ほとんどの人が「99%」側に行くことになる、超格差社会。そこで生き延びるためには?
富永雄輔さんの最新刊『AIに潰されない「頭のいい子」の育て方』より。
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「努力すれば道は拓ける」の教えは危険!
1パーセントと99パーセントに分かれる世界で、“1パーセント”になるのは非常に大変です。そこには、生まれながらの「天才」がいます。これはもう、どうにもなりません。しかしながら、親であるみなさんの世代までは、「量」が大切だった時代なので、天才でなくとも努力すればいわゆる「勝ち組」にはなれました。今、成功している人たちの大半がこのタイプです。
だからこそ、現段階の成功者は我が子に、自分と同じように努力すれば道は拓けると教えがちです。
でも、これからはその価値観は通用しません。ただ努力するだけでは99パーセントに入ることは間違いないし、その中でも“底辺”に行きかねないのです。
大事なのは、99パーセントの中に入っても幸せに生きられること。大金持ちになんてなれなくてもいいから、食べていける人になることです。
そのために、成功している親こそ、価値観を転換する必要があるのだと私は繰り返し述べているわけです。
そもそも、幸福の価値観が親世代と子ども世代では大きく違っています。今の若者たちの幸せの基準は多様化しており、社会的成功は必ずしも幸福感とリンクしません。
親は子どもを愛し、その幸せを願っている。
子どもは親を信頼し、アドバイスを求めている。
この構図は昔も今も変わりません。
しかし、私たちを取り巻く環境が激変しているために、これまでと同じ認識では、みなさんは潰れ、愛する子どもも潰してしまいます。
そうならないためにどうすればいいのか、次章からより具体的に見ていきましょう。
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【新刊】AIに潰されない「頭のいい子」の育て方
生成AIの台頭により、5年後には今ある職業の2割が消えると言われる。まず淘汰されるのは、ホワイトカラーの中のエリート層だ。そんな時代の「頭のよさ」とは何なのか。親は何を目指して子どもを育てればいいのか。「親自身の成功体験を忘れろ」「“一つを極めろ”より、“あれもこれも”の選択肢を」「いつも勝てる場より、競争を」など、親の価値観転換を迫る緊急提言とともに、「愛嬌がある」「負けた回数が多い」など、伸び伸びと強く生きていける子どもの特徴も解説。子どもの未来への不安を払拭する、きれいごと抜きの実践的子育て論。
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