上は海外)、会社の営業利益は5年で約3倍、時価総額は約7倍に。 その実績をかわれ、2013年6月には39歳にして、DeNAの社外取締役に抜擢される。 鳩山氏は一体、どのようにして桁外れの結果を出し続けているのか。 その秘訣を具体的に伝授。これらをやるか、やらないかで、3カ月後にとてつもない差がつく!!

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鳩山玲人

1974年生まれ。鳩山総合研究所 代表取締役。元サンリオ常務取締役。青山学院大学を卒業後、三菱商事に入社。エイベックスやローソンでエンターテインメント事業に従事。2008年にハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得。同年、サンリオに入社。サンリオで海外事業を拡大し、サンリオ メディア&ピクチャーズ・エンターテインメントのCEOとして映画事業にも従事し、2016年6月に退社。現在、ピジョン、トランスコスモス、Zホールディングスの社外取締役を務めるほか、シリコンバレーのベンチャーキャピタルであるSozoベンチャーズのベンチャーパートナーや、YouTuberを束ねるUUUMのアドバイザー、「HUMAN MADE」ブランドを展開するオツモのCSOも務めている。

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