生き方
前号、視覚を失った作家による絵本について触れたが、子どもができて驚くほど絵本を読むようになった。一緒に読んでいる私の中でも様々な感情がうごめく。でも、反応は相いれないことも多い。例えば、思いがけない結末に涙をこぼしても、娘は全く悲しそうな素振りはみせず「お母さん悲しいの?」と慰めてくれたりする。あるいはくすくす笑う娘をよそに、どこが面白いのかと自分がさめた気持ちになることもある。この違いは年齢や知識の差によるものだろうし、感受性(圧倒的に娘の方が広く深い)も関係しているはずだ。子どもの時間の流れは速く、今日明日と1年後では、興味を持つ絵本も、反応する箇所もまったく違うだろう。
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